お惣菜の楽しみ方

スーパーやコンビニではさまざまなお惣菜が購入できます。
1人用の少量パックやグラム売りのものもあり、種類も豊富で世代を問わず利用しやすくなっています。

お惣菜には、「手軽に」「食べたいものを必要な分だけ」買えて、「さまざまな食品を食べられる」というメリットがありますが、選び方によっては「栄養バランスが偏りやすい」、「味が濃い」「油っぽい」料理が多いといったデメリットもあります。

では、お惣菜を選ぶときにはどのような点に気をつけたら良いでしょうか?

①お惣菜の選び方

(1)栄養バランスを考えて組み合わせよう
下の図のように、「主食・主菜・副菜」の3つのお皿をそろえることがポイントです。

栄養バランスを考えて組み合わせよう



(2)主食は「白いご飯」を選ぼう
市販のお惣菜は味付けが濃いものが多いので、味付けされた炊き込みご飯や麺類などを主食にすると塩分の摂りすぎにつながります。
主食は味付けされていない「白いご飯」にしましょう!
「パックご飯」を常備するのも一工夫です。

(3)同じ調理方法の「重ね食べ」をしない
から揚げ+野菜のてんぷらなどの揚げ物の重ね食べは油の摂りすぎに、煮魚+野菜の煮物などの煮物の重ね食べは塩分の摂りすぎにつながります。一度に何品もの揚げ物料理を重ねて食べることは控えましょう。また、塩分については下図を参考に煮物に偏らないようなおかずを選びましょう。

<塩分含有量の多い料理、少ない料理>

塩分含有量の多い料理、少ない料理



「リン制限」を指示されている方は?

リンはたんぱく質に多く含まれますので、肉や魚、卵(黄身)などたんぱく質の多いお惣菜の重ね食べに注意しましょう。

「カリウム制限」を指示されている方は?

カリウムの多い食品、いも類(フライドポテト、さといもの煮物、ポテトサラダなど)、生果物は控えめにしましょう。

※お惣菜にはリンやカリウムの栄養成分表示はほとんどありません。
※リン制限、カリウム制限のポイントについては「これだけは知っておきたい食事管理のポイント」をご参照ください。


②イラストにあるお惣菜の組み合わせのポイント

「さばのみそ煮」を主菜にしたときの組み合わせの工夫をご紹介します!

お惣菜の楽しみ方
このメニューの栄養成分 1食あたりの目安量※1 目安量との比較
エネルギー:879kcal
たんぱく質:31.7g
カリウム:1,016mg
リン:397mg
食塩相当量:6.9g
エネルギー:596kcal
たんぱく質:19.3g
カリウム:667mg
リン:289mg
食塩相当量:2g
エネルギー: 147% たんぱく質:164% カリウム:152% リン:137% 食塩相当量:345%

このメニューの栄養成分

エネルギー:879kcal
たんぱく質:31.7g
カリウム:1,016mg
リン:397mg
食塩相当量:6.9g

1食あたりの目安量※1

エネルギー:596kcal
たんぱく質:19.3g
カリウム:667mg
リン:289mg
食塩相当量:2g

目安量との比較

エネルギー: 147% たんぱく質:164% カリウム:152% リン:137% 食塩相当量:345%

※1

:標準体重50~60kg(55kgで算出)、週3回血液透析の方の場合
   食事療法基準※2に基づいて、1日を3等分にして上記の通りに算出
(目安量は体重によって個人差がありますので、具体的な量については「これだけは知っておきたい食事管理のポイント」をご参照ください。)

※2

:日本腎臓学会編「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」、東京医学社、2014

※このお惣菜の栄養成分は一例です。各メーカーや店舗によって成分は異なりますので、ひとつのご参考としてください。

減塩のためにできる工夫は?

(1)主食の組み合わせ

おにぎり

おにぎりは、「白いご飯」であってもご飯に塩が混ざっています。栄養成分表示などを参考にし、塩分の少ないものを選んだり、組み合わせるおかずの塩分にも気をつけましょう。
⇒イラストのおにぎりを「白いご飯」に替えるだけで、塩分を2~3g減らすことができます。

(2)副菜の組み合わせ

肉じゃが

主菜が煮物なので、副菜はサラダや酢の物など塩分の少ないものを選ぶと良いでしょう。


<ワンポイントアドバイス>
煮物のお惣菜で煮汁がたっぷりあるときでも「煮汁をご飯にかけて食べる」「煮汁を飲む」ことはしないで残しましょう。
「リン制限」を指示されている方は?

さばのみそ煮

さばを含め、魚には比較的リンが多く含まれますので、残すようにしましょう。
1切れ80g程度のさばであれば、3分の1ほど残すとリンの摂取量を約210mgから140mg程度に減らせます。

肉じゃが

肉にはリンが多く含まれますので、肉は残すか、肉や卵(黄身)などのたんぱく質を含まないお惣菜を選びましょう。


<ワンポイントアドバイス>
リンはたんぱく質が多いものに多く含まれます。肉、魚、卵(黄身)、大豆製品などのお惣菜は「1食あたり1品」を目安にすると良いでしょう。
「カリウム制限」を指示されている方は?

肉じゃが

じゃがいもにはカリウムが多く含まれますので、食べる量を調整しましょう。
煮汁にはカリウムが多く含まれますので残しましょう。


<ワンポイントアドバイス>
いも類やかぼちゃにはカリウムが多く含まれます。こうした食材がなるべく入っていないお惣菜を選ぶとよいでしょう。また、どうしても食べたい時は残すようにしましょう。
例)スパゲティサラダやマカロニサラダ、酢の物など
最後に・・・
お惣菜は種類が豊富ですが、選び方によっては栄養バランスが偏りがちになります。
選ぶときは主食・主菜・副菜の「3つのお皿」を思い浮かべて、今回のポイントを参考にしてみてください。