医薬品
2007年7月23日
トラニラスト(製品名:リザベン®)に関するニュオンセラピューティックス社との契約締結のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(代表取締役社長 神澤陸雄)は、当社が創製し、販売している抗アレルギー薬「トラニラスト」(製品名:リザベン®)について、この度、ニュオンセラピューティックス社 (〔Nuon Therapeutics, Inc (米国カリフォルニア州)〕、以下「ニュオン社」)と多発性硬化症などの自己免疫性疾患を含む領域において、研究開発及び製造販売に関する契約を締結しましたのでお知らせ致します。
トラニラスト(製品名:リザベン®)は、1982年に気管支喘息を適応とする国内初の経口薬として当社が新発売し、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎の効能を追加し広くアレルギー疾患の治療に用いられてきました。また、1993年にはケロイド・肥厚性瘢痕の効能を追加し、外科領域でも使用されています。更に、1995年に販売開始したリザベン点眼液は、アレルギー性結膜炎に対して広く用いられています。トラニラストは肥満細胞などからのケミカルメディエーターの遊離を抑制して抗アレルギー作用を示すとともに、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療に対しても有用性を示すなどユニークな特性があることから、 これまでも他の疾患領域への応用が期待されていました。
スタンフォード大学のステインマン教授やロンドン大学のフェルドマン教授らによりトラニラストの多発性硬化症や関節リウマチなどの自己免疫性疾患への応用について検討がなされ、興味ある研究成果が報告されています。
ニュオン社は、これらの研究成果をもとにトラニラストの多発性硬化症を含む新しい用途での研究開発を進めていますが、この度ニュオン社では、当社が保有する非臨床・臨床試験データを用いることにより迅速かつ効率的な開発が可能となることから当社と提携することとなりました。
当社は本契約により、ニュオン社が取得した新しい用途での技術情報をもとに、日本及び韓国において、トラニラストの 多発性硬化症などの自己免疫性疾患などでの研究開発及び製造販売を進める権利の取得に関する独占的オプション権を取得しました。
以上
≪ご参考≫
<ニュオンセラピューティックス社(Nuon Therapeutics, Inc)の概要>
■本社所在地
米国カリフォルニア州
■設立
2002年
■CEO
ロドニー・パールマン(Dr. Rodney Pearlman)
■従業員数
6人
■URL
http://www.nuontherapeutics.com