医薬品
2009年4月 8日
排尿障害改善薬シロドシン(日本製品名:ユリーフ®)の米国での新発売のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(代表取締役社長 神澤陸雄)は、当社が創製しワトソン社〔Watson Pharmaceuticals, Inc.(米国)〕に技術導出 しました前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬シロドシン(一般名)、(日本製品名:「ユリーフ®」)について、このたび、4月6日(現地時間)にワトソン社が米国にて新発売(米国製品名:「RAPAFLOTM(ラパフロ)」)しましたのでお知らせします。
「ユリーフ®」は、キッセイ薬品が創製した選択的α1A受容体遮断薬であり、主に前立腺に存在するα1A受容体を遮断することにより、前立腺の緊張を緩和して尿道抵抗を改善し、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善します。既存薬に比べ効果の発現が早く、尿が出にくいなどの排尿症状と、頻尿や尿が我慢できないなどの蓄尿症状の両症状を改善する特長があります。また、ワトソン社が実施したシロドシンの心臓への影響を調べた試験(QTc試験)では、異常は認められず、心血管系に安全な薬剤であることが確認されています。
米国では、50歳代以上の男性の約半数以上が、また、80歳男性の約90%が前立腺肥大症であり、比較的高齢の方が中心であることから高血圧症などの心疾患を併せ持つ患者さんも多いとみられます。ワトソン社は、明確な改善効果があり、心血管系への影響が少ないシロドシンは、米国での前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療において新たな選択肢を提供する薬剤であるとして、米国での販売に大きな期待を持っています。なお、本薬は国内では当社と第一三共株式会社が、平成18年5月より製品名「ユリーフ®」で共同販売しており、発売以来高い有用性が評価され、年間売上高150億円規模の製品に成長しています。
本薬は海外において、キッセイ薬品の技術導出先企業により開発が進められています。昨年4月には韓国で承認されたほか、欧州では昨年11月に、中国では昨年12月に承認申請されており、今後、世界の患者さんのQOLの向上に貢献する薬剤として成長することを期待しています。
以上
≪ご参考≫
<Watson Pharmaceuticals, Inc.(ワトソン社)の概要>
■本社所在地
アメリカ カリフォルニア州
■設立
1984年
■社長兼最高経営責任者(CEO)
Paul Bisaro
■売上高
2,536百万米ドル(2008年)
■従業員数
約5,100人
■URL
http://www.watson.com/