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どうやって治すのだろう

医療機関(泌尿器科)を受診。医師に尿の出具合などを伝えて、検査を行った後、症状に合わせた治療が行われます。

診察

治療法が決まるまでの流れ

はじめに問診によって症状を確認します。その際に、尿の出具合に関する質問票(国際前立腺症状スコア(I-PSS)と呼ばれます)が用いられることがあります。続いて尿検査や血液検査、前立腺の検査が行われ、医療機関によってはさらに詳しい前立腺の検査や排尿の検査(尿流測定・残尿量測定)が行われることもあります。
これらの結果から前立腺肥大症を総合的に診断します。

1.問診

自分でも尿の出具合をチェックしてみましょう!(尿の出具合チェック)

2.一般的な検査

・尿検査

・血液検査

・前立腺の検査

・経腹的超音波検査(経腹エコー)

3.さらに詳しい検査

・前立腺の検査・直腸診・経直腸的超音波検査(経直腸エコー)

・排尿の検査・尿流測定・残尿量測定

4.診断

5.治療法決定

※医療機関や患者さんの状態によって、検査の内容や順序が変わる場合があります。

問診

前立腺肥大症の症状がどの程度進んでいるか、問診により確認されます。
尿の出具合に関する質問をいくつかされますが、国際前立腺症状スコア(I-PSS)と呼ばれる質問票や、それらの症状に対してどのくらい不満に感じているかを点数で表すQOL(Quality of Life)スコアという質問票が用いられる場合があります。
自分でも尿の出具合をチェックしてみましょう!(尿の出具合チェック)

検査

前立腺肥大症では主に以下のような検査が行われます。検査によっては、膀胱にある程度尿をためておく必要があるものもあります。

一般的な検査

尿検査

健康な尿には含まれない血液や細菌、白血球などを調べることで、膀胱炎などの尿路感染症や膀胱がんなど、前立腺肥大症と症状が似ている病気がないかどうかを確認します。

血液検査

血液中の前立腺特異抗原(PSA)という腫瘍マーカーの濃度を調べて、前立腺がんのチェックをします。前立腺がんの場合、PSAの値が高くなります。前立腺がんと前立腺肥大症は症状が似ており、また両方が合併することもあります。血液で簡単に調べることができるPSA検査はよく行われる検査で、前立腺がんの早期発見も可能です。また前立腺肥大症が原因で尿が出にくくなっている場合には腎臓に影響することもあるので、血清クレアチニンなどの値から腎機能を調べることもあります。

前立腺の検査
<経腹的超音波検査(経腹エコー)>

お腹の上から超音波を当てることで前立腺のおおよその大きさを調べることができます。膀胱にある程度の尿がたまっていると、簡単に前立腺の大きさを測ることができますので、よく用いられる方法です。

さらに詳しい検査

前立腺の検査
<直腸診>

前立腺は直腸の近くにあるので、直腸の壁を隔てて触ることができ、前立腺がどのくらい肥大しているか確認することが可能です。またその硬さや形などから、前立腺がんとの区別もできます。前立腺肥大症の場合の硬さはゴムのようですが、前立腺がんの場合は石のようなしこりになっています。

<経直腸的超音波検査(経直腸エコー)>

超音波の検査機器を肛門から挿入して直腸から超音波を当てると、前立腺との距離が近いため大きさや内部の構造などをより詳しく調べることができます。

排尿の検査
<尿流測定>

便器状の測定装置に排尿するだけで、尿の出る速さ(一秒あたりの排尿量)を調べることができます。前立腺肥大症の場合は、排尿開始が遅れる、排尿に時間がかかる、勢いがないなどの症状がグラフでわかります。正確な検査のためには膀胱にある程度の尿がたまっていることが必要です。

治療法

治療は、薬物療法と外科的治療法(手術など)に大きく分けることができ、患者さんの症状や重症度に合わせて選ばれます。以前は外科的治療法がよく行われていたのですが、最近では新しい薬が開発され、重症でない限りはまず薬物療法から治療を始めることが多くなりました。

経過観察

症状が軽い場合、日常生活を送る上での指導にとどまり、特に治療を行わないでしばらく経過をみることがあります。症状が重くなってきたら治療を開始します。

薬物療法

α1ブロッカー(α1遮断薬)

締め付けられている尿道を広げ、尿の出具合を改善します。比較的早く効果が現われることが多く、初めに処方されることの多い薬です。
前立腺肥大症では、「尿道を閉めなさい」という自律神経の命令を受け取るα1受容体の数が増えるため、必要以上に尿道が締め付けられています。α1ブロッカーはそのはたらきを阻害することで尿道を広げて排尿に関わるさまざまな症状を改善します。
なお、α1受容体は血管にも存在するので、めまいや急な血圧低下による立ちくらみなどの副作用が現われることがあります。

5α還元酵素阻害薬

肥大した前立腺を小さくする薬です。前立腺の肥大に関与する男性ホルモンのはたらきを強める酵素を阻害することで、前立腺が大きくなるのを抑えて縮小させ、前立腺の圧迫を弱めて尿を出しやすくします。
前立腺は徐々に小さくなるため、効果はゆっくりと現れます。
性機能障害関連(勃起不全、性欲減退など)の副作用がみられることがあります。

抗男性ホルモン薬

前立腺そのものを小さくする薬です。前立腺の肥大は男性ホルモンの影響を受けて起こるため、そのはたらきを抑えることで前立腺を小さくし、症状を改善します。
勃起障害や性欲低下など性機能に副作用が現れることがあります。
前立腺はゆっくりと縮小するため、効果が現れるまでには少し時間がかかります。

PDE5阻害薬

PDE5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素のはたらきを阻害することで、尿道や前立腺の筋肉を緩めて尿を出しやすくします。
頭痛や消化不良などの消化器症状といった副作用がみられることがあります。

その他の薬剤

植物エキス製剤やアミノ酸製剤、漢方薬などがあります。これらの薬がどのようなメカニズムで作用するのかはよくわかっていません。治療効果はゆるやかですが、副作用は比較的少ないことが知られています。

外科的治療

手術療法
・経尿道的前立腺切除術(TURP)

最も一般的な手術方法で、尿道から電気メスで前立腺の肥大した部分を切除します。出血や逆行性射精が起こることがありますが、症状はかなりよくなり、入院期間も短期間ですみます。

・開放手術

前立腺の肥大が顕著な場合や、手術が必要な合併症がある場合など、開腹して前立腺を全部摘出することがあります。

負担が少ない外科的治療法

以下の治療法は手術療法より効果はゆるやかですが、患者さんの負担が少なくてすみます。

・レーザー療法

尿道から内視鏡を挿入し、その先からレーザーを照射して肥大した前立腺を焼いて壊死させ、小さくする方法です。

・高温度療法

尿道や直腸からカテーテルを入れ、マイクロ波やラジオ波、超音波などを出して前立腺を加熱し壊死させることで症状を改善する方法です。

・尿道ステント

形状記憶合金などでできた管を尿道に入れて、尿道を広げるという方法で、ほかの病気のために手術ができない場合に行われます。

日常生活の注意点

前立腺肥大症では、以下の点に注意して規則正しい生活を心がけましょう

尿をガマンしない

膀胱に尿をためすぎると膀胱の排尿する力が弱まってしまうことがあります。ガマンしすぎてはいけません。

便秘にならないようにする

直腸に便がたまりすぎると尿道を圧迫してしまいます。便通を整えるようにしましょう。

適度な運動をする

長時間同じ姿勢で座っていると、下腹部に血液がたまって前立腺がうっ血し、尿が出にくくなることがあります。特に制限がない方は適度な運動をするように心がけてください。

適度な水分をとる

水分は適度にとりましょう。夕方からコーヒーやお茶などの水分をたくさんとると夜中に尿意をもよおすので、飲み過ぎは要注意です。

アルコールを飲みすぎない

アルコールには尿をつくる作用があります。また血行が良くなり、前立腺がむくむことによって尿道を圧迫することがあるので、お酒を飲むときは適度な量を心がけましょう。

刺激の強い食事は避ける

辛い食べ物や刺激の強い食べ物は前立腺をうっ血させることがあるので、控えてください。

ほかの薬を飲むときは医師に相談する

薬の中には、前立腺肥大症の症状を悪化させるような種類もあります。前もって医師に相談するようにしましょう。

監修

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 手術・集中治療部 部長 吉田 正貴 先生

2017年改訂