用語集

あ行

ANCA(アンカ)

「抗好中球細胞質抗体」という異常な抗体。英語の“Anti-Neutrophil Cytoplasmic Antibody”を略して「ANCA(アンカ)」とよばれる。正常な抗体は、体内に侵入した異物を標的として排除するように働くが、ANCAは、もともと体内にある自分自身の好中球を標的にしてしまう。ANCA関連血管炎であれば、多くの場合、血液検査でANCAが陽性になる。

鞍鼻(あんび)

鼻すじの途中がくぼんだように変形した状態のこと。多くは外傷で起こるが、多発血管炎性肉芽腫症(たはつせいけっかんえんせいにくげしゅしょう:GPA)でも見られる症状の一つ。

医療費助成制度

指定難病に含まれる疾患と診断され、病状が一定程度以上で、医療費の自己負担が定められた上限額を超えている場合、超過分を公的に支給する制度。

炎症

生体が受けるさまざまな刺激に対して、部分的または全身的に起こる防御反応の一つ。熱をもつ、腫れる、赤くなる、痛む、動かしづらくなるといった症状が、さまざまな程度・組み合わせでみられる。

か行

寛解

ANCA関連血管炎においては、血管の炎症がなくなった状態をいう。寛解に至っても、病気が完治したわけではなく、再び血管の炎症が現れることもある。

関節リウマチ

免疫の異常により、関節に炎症が起こり、痛みや腫れが生じる病気。進行すると、関節が変形したり、うまく動かなくなったりする。

完治

病気が完全に治ること。症状やその原因となっている異常がなくなり、病気になる前の状態にもどること。

クレアチニン(CRE、Cre、Cr)

筋肉を動かすエネルギーを使うと体内に発生する物質。通常、腎臓でろ過されて尿として排出されるため、血液中のクレアチニン値が高いときは、腎臓の働きが悪くなっている可能性がある。正常値は、男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下(施設により多少の違いあり)。

血尿

腎臓の血管などが傷つき、尿に血が混じる状態。初期の段階では尿の見た目は変わらないため、尿検査によって見つかる。出血量が多い場合は、尿が赤っぽくなる。

血管炎

血管に炎症が起こっている状態。血管がふくらんだり、狭まったりする。ときには破れたり、つまったりすることもある。発熱や疲労などの全身症状や、一つあるいは複数の臓器に障がいが起こり、それらに応じた症状がみられることがある。

顕微鏡的多発血管炎(けんびきょうてきたはつけっかんえん:MPA)

3種類あるANCA関連血管炎のうちの一つ。日本では3種類の中では最も患者数が多く、腎臓、肺、神経の症状が現れやすいとされる。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(こうさんきゅうせいたはつけっかんえんせいにくげしゅしょう:EGPA)

3種類あるANCA関連血管炎のうちの一つ。気管支喘息や難治性の鼻炎・副鼻腔炎を有する患者さんで、好酸球が増加したあとに続いて起こることが多く、神経や皮膚、消化器、心臓、肺に症状が現れやすいとされる。

抗体

外敵から身体を守る役割をもつタンパク質で、「免疫グロブリン」とも呼ばれる。抗体はそれぞれ標的とする異物が決まっており、特定の異物の目印(抗原)にのみ結合し、異物を体から排除する働きをする。

好中球

白血球の一種。白血球の中で一番多く、侵入した異物をいち早く攻撃する役割がある。

さ行

再燃

ANCA関連血管炎においては、一度消失した血管の炎症が再び現れることをいう。

自己抗体

自分の体の特定の細胞や組織に結合し、免疫反応を誘導する異常な抗体。自己抗体には多くの種類があり、自己免疫疾患の診断や病気の勢いの評価にも活用される。

自己免疫疾患

免疫系が自分自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまう病気。ANCA関連血管炎や全身性エリテマトーデス、関節リウマチなどが含まれる。

指定難病

「難病の患者に対する医療等に関する法律」に定められる基準(原因不明で治療方法が確立していない、患者数が少ない、長期の療養を必要とする など)に基づいて国が指定した病気。指定難病は、医療費助成制度の対象とされる。

腎臓

血液から余分な水分や老廃物をろ過して尿を作る臓器。ほかにも血圧の調整などさまざまな機能をもつ。

ステロイド薬(副腎皮質ステロイド)

体内(副腎)でつくられるステロイドというホルモンを、人工的に合成してつくった薬。炎症免疫機能を抑える作用があり、さまざまな病気の治療に用いられる。飲み薬、注射薬、軟膏などがあり、作用の強さや作用の持続時間などが異なるさまざまな種類がある。

生検

腎臓、皮膚、肺、神経、筋肉などの部位の一部を針などで採取して、顕微鏡でくわしく調べる検査。ANCA関連血管炎の診断を確定するためには大変重要である。

た行

多発血管炎性肉芽腫症(たはつけっかんえんせいにくげしゅしょう:GPA)

3種類あるANCA関連血管炎のうちの一つ。①目・鼻・耳・のど ②肺 ③腎臓 に症状が現れることが多く、鞍鼻(あんび)という特徴的な症状が現れることもある。

蛋白尿(たんぱくにょう)

腎臓の血管が傷つき、血液中のタンパク質が尿中に漏れ出す状態。尿の見た目は変わらないため、尿検査によって見つかる。

透析

低下した腎臓の機能を補うため、人工的に血液中の余分な水分や老廃物を取り除き、血液をきれいにする治療法。週2~3回程度通院し、1回あたり4〜5時間程度の治療を行う「血液透析」と、患者さん自身でお腹の中に入れた透析液を1日4回程度交換して行う「腹膜透析」の二つの方法がある。

ま行

免疫

体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除する、人間の体に備わっている防御機能のこと。好中球抗体は、免疫において重要な役割を果たす。

免疫抑制薬

免疫機能を抑える作用がある薬の総称。自己免疫疾患の治療などに用いられる。飲み薬や注射薬があり、また、さまざまな種類があって、病気の状態などに応じて使い分けられたり、併用されたりする。

抗体とは

外敵から身体を守る役割をもつタンパク質で、「免疫グロブリン」とも呼ばれる。抗体はそれぞれ標的とする異物が決まっており、特定の異物の目印(抗原)にのみ結合し、異物を体から排除する働きをする。

好中球とは

白血球の一種。白血球の中で一番多く、侵入した異物をいち早く攻撃する役割がある。

完治とは

病気が完全に治ること。症状やその原因となっている異常がなくなり、病気になる前の状態にもどること。

免疫とは

体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除する、人間の体に備わっている防御機能のこと。好中球や抗体は、免疫において重要な役割を果たす。

炎症とは

生体が受けるさまざまな刺激に対して、部分的または全身的に起こる防御反応の一つ。熱をもつ、腫れる、赤くなる、痛む、動かしづらくなるといった症状が、さまざまな程度・組み合わせでみられる。

多発血管炎性肉芽腫症(たはつけっかんえんせいにくげしゅしょう:GPA)とは

3種類あるANCA関連血管炎のうちの一つ。①目・鼻・耳・のど ②肺 ③腎臓 に症状が現れることが多く、鞍鼻(あんび)という特徴的な症状が現れることもある。

指定難病とは

「難病の患者に対する医療等に関する法律」に定められる基準(原因不明で治療方法が確立していない、患者数が少ない、長期の療養を必要とする など)に基づいて国が指定した病気。指定難病は、医療費助成制度の対象とされる。

腎臓とは

血液から余分な水分や老廃物をろ過して尿を作る臓器。ほかにも血圧の調整などさまざまな機能をもつ。

自己免疫疾患とは

免疫系が自分自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまう病気。ANCA関連血管炎や全身性エリテマトーデス、関節リウマチなどが含まれる。

関節リウマチとは

免疫の異常により、関節に炎症が起こり、痛みや腫れが生じる病気。進行すると、関節が変形したり、うまく動かなくなったりする。

医療費助成制度とは

指定難病に含まれる疾患と診断され、病状が一定程度以上で、医療費の自己負担が定められた上限額を超えている場合、超過分を公的に支給する制度。

鞍鼻(あんび)とは

鼻すじの途中がくぼんだように変形した状態のこと。多くは外傷で起こるが、多発血管炎性肉芽腫症(たはつせいけっかんえんせいにくげしゅしょう:GPA)でも見られる症状の一つ。

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