海外旅行に行きたいのですが、トイレが近いので慣れない環境や⾧時間の移動に不安があります。海外旅行に行く前に行える対策や、飛行機の中など移動中に気を付けることはありますか?

海外旅行は楽しみですが、トイレが近いと、慣れない観光地ですぐにトイレが見つかるのか、また、電車やバス、飛行機での長時間移動中のトイレ事情も気になりますね。

トイレが気になると水分を摂ることを我慢しがちになりますが、飛行機内での水分制限はエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症など)につながることもありますので、適度な水分摂取を心がけてください。飛行機に乗る前や機内での離陸後・着陸前のトイレに行ける時間帯には、早めにトイレを利用して気持ちの余裕を持つのがよいでしょう。
急に強い尿意を感じることがある(尿意切迫感)、1日に8回以上トイレへ行くなど、日ごろからおしっこの悩みを感じている方は、海外旅行に行くまでに内科や泌尿器科を受診して、原因と対策を確認しておくとよいでしょう。原因によっては、治療やトレーニングなどで症状が改善できることもあります。受診した際に、先生に海外旅行に行くことを伝えて、気をつけることや工夫など、どんな対策があるのか尋ねてみてもよいでしょう。
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海外旅行の前に準備できる対策は?

せっかくの海外旅行を、トイレのことばかりが気になって楽しめなくなるのはとても残念です。旅行に行く前に、できる限りの準備をしてのぞめるとよいでしょう。次に挙げるような対策を参考にしてみてください。
- ・日ごろからおしっこの悩みを抱えている方は、早めに内科や泌尿器科を受診して原因と対応を確認してもらいましょう。その際、先生に海外旅行に行くことを伝え、どんな対策ができるのか医師に尋ねてみましょう。
- ・お薬を服用している方は、英語で書かれた薬の説明書を準備しておくとよいでしょう。
- ・現地の言葉で、「トイレ」の表記を確認しておきましょう。ガイドブックなどでトイレ事情を調べておくのもよいでしょう。
- ・念のため、尿漏れパットや着替えなどを携帯すると安心です。
機内では適度な水分摂取を心がけましょう

長時間の移動がある場合、トイレが不安な方はつい水分を摂ることを我慢しがちになります。しかし、飛行機など長時間じっとしている状況で水分を摂らないと、血行不良などでエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症など)につながる可能性もありますので、適度な水分補給を心がけましょう。その際、アルコールや利尿作用のあるコーヒーなどは控えるよう気を付けてください。

機内での過ごし方ですが、締め付けの少ないゆったりとした服装をして、足首の運動(図 足首を回す、足首を伸ばす曲げるの運動)や、ふくらはぎ全体のマッサージなどを行うことがお勧めです。気兼ねなくトイレに行けるように、機内ではトイレに近い通路側の席を確保しておくとよいでしょう。
おしっこの悩みがある方は医療機関を受診してみましょう
尿意切迫感や頻尿など、日ごろからおしっこの悩みを感じている方は、旅行前に一度、内科や泌尿器科を受診して、医師に相談してみましょう。おしっこの悩みとその原因は様々ですが、過活動膀胱や前立腺肥大症など、お悩みの症状の原因が分かれば、薬による治療やトレーニングなどで症状を改善できることもあります。

受診する前に、おしっこをした時間や量、排尿に関係する日常生活の事柄などを記録する排尿日誌を付けておくと、よりスムーズにおしっこの状態を医師に伝えられます。治療に関するQ&A(排尿日誌)をご参照ください。