教えて!おしっこに関するQ&A

患者さんがおしっこに関するお悩みになることに専門家がお答えします。

【執筆・監修】谷口 珠実 先生

(山梨大学大学院総合研究部医学域 健康・生活支援看護学講座 大学院排泄看護学教授)

食事に関するQ&A

この季節には、つい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまいますが、トイレが近いので心配です。気を付けた方が良いことはありますか?

たとえリモートであっても、飲み会などが続くと、つい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまいますね。私たちの体は、体内の水分量が一定に保たれるようにバランスを取っています。飲み過ぎにより体内で増え過ぎた水分は、尿として排泄されるため、水分を取り過ぎると何度もトイレに行くことになってしまいます。また、お酒やコーヒーなどには利尿作用があり、そのことも原因の一つとなります 。そのため、トイレが近くて気になる人は、飲む量と飲み物の種類に気をつけましょう。

詳細な解説もご覧ください。

食べ過ぎは肥満に、飲み過ぎはおしっこの量と回数に影響します。飲んだ水分は胃や腸で吸収されて、血液と一緒に血管内に入り、体の中を巡ります。血管の中に増え過ぎた水と老廃物は腎臓でろ過されて、尿として膀胱内に溜まり、最終的には排尿されます。

たくさん飲んで、たくさん排尿するのは異常なことではなく、むしろ、体が正常に機能しているから起こる現象なのです。

「適切な水分摂取量」はどのくらい?

ところで、“飲み過ぎ”とはどのくらいの量なのか気になりますね。1日に必要な水分摂取量は体重によって変化します。自分の1日に必要な水分摂取量を知るには、24時間尿量(1日あたりの尿量のこと)と体重が目安となります。健康な成人の24時間尿量は、体重1kgあたり20~25mL程度であり、1日の水分摂取量は体重の2~2.5%とするのが適切だとされています。

例えば、体重60kgの人なら、1日の水分摂取量は1,200~1,500mL程度になります。200mLのマグカップなら6~7杯、あるいは500mLのペットボトルだと2~3本、ということになります。

この1日の水分摂取量には、飲み物だけでなく、味噌汁などの汁物や水分の多い果物など食事から摂取する水分も含まれるので、注意しましょう。

なお、24時間尿量が体重1kgあたり40mL以上になると「多尿」と呼ばれます。例えば、体重60kgの人は、1日に2,400mL以上を排尿する状態です。

〔参考文献〕
日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会編集:夜間頻尿診療ガイドライン[第2版]、リッチヒルメディカル、2020年

飲み物や食べ物の種類にも要注意

おしっこの量や回数には、飲む水の量だけではなく飲み物の種類も大きく影響します。例えば、カフェインには利尿作用があります。腎臓の血管を拡張して腎臓に多くの血液が運ばれることで利尿作用が働くため、コーヒーや紅茶、日本茶などのカフェインの含有量が多い飲み物をたくさん飲むとトイレが近くなってしまいます。

また、ビールやワイン、日本酒、サワーなどのアルコールにも利尿作用があります。アルコールを摂取すると、体内の余分な水分が排出されるだけでなく、アルコールの代謝にも血液中の水分が使われて排出されてしまいます。

夜のお付き合いでは、短時間にビールをジョッキで2~3杯飲んでしまうこともあるでしょう。アルコール摂取による排尿への影響はもちろんですが、お酒を飲み過ぎると体が脱水状態になることがありますので注意が必要です。

また、食べ物にも利尿作用のあるものがあります。例えば、野菜や果物には水分のほかにカリウムを多く含んでいるものがあり、カリウムを排出するために排尿が促されることがあります。カリウムを多く含む食品には、わかめやひじきなどの海藻類、アボカド、ホウレンソウ、大豆や小豆などがあります。

このように、食事や飲水をするときには、量や種類に気を付けて、適量を摂取するように心がけましょう。