教えて!おしっこに関するQ&A

患者さんがおしっこに関するお悩みになることに専門家がお答えします。

【執筆・監修】谷口 珠実 先生

(山梨大学大学院総合研究部医学域 健康・生活支援看護学講座 大学院排泄看護学教授)

生活に関するQ&A

先日、健康診断で尿検査を行いました。尿蛋白、尿糖、尿潜血などさまざまな検査項目がありましたが、尿検査からは、からだのどんな健康状態を知ることができるのでしょうか?

尿検査では、尿中の蛋白や糖、潜血、混濁などを調べることで、さまざまな病気やサイン(徴候)を知ることができます。ここでは代表的な尿検査値について説明します。

「尿蛋白」は腎臓の病気、「尿糖」は糖尿病や糖尿病に関連した病気、「尿潜血」は膀胱がん、結石や腎炎など、「ウロビリノーゲン」は肝臓の病気の可能性を調べる検査です。しかし、これらの項目が異常値を示しても、尿検査だけで病気の有無を判別できるわけではありません。さらに詳しい検査が必要になりますので、尿検査で異常値の指摘を受けたら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

詳細な解説もご覧ください。

それぞれの尿検査の結果の見方は、以下の通りです。

項目 異常
なし
軽度
異常
要経過
観察
要精密
検査
尿蛋白 ± 2+以上
尿潜血 ± 2+以上
尿糖 ±以上
尿ウロビリ
ノーゲン
正~+ 2+~4+

〔参考文献〕

日本人間ドック学会ホームページより「基本検査項目表・判定区分表2021年度版」

https://www.ningen-dock.jp/wp/wp-content/uploads/2013/09/2021hanteikubun.pdf

一般財団法人日本予防医学協会 検査結果の見方 尿検査

https://www.jpm1960.org/exam/exam05.html

尿蛋白検査

尿蛋白検査では尿中の蛋白質の量を調べます。通常は、(-)~(2+以上)などで表されます。 腎臓では、血液から老廃物など不要な物をろ過して取り除き、尿をつくります。このとき、体に必要な蛋白質は腎臓で再吸収されて血液に戻ります。そのため、正常な場合には血液中の尿蛋白の結果は陰性(-)になります。しかし、腎機能が低下するとからだに必要な蛋白質が再吸収されずに、腎臓から漏れ出てしまうことがあります。そうすると、検査結果は陽性(±)(+)(2+以上)を示します。

尿蛋白が陽性の場合は、慢性腎臓病、腎炎、尿路感染症などの腎臓や泌尿器系の病気を発見する手がかりになります。高熱が出たときの熱性蛋白尿や起立性蛋白尿など、一時的な過労などでも結果は陽性となることもあります。

尿潜血検査

尿潜血検査では、おしっこに血が混じっていないかを調べます。尿潜血が陽性だと腎臓や尿管、膀胱、尿道など尿の通り道のどこかで出血していることが疑われます。 尿潜血は、腎臓のがん、膀胱炎、前立腺炎、腎臓や尿管の結石、糸球体腎炎、腎嚢胞などがあると陽性となります。尿潜血が陽性の場合は、必ず泌尿器科を受診して実際に尿中に赤血球が見られるか検査する必要があります。

尿糖検査

尿糖検査では、尿中の糖分を調べます。蛋白質と同様に、糖は腎臓で再吸収されて血液に戻るため、正常な場合には尿中に糖が出ることはありません。しかし、血液中の糖の濃度がある一定の値を超えると再吸収しきれなくなり、尿中に糖が漏れ出てきてしまいます。

尿糖は、糖尿病、腎性糖尿(血糖値が正常範囲にもかかわらず、血糖が尿中に漏れ出てしまう病態のこと)、甲状腺機能亢進症などで陽性となります。ただし、尿糖が陽性でも、必ずしも糖尿病と診断されるとは限りません。糖尿病は、血糖値などの検査結果も併せて診断します。

尿ウロビリノーゲン検査

尿ウロビリノーゲンは、胆汁に含まれるビリルビンという色素が体内で分解されてできる物質です。正常な尿からはわずかに検出されるため、正(もしくは±)~(+)が基準値です。尿ウロビリノーゲンが陽性(2+)になると急性肝炎や慢性肝炎、胆管結石などの肝臓の病気が疑われ、ウロビリノーゲンが減少して陰性(-)になると胆汁うっ滞など胆のうの病気が疑われます。(2+)~(4+)になると要精密検査です。これらの病気を確定診断するには、血液一般検査、生化学検査なども必要になります。

このように、尿検査からはさまざまな病気のサインを知ることができます。尿検査は簡単に受けられるため、受診して最初に受けることの多い検査の一つです。もし尿検査で異常を指摘されたら、必ず精密検査を受けて、正しい診断と治療を受けてください。

母が尿漏れに悩んでいるようで、最近、元気がありません。家族としてどのようにアドバイスすればよいでしょうか?

尿漏れに悩んでいるお母さまの心を傷つけないようにそっとしておいた方がよいのか、それとも積極的に相談に乗った方がよいのか、家族としてどのように関わるべきか、ご家族も悩みますね。特にご高齢の方は、尿漏れを恥ずかしいことだと感じて、誰にも知られずに隠しておきたいという気持ちが強く、一人で悩んでいる方も多いようです。

尿漏れは原因がいくつかあり、その種類や程度に応じて、薬物治療や骨盤底筋の訓練、手術などの治療を適切に受ければ症状が改善するものもあります。治療の方法はその原因によって異なりますので、恥ずかしいからと我慢せずに、かかりつけ医や泌尿器科に相談してみるようアドバイスしてみてください。

また、尿とりパッドなどをうまく使えば、ニオイが気になる、衣服が濡れるといったストレスを軽減でき、日常生活を快適に過ごす手助けとなることを、さりげなく教えてあげられるとよいでしょう。尿漏れ対策用品のチラシやパンフレット、尿漏れをテーマに扱ったテレビ番組を一緒に見るなど、尿漏れについてお母さまと話しやすい環境をつくることもお勧めです。ご本人が治療に前向きになり、尿漏れが改善して元気を取り戻せるといいですね。

詳細な解説もご覧ください。

尿漏れにはさまざまな原因があり、大きく分けると「腹圧性尿失禁」、「切迫性尿失禁」、「溢流性(いつりゅうせい)尿失禁」、「機能障害性尿失禁」などに分けられます。これらの種類や程度によってお薬による治療や骨盤底筋訓練、膀胱訓練、手術など治療法は異なりますので、まずは医師の適切な診断を受けることが大切です。

尿漏れの代表的なものは、立ち上がったり動いたりしたときや、咳やくしゃみなどで腹圧がかかったときに尿が漏れる「腹圧性尿失禁」と、突然の強い尿意切迫感を感じて我慢できずに尿が漏れてしまう「切迫性尿失禁」です。これらの症状が同時に起こる「混合性尿失禁」もあります。中でも腹圧性尿失禁は、産後や中高年の女性に多く見られる症状です。

(腹圧性尿失禁については、「ー排尿トラブルを起こす女性に多い病気ー腹圧性尿失禁」のページをご参照ください。)

そのほかにも、尿意が感じられずいつの間にか漏れている「溢流性(いつりゅうせい)尿失禁」があります。膀胱機能の低下が原因で起こるため、薬や管(カテーテル)を用いて膀胱にたまりすぎた尿を出すなどの治療が必要となります。

また、ご高齢になると、膀胱の機能の問題というよりも、トイレの場所が分からない、トイレに行くのを忘れてしまうなど、認知機能の低下が原因で尿漏れしてしまうこともあります。さらに、運動機能が落ちて移動に時間がかかり、トイレに間に合わずに尿が漏れてしまうこともあります。このように認知機能や運動機能の低下が原因で起こる尿漏れを「機能障害性尿失禁」と呼びます。この場合は、リハビリテーションで歩行や移動の練習をしたり、尿とりパッドや吸水力のあるショーツなどを補助的に使ったりすると良いでしょう。

尿とりパッドは、メーカーによっては「吸水パッド」と表示されていることも多く、ドラッグストアなどでは女性の生理用品と並んで置いてあることがあります。これらは形が似ており、価格も安い生理用品で代用される方もいるかもしれませんが、その性能は全く異なります。尿とりパッドは尿漏れ専用に作られており吸収力も高く、発赤やかゆみなどのスキントラブルも少ないのが特徴です。たくさんの種類が発売されているので、尿とりパッドを選ぶときには、1日の交換回数と尿漏れの量に合わせて、尿とりパッドの吸収量(cc)を見ながら自分に合ったものを選びましょう。

昼間はそれほど気にならないのですが、夜眠りについてから何度もトイレに行きたくなり困っています。何か良い方法はありますか?

夜眠りについてからトイレに行きたくなる原因はいくつもあるため、原因別に対処法を考える必要があります。今回は、昼間に座っていることが多く、足がむくむことが原因で夜間に何度もトイレに行ってしまう場合について、生活の中でできる対処法を解説します。

昼間に足の細胞内に溜まってしまった水分は、夜、横になると、再び足の細胞内から血管に戻るため、血管内の水分が増えて夜間の尿量が増加してしまいます。このように夜間の尿量が増えることによって、昼間はそれほどでもないのに夜トイレに行きたくなり、そのたびに、たくさん尿が出るという状態になるのです。

このような場合には、昼間の時間帯に足に水分が溜まらないような工夫と、足がむくんだら昼間のうちに改善することが重要です。対処方法としては、下肢の筋肉を動かす運動を行うことや、足のむくみを予防できる靴下(弾性ストッキング)の着用などがあります。

また、夕方以降に入浴や足湯で身体を温めることでも血流が改善し、足のむくみが軽減します。就寝前に足のむくみを改善して排尿しておくことで、夜眠りについてからトイレに起きる回数を減らすことができます。

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腎臓の血流量が増えると尿量も増える

日常生活の動作の中でも、立って動いているときと比べ、横になって休んでいるときの方が腎臓を流れる血液の量は増えるといわれています。通常は腎臓でろ過した老廃物が尿として排泄されるため、腎臓を流れる血液の量が増えると尿の量も増えます。

これに加え、昼間に足の細胞内に溜まった水分が夜横になると血管に戻ることで夜間の血管内の水分が増え、腎臓のろ過量が増えることも、おしっこ(尿)の量が増える原因の一つと考えられています。また、バソプレシンという尿の濃縮を行うホルモンの量が減っている可能性も考えられます。

逆に、夜に何度もトイレに行きたくなり、トイレに行ったけれども尿の量は少ないという場合には、他の原因が考えられます。夜間頻尿への別の対処が必要な場合もありますので、医師に相談してみましょう。

足のむくみを改善する方法

昼間にできるだけ足に水分が溜まらないようにしたり、むくみを改善したりするには、以下のような方法があります。

【下肢の筋肉を動かす運動】

・屈伸運動、スクワットなど

無理のない程度で、昼間に数回に分けて行うとよいでしょう。運動時にふらつく場合には、椅子の背や壁に手をついて行いましょう。

・足首の運動

足首を浮かして回す、足首を上に向けたり、伸ばしたりする運動を数回、繰り返します。

【弾性ストッキングの着用】

デスクワークや椅子に座っている時間が長い場合には、弾性ストッキングを履いて、足のむくみを防ぎましょう。

《ポイント》弾性ストッキングは、膝までの長さの物を着用しましょう!

履き始めの慣れないうちは、ストッキングが少し固めで履くのが難しく感じることがありますが、慣れてくるとスムーズに履けるようになります。

上手く履くコツは、つま先側から踵(かかと)の位置を合わせて少しずつ全体を引き上げながら履き、ふくらはぎから膝まで伸ばすことです。

【夕方の散歩】

夕方の軽い運動は、足のむくみを改善するだけでなく、質の良い睡眠にも役立ちます。夕方に30分から1時間程度の散歩をしましょう。

《ポイント》散歩の時間は目安です。自分のペースで無理なく続けられるくらいが良いでしょう。就寝途中に目が覚めて、何となく気になってトイレに行ってしまう…という方にも、夕方の散歩はお勧めです。

【昼寝や夕方の下肢の挙上】

昼寝などで、体を横にする(臥床(がしょう)と言います)ことで、足に溜まった水分が血流に戻ります。特に足を上げると、上半身に水分が戻りやすくなります。

足を上げる高さは、クッションに乗せる程度でも大丈夫です。また、昼寝は長時間にわたると睡眠の妨げとなることがあるため、15分から30分程度を目安に短時間で行うとよいでしょう。

《ポイント》下肢の挙上を5~10分程度の短時間で効率よく行いたい場合には、椅子などを用いて、膝から下を椅子の座面に乗せる姿勢をとるのもおすすめです。

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