監修医からのメッセージ

ANCA関連血管炎の患者さん、ご家族の皆様へ

針谷 正祥 先生

東京女子医科大学病院 
膠原病リウマチ痛風センター
膠原病リウマチ内科 診療部長

ANCA関連血管炎が心配な皆様へ

このウェブサイトをご覧になっている多くの方は、ANCA関連血管炎という耳慣れない病気についての正確な知識を探していらっしゃることと思います。
ANCA関連血管炎は患者数が少なく、国が指定する難病の一つです。発熱、皮膚の赤い斑点、手足のしびれ、息切れ、耳や鼻の調子が悪い、足がむくむなど、一見関連のなさそうな症状がいろいろな組み合わせで出てくるので、しばしば診断に時間がかかってしまいます。
また、健康診断などで知らない間に腎臓の働きが悪くなったことを指摘され、それをきっかけとして、この病気が見つかる方もいらっしゃいます。

このウェブサイトでは、ANCA関連血管炎の患者さんとそのご家族、ご自分がANCA関連血管炎ではないかと不安を感じていらっしゃる方のために、医学的に正しい情報を分かりやすくお伝えしています。
血管炎ってどんな病気? ANCA(アンカ)ってなに? そんな素朴な疑問から、ANCA関連血管炎の病気のしくみ、どんな症状が起こるか、どんな治療法があるか、どんな経過をたどるかなどのちょっと複雑な疑問まで、イラストを交えた解説を用意しました。

ANCA関連血管炎が難病だからといってがっかりしないでください。医学の進歩とともにANCA関連血管炎がどんな病気なのかも徐々に明らかとなってきました。それにともない、国内で使用可能なお薬の選択肢も増え、治療成績も向上してきました。皆さんもこれらの情報を積極的に活用して、専門医療機関でよりよい治療を受けてください。

また、ご自分がANCA関連血管炎ではないかと不安を感じていらっしゃる方のために、どんなときにANCA関連血管炎を疑ったらよいのか、どこで診てもらえばよいのか、どんな検査を受ければよいのかなど、これからANCA関連血管炎の検査や診断を希望されている患者さんに役に立つ情報もたくさん掲載しました。

ANCA関連血管炎を上手に治療し、障がいを残さないようにするためには、できるだけ早く専門医療機関で診ていただくこと、つまり早期診断と早期治療がとても大切です。ANCA関連血管炎は再発しやすい病気ですので、最初の治療を受けたあとも継続的に診療を受けることが必要です。このウェブサイトをご活用いただき、ANCA関連血管炎と上手に長く付きあっていく方法をぜひ身に付けてください。

略歴

  • 昭和59年3月 防衛医科大学校卒業。防衛医科大学校第一内科にて研修
  • 平成3年4月 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター助手
  • 平成5年9月 米国 La Jolla Cancer Research Foundation(現 Burnham Institute)Reed 博士 研究室に留学
  • 平成19年4月 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 薬害監視学寄附講座教授
  • 令和元年5月 東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学講座 教授・講座主任
  • 令和3年4月 東京女子医科大学医学部内科学講座膠原病リウマチ内科学分野 教授・基幹分野長

日本リウマチ学会評議員・理事、専門医制度委員会委員長
平成 30 年度日本リウマチ学会賞受賞