開発の経緯(海外における本剤の承認状況)

レクタブル2mg注腸フォーム14回は、ブデソニドを有効成分とする潰瘍性大腸炎治療剤である。

潰瘍性大腸炎は、主として消化管粘膜を侵し、しばしばびらんや潰瘍を形成する原因不明の大腸のびまん性非特異性炎症である。ブデソニドは高い受容体結合親和性を有する一方、速やかに肝臓で代謝され、全身への曝露が少ないグルココルチコイドである。

本剤は1回の噴射においてブデソニド2mgを含むフォームが、潰瘍性大腸炎の主病変である直腸からS状結腸までの範囲に対して拡散される。フォーム剤の特性から腸管内における薬液の保持性が高いため、薬液漏出の課題が軽減される。また、立位での投与が可能なことより、注腸治療の 簡便性を向上させ、潰瘍性大腸炎の寛解導入治療における新たな選択肢として期待されている。

本剤は、Dr.Falk Pharma社(ドイツ)で開発され、2006年にイギリスにて「直腸及びS状結腸に限局する活動期潰瘍性大腸炎の寛解導入治療薬」として、アメリカでは2014年に「病変の進展が肛門縁から40cmまでの軽症~中等症の活動期遠位型潰瘍性大腸炎の寛解導入治療薬」として承認され、2020年7月時点で、37ヵ国にて承認されている*。

本邦では、第3回の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、「ブデソニドの早期承認を求めるIBD患者会(全国のIBD患者会27団体)」から本剤に対する早期開発要望が出された。2014年から開始された国内臨床第III相試験の結果、6週における粘膜治癒率においてプラセボ投与に対し優越性が認められ、2016年10月に製造販売承認申請を行い、「潰瘍性大腸炎(重症を除く)」を効能・効果として2017年9月に承認を取得した。

* 本邦における効能又は効果:潰瘍性大腸炎(重症を除く)

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