血管外漏出の早期発見のポイント

初期症状

■POINT EVの初期症状の有無を確認する

抗がん剤投与中は15分ごとに、また点滴を更新するたびに点滴速度および刺入部の皮膚の変化をチェックします。

EVの初期症状

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血管外漏出に類似した症状

■POINT 静脈炎、フレア反応などに注意する

血管外漏出以外にも、静脈炎やフレア反応などにより穿刺部位の皮膚が変化します。きちんと見分けましょう。

静脈炎

静脈の炎症であり、静脈に沿って全体が赤くなったり黒ずんだりすることがある。疼痛を伴うことがあるが、潰瘍形成には至らない。血液の逆流は正常にある。

※正常血清:pH7.35 ~ 7.45
 浸透圧:240 ~ 340mOsm/kg
 これと異なるpHや浸透圧の薬液は静脈炎や
 血管痛を起こしやすい。

フレア反応

局所のアレルギー反応。抗がん剤投与中に、静脈に沿って膨疹や線条痕、または即時型の紅斑が出現することがあるが、治療の有無にかかわらず、30分以内に消失することが多い。通常、痛みは伴わない。血液の逆流は正常にある。


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患者教育

患者教育の基本

  • 投与される抗がん剤の組織侵襲のリスクについて説明する
  • 抗がん剤の血管外漏出を疑う症状について説明する(痛いとは限らない)
  • 抗がん剤投与中の、穿刺部位の安静について説明する
  • 医療者への報告のタイミングについて説明する
  • 血管の管理について説明する(「重い荷物はなるべく穿刺部位とは逆の腕でもつ」「抗がん剤の投与に毎回同じ血管を使用しない」など)

■POINT 異常を感じたらすぐに報告するよう指導する

病院で(抗がん剤投与中)

些細な感覚の変化であってもすぐに報告するよう、あらかじめ患者さんに指導します。循環障害や神経障害のある患者さん、コミュニケーションに支障がある場合や小児では報告が遅れたり、報告そのものができない場合があるため注意が必要です。

●点滴部位の違和感  ●疼痛  ●腫脹
●灼熱感   ●点滴の滴下が悪い

自宅で(抗がん剤投与後)

抗がん剤投与、数日~数週間後に遅延性の皮膚障害が起こる場合があります。そのため、帰宅後も投与部位の違和感、疼痛、腫脹、灼熱感を継続して観察し、異常が認められたら、来院するよう指導します。

監修 国立がん研究センター中央病院
通院治療センター・センター長 乳腺・腫瘍内科 科長 田村 研治
皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也
看護部 がん化学療法看護認定看護師 朝鍋 美保子

主に抗がん剤による血管漏出の予防、早期発見、対処方法に関してわかりやすく記載しています。(A5 16ページ)

抗がん剤の血管外漏出の予防と対応ガイド 抗がん剤の血管外漏出の予防と対応ガイド(PDF)


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