教えて!透析 Q&A
透析患者さんがよくお困り・お悩みになる質問に専門家がお答えするQ&Aコーナー。
患者の皆さまが生き生きとした生活をお送りいただく上でご参考にしてみてください。

【執筆】三愛記念病院 総看護部長 小手田 紀子 先生
【監修】聖隷横浜病院 総看護部長 内田 明子 先生
  • 質問

    私はとんこつラーメンが大好きで、透析を始める前は週に2~3回は食べていました。ラーメンは塩分と水分が多いので良くないと言われましたが、全く食べてはいけないのでしょうか?とんこつ以外の味噌や醤油ならどうでしょうか。
    NEW

    答え

    確かにラーメンは塩分と水分が多いので、体重コントロールのためには避けたほうが無難なメニューです。とはいえ、大好きなものを我慢するのはストレスになってしまいます。

    以下に、ラーメンを食べるときの注意点を挙げたので参考にしてみてください。

    やみくもに何でも制限するのではなく、コツをつかんで上手に普段の食事に取り入れることが大切です。

    詳細な解説もご覧ください

    とんこつラーメン
    ラーメンの塩分はお店によって様々であるため一概には言えませんが、とんこつでだいたい一杯6g前後、醤油や味噌はこれよりも少し多くて、中には一杯10gを超えるものもあります。

    とんこつを一杯食べるだけで1日の塩分摂取量を超えてしまいます。
    そのため、どうしても食べたいときはスープを残し、チャーシューや煮卵も残すか半分にしましょう。
    透析レシピ4「外食の楽しみ方~中華料理編~」にもラーメンを食べるときのポイントをまとめていますので参考にしてみてください。

    また、一般にも健康に対する意識が高まり、塩分控えめの商品も増えています。塩分量がしっかりと表示されたコンビニ食や即席麺などを利用するのも一つの方法です。

    ただし麺や添加物にはリンが多く含まれており、具によってはカリウムが多くなります。麺のゆで汁は捨ててスープを別に作るなどの工夫が必要です。

    最近では透析患者さん用のカップ麺も販売されています。味もいろいろありますし、塩分だけでなくカリウムやリンも調整されているので利用しやすいでしょう。

    食事療法はつらくて大変だと思うより、楽しむことが長続きの秘訣です。

    【執筆】
    DLN(慢性腎臓病療養指導看護師)福岡県代表
    守屋 洋子 先生
  • 質問

    北海道などの漁業が盛んな地域は、新鮮な魚介類が豊富なことでも有名です。私は魚介類の中でもいくらや筋子、数の子などの魚卵が好物で、普段から食べる機会も多いのですが、1日にどのくらいの量なら食べてもよいでしょうか。
    NEW

    答え

    魚卵はリンや塩分に気をつけなければならない食品です。

    リンの過剰摂取は動脈硬化や血管の石灰化(血管の壁が硬くなること)を促進し、心不全や足の壊死などの原因となります。また、塩分を過剰に摂取すると透析間の体重の増え過ぎにつながります。

    魚卵のリンや塩分の含有量について、食べるときの注意点を以下にまとめました。
    参考にしてみてください。

    詳細な解説もご覧ください

    まずは、リンと塩分の摂取量について確認して行きましょう。

    リンの摂取量に関しては、十分な透析を行っていることが前提です。(Kt/Vで1.4以上)

    食事摂取基準として、1日当たりのリンの摂取量は成人男性では1,000mg成人女性では800mg、1日当たりの塩分摂取量は成人では7~8g未満とされています。

    では、透析患者さんはどうでしょうか。
    透析患者さんの1日当たりのリンの摂取量は約700mg塩分摂取量は6g未満が目安とされており、やはり少し節制が必要とされています。

    いくら丼、うに丼
    魚卵のリン・塩分含有量(表1)と「いくら丼VSうに丼」(表2)の塩分・リン・エネルギーを表にしてみました。
    好物のいくらや筋子、数の子を食べるときの参考にしてください。

    【表1 魚卵のリン・塩分含有量】
    100g当たりのリン含有量(mg) 100g当たりの食塩相当量(g) 食品目安量 食品目安量のリン含有量(mg) 食品目安量の食塩相当量(g)
    いくら 530 2.3 大さじ1杯
    17g
    90.1 0.4
    筋子 490 4.8 3~4cm
    17g
    83.3 0.82
    数の子 94 1.2 1本
    10g
    9.4 0.12
    たらこ 390 4.6 1本
    30g
    117 2.8
    明太子 290 5.6 Mサイズ1本
    25g
    72.5 1.4
    生うに 390 8.4 1切れ
    10g
    39 0.06

    【表2 いくら丼VSうに丼】
    使われる食材 エネルギー(kcal) リン(mg) 食塩相当量(g)
    いくら丼(丼一杯365g) いくら(100g)
    海苔(1g)
    シソ(1g)
    練りわさび(3g)
    酢飯(260g)
    701 647.07 5.95
    うに丼(丼一杯346g) うに(70g)
    ご飯(260g)
    海苔(3g)
    シソ(1g)
    練りわさび(3g)
    醤油(9g)
    538 400.47 1.76

    ちなみに、魚卵は尿酸値を上げるプリン体が多く含まれている食品と思われがちなのですが、実は「極めて少ない」部類の食品に入っています。

    十分な透析量を確保し、美味しいものをバランス良く食べて、栄養をしっかりとりながら、透析ライフをいきいきとお過ごしください。

    【執筆】
    社会医療法人孝仁会北海道大野記念病院
    透析室 松田 愛 先生
    管理栄養士 庄司 祐美 先生
  • 質問

    愛媛県は県内で栽培される柑橘類の種類が多く、美味しくて我慢できず、つい食べ過ぎてしまいます。柑橘類の中で食べてもよいものはあるのでしょうか?
    また、愛媛と言えば果汁100%のみかんジュースが有名ですが、柑橘類のジュースを飲むときに気をつけることを教えてください。
    NEW

    答え

    愛媛では「みかん」、「いよかん」、「デコポン」など多くの柑橘の生産品種があります。甘みが強いもの、酸味を感じるものなど味もさまざまです。

    透析患者さんがついつい、みかんを食べ過ぎてしまった場合、最も注意が必要なのは「カリウム」の摂り過ぎです。

    ここでは、みかんを食べるときに注意して欲しいポイントについてお話しします。以下の点を参考に普段の生活に上手に取り入れてみてください。

    詳細な解説もご覧ください

    下記、表1にお示しするように、みかんの種類や大きさによってエネルギーやカリウム、水分量は異なります。

    表1
    みかんの種類別のエネルギー・カリウム・水分量の比較
    (目安量当たり(カリウム100~150㎎に相当))
    種類 目安量(個・g) エネルギー(kcal) カリウム(mg) 水分(g)
    オレンジ 1/3個 30 107 68
    紅まどんな 1/3個 40 115~130 66
    甘平 1/3個 46 125~133 67
    温州みかん 中1個 45 150 87
    いよかん 1/4個 29 119 54
    せとか 1/4個 29 106 54
    種類 重量(g) エネルギー(kcal) カリウム(mg) 水分(g)
    清見 1/3個 27 113 59
    ぽんかん 1/2個 34 136 75
    天草 1/3個 38 100~113 57
    はっさく 1/6個 30 120 58
    デコポン
    (不知火)
    1/3個 39 130 66
    はるみ
    ※デコポンの妹
    1/3個 32 113 58

    ※:改良に用いた各品種のカリウム量を推定とする
    みかん

    【引用文献・参考文献】
    ・果物情報サイト「果物ナビ」
    https://www.kudamononavi.com
    ・のま果樹園
    http://www.kajuen.co.jp
    ・医歯薬出版編:日本食品成分表2015年版(七訂)本表編



    ここでは、一般的に出回っている「温州みかん」を例にお話しします。

    温州みかん・中サイズ1個(100g)当たりに含まれるカリウムは150mgです。
    また、みかんはカリウムのほかに水分も多く含まれており、温州みかん・中サイズ1個当たりの水分は87gとなります。

    このことからも、1日に食べる量は温州みかん「1個」を目安としましょう。

    みかんを食べ過ぎると高カリウム血症や肺水腫といった合併症を起こしやすくなるので注意が必要です。また、「いよかん」や「はっさく」など大きい柑橘は半分から3分の1個程度を目安に食べると安全かと思います。

    では、みかんジュースの場合はどうでしょうか?

    みかんジュースなどの果汁100%のジュースには、カリウムが100mL当たり110~190mg、ペットボトル1本(500mL)当たり550~950mg含まれています(表2)。

    表2 果汁濃度や果実の種類別のエネルギー・炭水化物・カリウム・水分の比較(100mL当たり)
    内容 エネルギー
    (kcal)
    炭水化物(g) カリウム(mg) 水分(g)
    果実
    「温州みかん」
    果汁20% 50 12.4 21 87.4
    果汁50% 60 14.7 63 84.9
    濃縮還元 38 9.9 110 89.3
    ストレート 41 10.6 130 88.5
    果実
    「オレンジ」
    果汁30% 41 10 57 89.7
    果汁50% 47 10.8 99 88.4
    濃縮還元 42 10.7 190 88.1
    ストレート 42 11 180 87.8
    ジュースを飲む場合には、カリウム含有量を考慮して1日に「100mL」を目安にするとよいでしょう。

    また、果汁100%のジュースと果汁20%、30%のジュースではカリウム含有量に差があり、20%、30%のジュースのほうがカリウムの量は少なくなります。そのため、よく飲まれる方は水分に気を付けて果汁20%、30%のジュースにすることをお勧めします。

    【執筆】
    医療法人佐藤循環器科内科
    看護部長 高橋 妙子 先生
    管理栄養士 矢野 愛 先生
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