医薬品
2003年3月31日
血糖降下剤「ミチグリニド」のChoongwae Pharma Corporation〔株式会社チョンウェ製薬(韓国)〕への技術導出契約締結のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(代表取締役社長 神澤陸雄)は、当社が創製した速効型食後血糖降下剤「ミチグリニド」(一般名)の韓国における独占的開発・販売権をChoongwae Pharma Corporation 〔株式会社チョンウェ製薬(韓国ソウル市)、代表理事社長 李炅河(イ・キョンハ)〕 に供与する契約を締結しましたのでお知らせ致します。
「ミチグリニド」は国内においては、昨年12月に厚生労働省に承認申請を行っており、承認取得後は同一品名にて当社と武田薬品工業株式会社が共同販売致します。
また、海外においては、ライセンスアウトによる国際展開を推進する戦略をとっており、欧州および中国を含むアジア地域等については、開発・販売権を供与したフランスのセルヴィエ社により、現在第Ⅲ相比較臨床試験が進められています。米国においては当社現地法人のキッセイ ファーマ U.S.A. による第Ⅱ相臨床試験の段階にあり、他社へのライセンスアウトを図るべく交渉中です。
「ミチグリニド」は当社が創製した速効性・短時間作用型のインスリン分泌促進剤です。従来のインスリン分泌促進剤(SU剤)に比べ服用後速やかに効果を発現することから、心血管疾患等の糖尿病合併症の危険因子として重要視されている食後高血糖を抑制し、血糖を良好にコントロールするユニークな血糖降下剤です。また、作用持続時間が短いため、従来のSU剤に比べ低血糖を惹起しにくく、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞の疲弊軽減が期待されることなどから、糖尿病患者さんのQOL(生活の質)の向上に貢献できるものと思われます。
当社は糖尿病などの代謝疾患領域を重点領域の一つに位置付けています。現在「ミチグリニド」のほかに糖尿病性神経障害に伴う疼痛緩和剤「KIN-493」、選択的SGLT2阻害作用を有する糖尿病治療剤「KGT」を開発中であるほか、新規メカニズムの糖尿病用剤の研究も進めています。なお、「KGT」は昨年10月にグラクソ・スミスクライン社(本社:イギリス)に日本、韓国、中国、台湾を除く全世界における開発・販売権をライセンスアウトしております。
以上