環境との関わり
キッセイ薬品は、全ての企業活動において環境負荷の低減と環境保全に努めています。
経営理念に基づき、キッセイ薬品行動憲章において「環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企業の存続と活動に必須の要件であることを認識して、自主的、積極的に取り組みます」と定め、環境保全活動へ積極的に取り組み、豊かで住み良い社会の実現を目指しています。
1.基本理念
キッセイ薬品は明日の健康を見つめる創薬研究開発型企業として、企業の社会的責任において積極的に地球環境保全に努めるとともに、豊かで住み良い社会の実現に貢献します。
2.基本方針
(1)製品の研究、開発、生産、流通、販売、使用、廃棄など一連の企業活動が環境に与えるさまざまな影響を評価し、環境への負荷低減を推進します。
(2)地球環境保全の取り組みのため、環境目的、目標を定め実行し、定期的な見直しを行い継続的改善を図ります。
(3)省エネルギー、省資源、廃棄物の削減、リサイクルを積極的に推進することにより環境負荷の低減に努力し、汚染の予防に努めます。
(4)関連する環境法規、協定および当社が同意したその他の要請事項について遵守するとともに、自主基準を設定し更なる環境保全に取り組みます。
(5)社員一人ひとりが、環境教育を通じて環境に対する意識の高揚と倫理観の向上を図り、積極的に環境汚染の未然防止のための活動を推進します。
(6)当社は地球環境問題を真摯に受止め、キッセイグループとともに環境保全に努めます。
環境マネジメントシステム組織
当社の環境マネジメントは、ISO14001環境マネジメントシステムを基本にして推進しています。環境マネジメントシステム組織体制は、総括環境管理責任者として倫理・環境担当役員を設けて全社の環境マネジメントの維持・管理、運営を行い、また、各事業所に環境管理責任者を設けて事業所毎に環境マネジメントシステムの維持・管理、運営を行っています。
各事業所では環境部会が中心になり、環境目的・目標等の立案、設定、実施、見直しを図り、環境保全活動を推進しています。
各事業所は2000年から2007年にかけてISO14001環境マネジメントシステムの認証を取得しました。その後、2018年9月には、ISO新規格である2015年版へ移行し、今後も全社的に環境へ配慮した活動を推進します。
また、キッセイグループであるキッセイコムテック㈱、ハシバテクノス㈱においてもISO14001環境マネジメントシステムを取得しており、各社で環境保全活動を推進する体制を整えて、環境負荷の低減に向けた活動を行っています。
ISO14001の認証取得状況
グループ会社 | 取得 | 2015年版移行 |
キッセイコムテック株式会社 | 2002年6月 | 2017年11月 |
ハシバテクノス株式会社 本社 施設管理本部(キッセイ薬品と共通) |
2002年2月 2000年9月 |
2018年2月 2018年9月 |
キッセイ薬品 | 取得 | 2015年版移行 |
本社・松本工場 | 2000年9月 | 2018年9月 |
塩尻工場 | 2000年9月 | 2018年9月 |
ヘルスケア事業センター | 2000年9月 | 2018年9月 |
第二研究所 | 2006年9月 | 2018年9月 |
東京本社(日本橋、小石川) | 2006年9月 | 2018年9月 |
中央研究所 | 2007年9月 | 2018年9月 |
環境基本方針を具体化するため、環境目的・目標を設定して活動しています。
2020年度の全社の環境目的・目標および活動実績、2021年度の全社の環境目的・目標は下記のとおりです。
環境目的 | 2020年目標 | 2020年度実績 | 2021年目標 |
エネルギーの使用量を削減する | ・電気、重油、ガス等の原油換算エネルギー使用量を原単位で前年度比1%削減する(全社)。 | ・エネルギー使用量は原油換算で前年度より237kL(2.9%)減少した。各事業所の使用エネルギーをグラフ化しエネルギーの使用状況等を把握管理した。(原単位前年度比:101.0%) | ・電気、重油、ガス等の原油換算エネルギー使用量を原単位で前年度比1%削減する(全社)。 |
二酸化炭素の排出量を削減する(温室効果ガスの削減) | ・車両利用、エネルギー使用による二酸化炭素排出量を前年度比1%削減する。 ・フロン機器の管理を適正に行いフロン類の漏えいを防ぐ。 |
・車両利用、エネルギー使用による二酸化炭素排出量は前年度比5%削減した。 ・フロン機器の管理を適正に行いフロン類の漏えいは見られなかった。 |
・車両利用、エネルギー使用による二酸化炭素排出量を前年度比1%削減する。 ・フロン機器の管理を適正に行いフロン類の漏えいを防ぐ。 |
資源の使用量を削減する |
・原材料、原資材、業務用資材(紙等)等の使用量を削減する。 ・事務用品のグリーン購入を推進する。 |
・製造機器の設定条件を見直し、原材料を効率的に使用した。 ・会議資料の電子化を進め、紙類の使用量を削減した。 ・事務用品のグリーン購入を優先的に実施した。 |
・原材料、原資材、業務用資材(紙等)等の使用量を削減する。 ・事務用品のグリーン購入を推進する。 |
廃棄物量を削減する | ・産業廃棄物の最終処分率(最終埋立量/廃棄物発生量)を3%以下にする。 | ・最終処分量は39トンで、最終処分率(最終埋立量/廃棄物発生量)は10.5%*であった。 | ・産業廃棄物の最終処分率(最終埋立量/廃棄物発生量)3%を目指し抑制する。 |
化学物質を適切に管理し紛失や漏洩を防ぐ |
・管理組織や試薬管理システム等を通して化学物質の数量管理を行う。 ・化学物質および廃棄物が飛散・漏えいしないように適切な手順にて取り扱う。 ・有害化学物質(PRTR対象物質、VOC規制物質等)の使用量を削減する。 |
・化学物質の管理組織や試薬管理システムの利用、化学物質の取り扱いに関する教育等を通して化学物質管理を推進した。化学物質の漏洩は発生していない。 ・PRTR対象物質は昨年と同程度の使用であった。 |
・管理組織や試薬管理システム等を通して化学物質の数量管理を行う。 ・化学物質および廃棄物が飛散・漏えいしないように適切な手順にて取り扱う。 |
社会貢献活動に参加する | ・地域環境整備活動または社会貢献活動に年2回以上参加する。 | ・新型コロナウィルス感染予防のため貢献活動の参加は限られてしまった。 | ・地域環境整備活動または社会貢献活動に年2回以上参加する。 |
環境教育および啓発活動を実施する | ・環境教育および環境啓発活動を実施する。 | ・リモート等を利用した環境教育や環境掲示板を通して、啓発活動を行った。 | ・環境教育および環境啓発活動を実施する。 |
当社の環境への取り組みをステークホルダーに理解してもらう | ・CSR報告書の発行や環境関連調査の回答等により環境情報を公開する。 | ・環境データ(結果)をホームページへ掲載、環境関連調査の回答等により環境情報を公開した。 | ・年次報告書の発行や当社ホームページへの掲載、環境関連調査(アンケート等)の回答により環境情報を公開する。 |
*:2020年度より電子マニフェスト導入に伴い、中間処理後の残渣量の評価見直しを行いました。
当社の2020年度の資源投入量(インプット)と研究、開発、生産、販売などの各プロセスにおいて発生した排出量と廃棄物量(アウトプット)を以下の図に示します。
これらの環境データを把握して、環境負荷低減に取り組んでいます。
環境保全活動の実績
キッセイ薬品は、ISO14001環境マネジメントシステムを基本とする環境保全活動に取り組んでいます。環境保全活動の実績として、エネルギー使用量、二酸化炭素排出量、廃棄物発生量および廃棄物の最終処分量の推移をお示しします。




環境会計
事業活動における環境保全コストの把握のため、2004年度から環境会計を導入しています。
今後も環境会計に取り組み、より効率的な環境経営を目指します。
- 対象期間:
- 2020年4月1日~2021年3月31日
- 集計の範囲:
- 当社の全事業所
- 集計方法:
- 環境省の「環境会計ガイドライン2005年度版」を参考
- 投資額および費用額:
- 投資額はその年度での環境関連設備投資額で、費用額は環境保全を目的とした発生額で、減価償却費は含まれていません。
環境保全コスト
環境保全コストの分類 | 投資額 | 費用額 | ||
事業内エリアコスト | ①公害防止コスト | 大気汚染防止、水質汚濁防止等の維持管理 | 4,778 | 7,338 |
②地球環境保全コスト | 省エネルギー対策、省エネルギー機器等 | 85,882 | 1,400 | |
③資源循環コスト | 廃棄物減量化、リサイクルおよび処理・処分費用等 | 0 | 33,411 | |
上・下流コスト | 容器包装再商品化委託料等 | 0 | 11,211 | |
管理活動コスト | ISO14001の維持管理、CSR報告書作成、事業所および事業所周辺の緑化、美化、環境管理活動人件費等 | 13,261 | 1,519 | |
研究開発コスト | ー | 0 | 0 | |
社会活動コスト | 環境保全団体等への協賛金等 | 0 | 327 | |
環境損傷対応コスト | ー | 0 | 0 | |
合計 | 103,921 | 55,206 |
環境保全効果
2019年度 | 2020年度 | 増減率(%) | |||
二酸化炭素排出量 *1 | 17,767 | トン | 16,894 | トン | -4.9 |
エネルギー使用量(原油換算) | 8,257 | kL | 8,021 | kL | -2.9 |
うち電力購入量*2(昼間、夜間買電の合計)(自家発電除く) | 3,754 | kL | 3,671 | kL | -2.2 |
14,997 | 千kWh | 14,656 | 千kWh | ||
うち重油・灯油・LPG等使用量*2 | 1,675 | kL | 1,800 | kL | 7.5 |
うち都市ガス使用量*2 | 1,526 | kL | 1,514 | kL | -0.8 |
うちガソリン(MR営業車両含む)*2 | 1,302 | kL | 1,037 | kL | -20.4 |
水使用量*3 | 143 | 千㎥ | 131 | 千㎥ | -8.4 |
排水量*3 | 98 | 千㎥ | 96 | 千㎥ | -2.0 |
廃棄物発生量 | 385 | トン | 369 | トン | -4.2 |
再資源化量 | 308 | トン | 304 | トン | -1.3 |
最終処分量*4 | 11 | トン | 39 | トン | 254.5 |
*1 電力の二酸化炭素排出係数は、各年度の電気事業者別実排出係数を使用
*2 原油換算量
*3 8事業所(本社・松本工場、塩尻工場、中央研究所、第二研究所、上越化学研究所、ヘルスケア事業センター、東京本社(日本橋・小石川))のデータ集計(総使用量は上水、地下水、工業用水の合計)
*4 2020年度より電子マニフェスト導入に伴い、中間処理後の残渣量の評価見直しを行いました