一般・患者さん・ご家族の皆さま

医療関係者の皆さま

株主・投資家の皆さま

ニュースリリース

企業情報

研究開発活動

サステナビリティ

キッセイの想い。

  • 2024
  • 2023
  • 2022
  • 2021
  • 2020
  • 2024
  • 2023
  • 2022
  • 2021
  • 2020

ニュースリリース一覧に戻る

医薬品

2003年4月16日

「カバサール®錠」の高プロラクチン血症関連疾患及び産褥性乳汁分泌抑制効能・効果追加のお知らせ

キッセイ薬品工業株式会社
ファルマシア株式会社



 キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役社長 神澤 陸雄)とファルマシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 山木 修)が共同開発し、1999年から販売しているパーキンソン病治療薬「カバサール®錠」(一般名:カベルゴリン)について、4月16日(水)付けにて高プロラクチン血性排卵障害、高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)及び乳汁漏出症(以下、高プロラクチン血症関連疾患)並びに産褥性乳汁分泌抑制の効能・効果の追加が承認されましたのでお知らせ致します。

 「カバサール®錠」は、米国のファルマシア社が開発した薬剤で、1992年にスウェーデンで発売されて以来、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどヨーロッパを中心にパーキンソン病、高プロラクチン血症、産褥性乳汁分泌抑制等の適応を有する治療薬として販売されています。日本では、キッセイ薬品工業(株)とファルマシア社の日本法人であるファルマシア(株)が共同開発し、1999年8月からパーキンソン病治療薬として販売しています。(製造:ファルマシア(株)、販売:キッセイ薬品工業(株)、プロモーション:両社共同)

 「カバサール®錠」は、脳のドパミン受容体を刺激して神経伝達物質であるドパミン様作用を示すドパミン受容体作動薬です。パーキンソン病の適応では既存のドパミン受容体作動薬が1日3回投与であるのに対して「カバサールR錠」は1日1回投与ですみ、しかも24時間安定した血中濃度と臨床効果が持続するため、発売以来、医療機関や患者さんから高い評価をいただいています。

 今回の高プロラクチン血症関連疾患及び産褥性乳汁分泌抑制の効能・効果の追加はキッセイ薬品工業(株)とファルマシア(株)が共同で開発を行い、2001年9月に承認申請を行っていたものです。
 
 高プロラクチン血症関連疾患及び産褥性乳汁分泌の治療は、高プロラクチン血性下垂体腺腫のように原因が明らかである場合はその摘出が行われる場合もありますが、一般的にはドパミン受容体作動薬の投与による薬物治療が行われます。

 従来の薬剤は悪心、嘔吐等の副作用発現率が高く、また作用持続時間が比較的短いため、高プロラクチン血症に対しては1日1~3回の連日服用が必要であり、産褥性乳汁分泌抑制においても1日1~2回、最低2週間の服用が必要であることから、副作用の発現が少なく、持続的な治療効果を有し、服薬コンプライアンスの優れた薬剤の開発が待ち望まれていました。

 「カバサール®錠」は、従来のドパミン受容体作動薬より作用持続時間が長いため、高プロラクチン血症関連疾患に対しては1週間に1回の投与で有効性を示し、また産褥性乳汁分泌抑制においては胎児娩出後1回のみの投与で効果を発揮します。また、安全性、経済性にも優れていることから、本疾患に苦しむ患者さんにとってより有用な治療薬となることが期待されます。

 キッセイ薬品工業(株)は産婦人科疾患領域を重点領域の一つとしており、本剤のほかに切迫流・早産治療剤「ウテメリン®」、経皮吸収エストラジオール製剤 「エストラダーム®M」及び子宮内膜症治療剤「ゾラデックス®1.8mgデポ」を販売するとともに、新規切迫早産治療剤「KUR-1246」の国内外における開発を進め、本領域の強化を図っています。

 ファルマシア株式会社は、米国ファルマシア社(本社:米国ニュージャージー州、会長兼CEO:フレッド・ハッサン)の日本における子会社です。ファルマシア社はトップクラスのグローバル医薬品企業であり、革新的な医薬品をはじめとするファルマシア社の製品は、救命とQOLの向上に貢献しています。健康を未来に伝えることが43,000名のファルマシア社員の使命です。


以上



≪ご参考≫

1.高プロラクチン血症

 ホルモンの一種であるプロラクチンは脳の下垂体から分泌され、乳腺を刺激して乳汁の分泌を促進させます。高プロラクチン血症はプロラクチンが過剰に分泌され血中のプロラクチン濃度が異常に上昇した状態であり、出産をしていないにもかかわらず乳汁が漏出したり、無排卵性月経、無月経などの月経異常が発現します。原因としては、間脳の機能性障害による「ドパミン」などのプロラクチン分泌抑制因子の分泌低下やプロラクチン産生細胞が腫瘍性に変化することによる高プロラクチン血性下垂体腺腫の発生、甲状腺機能の低下などがあげられます。

2.産褥性乳汁分泌抑制

 産褥期(分娩から母体が妊娠前の状態に回復するまでの期間)には新生児の吸乳刺激によりドパミン分泌が低下し、プロラクチン分泌が一過性に上昇して乳汁の生成が促進されます(産褥性乳汁分泌)。しかし、母親に重篤な疾患があり授乳により健康が著しく障害される場合、母親が服用している薬剤が乳汁に移行する可能性がある場合、伝染性疾患による経乳母児感染の恐れがある場合、新生児の先天性代謝異常により授乳が禁忌とされる場合、また中絶、流産、新生児死亡などにより授乳ができない場合には、乳汁生成により乳房内がうっ血して激しく痛むといった身体的苦痛が生じるほか、不要な乳汁分泌が精神的な苦痛となることから、乳汁分泌を抑制させる治療を行う必要があります。

3.ドパミン受容体作動薬の作用機序

 ドパミン受容体作動薬は下垂体のドパミン受容体に作用してプロラクチン分泌抑制因子であるドパミン様作用を示すことにより、プロラクチンの分泌を抑制して乳汁漏出を消失させ、月経異常を正常化させます。


≪カバサール®錠 製品概要≫

■製品名
カバサール®錠0.25mg・1.0mg (CABASER® Tab. 0.25mg・1.0mg)

■一般名
カベルゴリン(cabergoline)

■効能・効果
パーキンソン病
乳汁漏出症
高プロラクチン血性排卵障害
高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)
産褥性乳汁分泌抑制

■用法・用量
・パーキンソン病
通常、成人にはカベルゴリンとして1日量0.25mgから始め、2週目には 1日量を0.5mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.5mgずつ増量し、維持量(標準1日量2~4mg)を定める。いずれの投与量の場合も1日1回朝食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

・乳汁漏出症、高プロラクチン血性排卵障害、高プロラクチン血性下垂体腺腫
 (外科的処置を必要としない場合に限る)
通常、成人には1週1回(同一曜日)就寝前経口投与とし、カベルゴリンとして1回量0.25mgから始め、以後臨床症 状を観察しながら、少なくとも2週間以上の間隔で1回量を0.25mgずつ増量し、維持量(標準1回量0.25~0.75mg)を定める。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1回量の上限は1.0mgとする。

・産褥性乳汁分泌抑制
通常、成人にはカベルゴリンとして1.0mgを胎児娩出後に1回のみ食後に経口投与する。

■規制区分
劇薬、指定医薬品、要指示医薬品(注意-医師等の処方せん・指示により使用すること)

■薬価
カバサール錠 0.25mg 1錠 117.20円
カバサール錠 1.0mg 1錠 404.10円

■包装
カバサール錠 0.25mg : 10錠、100錠 (PTP)
カバサール錠 1.0mg : 100錠、500錠 (PTP)

■製造元
ファルマシア株式会社

■販売元
キッセイ薬品工業株式会社

株主、投資家向けのページに遷移します。
「株主・投資家の皆さま」内のコンテンツは、株主、投資家、ならびに報道関係者の皆さまへの当社活動の情報提供を目的としており、一般の方への情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

サイトを表示