医薬品
2004年1月29日
速効型インスリン分泌促進薬「グルファスト®錠」の製造承認取得のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(代表取締役社長:神澤陸雄)は、本日、厚生労働省より速効型インスリン分泌促進薬「グルファスト®錠5mg」及び「グルファスト®錠10mg」(一般名:ミチグリニドカルシウム水和物)の製造承認を取得しましたのでお知らせ致します。
「グルファスト®錠」は、2型糖尿病における食後高血糖の改善を目標として、当社が創製・開発した速効性・短時間作用型のインスリン分泌促進薬で、平成14年12月に厚生労働省に承認申請を行い、本日承認されたものです。
健康人は食事により血糖値が上昇すると速やかにインスリンが追加分泌され血糖値が降下します。しかし、2型糖尿病患者さんにおいては、このインスリン追加分泌が遅延・低下しており、食後高血糖の状態が持続し、やがては空腹時であっても高血糖を呈するようになります。食後高血糖は、糖尿病における心血管系合併症の独立した危険因子であることが、近年国内外で実施された疫学調査等の結果から示されており、食後高血糖を早期から積極的に治療することはその後の糖尿病の進行及び心血管系合併症を含む様々な糖尿病合併症の発症を抑制する上で重要と考えられています。
「グルファスト®錠」は、膵臓のβ細胞を刺激することによりインスリン分泌を促進します。従来のインスリン分泌促進薬(SU薬)に比べ、服用後速やかに効果を発現することから、インスリン分泌を本来の生理的パターンに近づけて食後高血糖を改善します。更に、本剤は作用持続時間が短いため、従来のSU薬に比べ低血糖を惹起しにくく、また膵臓のβ細胞の疲弊を軽減することが期待されています。
「グルファスト®錠」は薬価基準収載後、当社と武田薬品工業株式会社が同一品名にて共同で販売します。
当社では糖尿病、高脂血症などの代謝疾患領域を重点領域の一つに位置付けています。本領域においては現在、高脂血症治療薬「ベザトール®SR錠」及び自己血糖測定器「フリースタイルキッセイ」を販売しているほか、「グルファスト®錠」のαグルコシダーゼ阻害剤との併用療法の効能を追加するための国内臨床試験、選択的SGLT2阻害作用を有する糖尿病治療薬「KGT」の開発の推進、並びに新規糖尿病治療薬の研究にも取り組み、本領域の強化を進めています。
以上
≪「グルファスト®錠」の概要≫
■製品名
グルファスト®錠5mg、グルファスト®錠10mg
(GLUFAST®Tab.5mg、GLUFAST®Tab.10mg)
■一般名
ミチグリニドカルシウム水和物
■効能・効果
2型糖尿病における食後血糖推移の改善
(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合に限る)
■用法・用量
通常、成人にはミチグリニドカルシウム水和物として1回10mgを1日3回毎食直前に経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
■製造
キッセイ薬品工業株式会社
■販売
キッセイ薬品工業株式会社、武田薬品工業株式会社