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医薬品

2004年5月28日

ベザフィブラート(ベザトール®)により冠動脈疾患患者の糖尿病発症を有意に抑制 -BIP試験サブ解析結果-

 米国心臓病協会(AHA)のCirculation誌5月11日号(Circulation、 2004; 109; 2197-2202)に、高脂血症治療薬「ベザフィブラート」による、空腹時血糖の異常を呈する冠動脈疾患患者における糖尿病発症の予防効果が発表されました。

 本研究は、イスラエルCardiac Rehabilitation InstituteのAlexander Tenenbaum氏らにより、Bezafibrate Infarction Prevention (BIP) 試験*の詳細な分析が行われたものであり、高脂血症治療薬が糖尿病の発症を予防するという大変注目される結果となりました。

 本研究は、BIP 試験に参加した冠動脈疾患患者3,122例のうち、空腹時血糖が110~125mg/dLの異常値を呈した非糖尿病患者303例を対象として、ベザフィブラート群とプラセボ群の糖尿病発症について解析、評価しました。

 本研究では、ベザフィブラート400mg/日又はプラセボを4.7~7.6年(中央値6.2年)間投与し、米国糖尿病学会(ADA)の診断基準に従い、空腹時血糖が126mg/dL以上になった場合に新規の糖尿病と診断しました。その結果、プラセボ群で147例中80例(54.4%)が糖尿病と診断されたのに対して、ベザフィブラート群では156例中66例(42.3%)であり、ベザフィブラート群で糖尿病が発症した患者は有意に少なく、年齢調整後の糖尿病発症危険率はベザフィブラート投与により36%低下することが明らかにされました。さらに、ベザフィブラート群(4.6±2.3年)はプラセボ群(3.8±2.6年)に比べ、糖尿病発症までの平均期間を有意に延長させました。延長期間は平均して約10ヵ月間でした。

 糖尿病の発症予防については、血糖降下剤であるメトホルミンやアカルボースが発症を抑制し、約30%発症率を低下することが既に報告されております。本研究で、高脂血症治療薬であるベザフィブラートがこれらの血糖降下剤と同等の発症予防が明らかにされたことは、空腹時血糖の異常を呈する患者に対して、高脂血症治療薬(ベザフィブラート)を使用することの臨床的意義が検証されたものと考えます。

 ベザフィブラートはベーリンガー・マンハイム社(現ロシュ社)が創製し、日本では当社が開発を行い「ベザトール®SR錠」として製造・販売しています。総コレステロール並びにLDL-コレステロール及びトリグリセライド(中性脂肪)を低下させるとともに善玉コレステロールと言われるHDL-コレステロールを上昇させ、血清脂質を総合的に改善する薬剤です。 

 当社では5月11日に速効型インスリン分泌促進薬「グルファスト®錠」を発売しており、グルファスト錠とともに、糖尿病領域における「ベザトール®SR錠」の有用性に関する医薬情報提供活動を推進してまいります。



以上



*BIP試験:冠動脈疾患患者におけるHDLコレステロール上昇及びトリグリセライド値低下による二次予防試験(Circulation 2000; 102: 21-27)

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