医薬品
2005年9月22日
口腔乾燥症状改善薬「サラジェン®錠」新発売のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(代表取締役社長:神澤陸雄)は、本日より、口腔乾燥症状改善薬「サラジェン®錠5mg」(一般名:塩酸ピロカルピン)を新発売しますのでお知らせ致します。
「サラジェン®錠」は、MGIファーマ社(米)から導入した唾液分泌促進剤で、当社が国内開発を行い本年7月に「頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善」の適応にて承認を取得し、9月16日に薬価基準に収載されました。本剤は、平成6年に米国にて口腔乾燥症状改善薬として初めて承認され、現在日本を含め世界28ヵ国にて承認を取得しています。国内では、本疾患の適応を有する内服製剤はなく、「サラジェン®錠」は日本で最初の経口薬となります。
「頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状」は、頭頸部がんの放射線治療に伴い唾液腺が障害され引き起こされる症状です。口腔乾燥症患者さんは、唾液分泌の減少に伴う口腔乾燥感や会話障害、痛み、摂食障害、睡眠障害などの発現によりQOL(生活の質)が著しく低下します。さらに、口腔乾燥症が長期にわたり継続すると、カンジダ症などの感染症やう蝕(虫歯)・歯の崩壊を来たすこともあります。
放射線治療に伴う口腔乾燥症状に対する治療は、現在人工唾液や水分補給など、一時的に口腔内をうるおす補助療法が行われているのみで、患者さんや医療関係者からは生理的な唾液分泌を促進する薬剤の開発が望まれていました。
「サラジェン®錠」は、唾液腺内のムスカリン受容体(M3受容体)を刺激し、唾液分泌を促進することにより、頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状による会話障害、摂食障害などの日常生活の障害を改善します。
以上
≪サラジェン®錠5mg 製品概要≫
■製品名
サラジェン®錠5mg (SALAGEN®Tab. 5mg)
■一般名
塩酸ピロカルピン
■効能・効果
頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善
■用法・用量
通常、成人には塩酸ピロカルピンとして1回5mgを1日3回、食後に経口投与する。
■禁忌
1.重篤な虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症等)のある患者[冠状動脈硬化に伴う狭窄所見を冠状動脈攣縮により増強し、虚血性心疾患の病態を悪化させるおそれがある。]
2.気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患の患者[気道抵抗や気管支平滑筋の緊張増大及び気管支粘液分泌亢進のため、症状を悪化させるおそれがある。]
3.消化管及び膀胱頸部に閉塞のある患者[消化管又は膀胱筋を収縮又は緊張させ、症状を悪化させるおそれがある。]
4.てんかんのある患者[てんかん発作をおこすおそれがある。]
5.パーキンソニズム又はパーキンソン病の患者[パーキンソニズム又はパーキンソン病の症状を悪化させるおそれがある。]
6.虹彩炎の患者[縮瞳が症状を悪化させるおそれがある。]
7.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■特性
1.「頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善」の適応をもつ本邦初の内服製剤です。
2.唾液腺のムスカリン受容体を刺激し、唾液分泌を促進します。
3.頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状による日常生活の障害を改善します。
4.本適応において世界27ヵ国(日本を含め28ヵ国)で承認されているグローバルな内服製剤です。
5.副作用発現率は57.9%(385例/665例)でした。主な副作用は、多汗(37.0%)、鼻炎(8.1%)、下痢(6.2%)、頻尿(5.4%)、頭痛(4.5%)、ほてり(4.4%)、嘔気(4.4%)等でした。また、臨床検査値の異常変動は17.2%(108例/628例)に認められました。主なものは、トリグリセリド上昇(4.2%)、LDH上昇(3.2%)、AST(GOT)上昇(2.4%)、尿潜血陽性(2.5%)、γ-GTP上昇(2.3%)、ALT(GPT)上昇(2.3%)等でした。(承認時)
■薬価
5mg1錠 139.70円
■包装
100錠(PTP)、210錠(PTP)、500錠(PTP)
■製造販売元
キッセイ薬品工業株式会社