医薬品
2013年10月17日
過活動膀胱治療薬「KEA-0447/KRP-EPA605」 第Ⅰ相臨床試験開始のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社
キョーリン製薬ホールディングス株式会社
泌尿器科領域は、キッセイ薬品と杏林製薬の研究開発における重点領域であり、両社が提携することで各々の強みやノウハウを活かし、新規化合物の効率的かつスピード感のある研究開発を推進できるとの判断から、将来的なグローバル展開も視野に、2009年に新規過活動膀胱治療薬に関する共同研究契約を締結し、共同で研究を進めてまいりました。その後、2012年に共同開発契約を締結し、本剤の第Ⅰ相臨床試験の開始に至りました。
本剤は、キッセイ薬品と杏林製薬の共同研究により見出された新規の選択的プロスタグランジンEP1受容体拮抗剤であり、膀胱の排尿筋過活動を抑制することにより頻尿を改善する薬剤です。過活動膀胱の治療には、主に抗コリン薬やβ3作動薬が使用されていますが、本剤は既存の治療薬とは異なる作用機序を持ち、新たなアプローチの過活動膀胱治療薬として、過活動膀胱の諸症状であります尿意切迫感や頻尿に苦しむ患者さんのQOLを高める薬剤になるものと期待されます。
今後両社は、共同開発により本剤の早期承認取得を目指してまいります。
以上
過活動膀胱について:
過活動膀胱(Overactive Bladder : OAB)は、加齢や神経疾患などの原因により「尿意切迫感(急に起こる、抑えられないような強い尿意)」や「頻尿(排尿回数が通常より多い状態)」、「夜間頻尿」などの症状を示す疾患です。
プロスタグランジンEP1 受容体について:
プロスタグランジンEP1(以下、「EP1」)受容体は、発熱や分娩などに関与する生理活性物質の一種であるプロスタグランジンE2(以下、「PGE2」)の受容体で、主に平滑筋収縮などに作用します。PGE2 は膀胱平滑筋においても産生され、種々の病態において産生増加することも知られており、膀胱平滑筋に存在するEP1 受容体を介した異常収縮に関与していると考えられています。