医薬品
2015年3月31日
潰瘍性大腸炎治療薬AJM300およびAJG511の国内における共同開発および共同販売に関する契約締結のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社
味の素製薬株式会社
キッセイ薬品工業株式会社(代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)と味の素製薬株式会社(代表取締役社長:長町隆、以下「味の素製薬」)は、味の素製薬が国内で潰瘍性大腸炎治療薬として開発中のα4インテグリン阻害剤AJM300とブデソニド注腸フォーム製剤AJG511の国内提携に関する契約を締結しましたので、お知らせいたします。
AJM300は味の素製薬が独自に創製し、第3相臨床試験を実施中の経口α4インテグリン阻害剤です。炎症部位への過剰なリンパ球浸潤を抑制するという新規作用メカニズムを有し、これまでの臨床試験で経口α4インテグリン阻害剤として世界ではじめて有効性が確認されています。AJM300は、既存の5-アミノサリチル酸製剤またはステロイド製剤を用いても効果が十分得られない潰瘍性大腸炎患者さんの薬物治療における、新たな選択肢となることが期待されます。
AJG511は、味の素製薬がDr. Falk Pharma社(ドイツ)より導入し第3相臨床試験を実施中である、日本初のブデソニドを有効成分とする泡状の注腸製剤(注腸フォーム製剤)です。ブデソニドは局所作用型ステロイドであるため全身性の副作用の低減が期待でき、さらに、泡状であることから直腸およびS状結腸の炎症部位に薬剤が到達し、投与後にも漏れ出しにくい特徴があります。ブデソニド注腸フォーム剤は、欧州においては既に発売され、処方が増加しており、日本の潰瘍性大腸炎治療の新たな選択肢となることが期待されます。
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に潰瘍などができる、炎症性腸疾患の1つであり、国の難病にも指定されています。国内に16万人以上の患者さんがいると言われ、腹痛や下痢、下血などにより、著しいQOL(生活の質)の低下を余儀なくされます。原因の特定が困難で、治療薬も未だ十分ではありません。消化器疾患領域に注力し、より多くの患者さんのQOL向上を目指す味の素製薬の意向と、キッセイ薬品のポートフォリオ戦略が合致し、今回の契約締結に至りました。
本契約により、両社はAJM300およびAJG511の開発を共同で行い、味の素製薬による製造販売承認取得後、日本国内において同一製品名にて共同販売を行います。両社は、既存薬にない新たな作用メカニズムおよび剤形の薬剤を提供することにより、治療の選択肢の幅を広げ、患者さんのQOL向上に一層貢献できるよう努めてまいります。
以上
潰瘍性大腸炎治療薬AJM300およびAJG511の国内における共同開発および共同販売に関する契約締結のお知らせ 【PDF/134.0 KB】