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医薬品

2019年11月26日

補体C5a受容体阻害剤「アバコパン(CCX168)」の国際共同第Ⅲ相臨床試験(ADVOCATE試験)の結果について

 キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)は、2017年6月に日本国内における独占的開発・販売権を導入した補体C5a受容体阻害剤「アバコパン(一般名、開発番号CCX168)」のライセンサーであるビフォー・フレゼニウス・メディカル・ケア・リーナル・ファーマ社(Vifor Fresenius Medical Care Renal Pharma Ltd.、本社:スイス ザンクト・ガレン、CEO:Stefan Schulze、以下「VFMCRP社」)及び創製元であるケモセントリクス社(ChemoCentryx, Inc.、本社:アメリカ、CEO:Thomas J. Schall)が、2019年11月25日(米国東部時間)に、アバコパンの国際共同第Ⅲ相臨床試験(ADVOCATE試験)の結果について、発表しましたことをお知らせいたします。

 ADVOCATE試験は、日本を含む世界20ヵ国においてANCA関連血管炎の患者さん331人を対象に、現在の標準治療である副腎皮質ステロイドを対照として実施された二重盲検比較試験であり、主要評価項目はバーミンガム血管炎活動スコア(BVAS)を用いた投与26週時の血管炎症状の寛解率及び投与52週時の寛解維持率です。本試験の結果、アバコパン治療群は、標準治療群に対し、26週における非劣性及び52週における統計的に有意な優越性を示しました。また、安全性につきましても、アバコパン治療群は、標準治療と比較して高い忍容性が認められており、現在、データの詳細な解析が進行中です。

 VFMCRP社及びケモセントリクス社の発表内容の詳細につきましては、両社のホームページをご覧ください。

VFMCRP社ホームページURL  http://www.viforpharma.com/en/investors
ケモセントリクス社ホームページURL  https://ir.chemocentryx.com/investor-relations


 キッセイ薬品は、2017年6月にVFMCRP社と本剤について、日本での独占的開発・販売権取得に関する契約を締結し、ケモセントリクス社がスポンサーである本試験に参画しております。
 今後、これまでの臨床試験結果を詳細に検討し、国内申請に向けPMDAとの協議に入る予定です。

 キッセイ薬品は、泌尿器、腎・透析領域ならびにRare Disease領域における製品ポートフォリオの拡充に取り組んでいます。引き続き海外のパートナー企業と連携して、本剤の有効性、安全性に関するデータの収集と解析に取り組み、本剤を難治性疾患に苦しむ患者さんに早期に提供することを目指します。

 なお、本件が2020年3月期の業績に与える影響は軽微です。


以上



《ご参考》

アバコパン(CCX168)について

 本剤は、米国のケモセントリクス社により創製された、腎領域等における希少疾患治療薬です。経口投与可能な低分子化合物であり、好中球をはじめとする白血球などに存在するC5a受容体を阻害し、白血球の遊走及び接着分子の発現誘導を妨げることで、抗炎症作用を発揮します。本剤のターゲットのひとつであるANCA(抗好中球細胞質抗体)関連血管炎は、厚生労働省特定疾患に指定されている難治性炎症疾患で、近年急速に患者数が増加しており、多くの場合、壊死性糸球体腎炎を呈します。ケモセントリクス社は、米国での本剤の権利を保持しており、米国を除く全世界の権利をVFMCRP社に許諾しています。VFMCRP社は、日本における本剤の権利をキッセイ薬品に再許諾しています。

補体C5a受容体(C5aR)について

 補体とは血液中に含まれるタンパク質で、さまざまな免疫反応や感染防御に関与しています。補体には多くの種類があり、一般に補体の英語表記complementの頭文字をとってCで表されます。そのうちC5aは好中球などを炎症部位に呼び寄せるケモカイン(走化性因子)として働きます。C5aRを阻害することで、血管を傷つける好中球などの働きを抑えることができ、抗炎症作用を発揮すると考えられています。

ANCA(抗好中球細胞質抗体)関連血管炎(AAVについて

 免疫複合体の沈着が無いか、ほとんどみられない、小血管の壊死性炎症と、高いANCA陽性率を特徴とする難治性疾患です。腎臓、肺、神経系など様々な臓器に障害がみられます。国内患者数は1万人を超えると推定されています[平成29年度末現在、特定医療費(指定難病)受給者証所持者数より]。現在のAAV標準治療は、副腎皮質ステロイドと免疫抑制剤の併用であり、アバコパンはステロイドとの置き換えにより、ステロイド特有の有害事象を回避することが期待されています。

ビフォー・フレゼニウス・メディカル・ケア・リーナル・ファーマ社(Vifor Fresenius Medical Care Renal Pharma Ltd.について

 ビフォーファーマグループ(旧ガレニカグループ)は、国際的なスペシャルティ医薬品企業であり、鉄欠乏症、腎臓病、心腎症候群治療の世界的なリーダーになることを目指しています。本社をスイスに置き、スイス証券取引所に上場しています(SIX Swiss Exchange, VIFN, ISIN:CH0364749348)。VFMCRP社はビフォーファーマグループに所属する、フレゼニウスメディカルケア社との合弁会社であり、世界中の慢性腎臓病(CKD)患者さんの生活を改善する革新的で高品質な治療法を開発、販売しています。キッセイ薬品は、VFMCRP社より高リン血症治療薬「ピートル®(欧米製品名VELPHORO®)」を導入しています。

ケモセントリクス社(ChemoCentryx, Inc.)について

 米国カリフォルニア州に本社を置く、NASDAQ上場(NASDAQ:CCXI)のバイオ医薬品企業です。自己免疫疾患、炎症性疾患及び癌領域での経口治療薬の創薬、開発及び商業化にフォーカスしています。


補体C5a受容体阻害剤「アバコパン(CCX168)」の国際共同第Ⅲ相臨床試験(ADVOCATE試験)の結果について 【PDF/395.6 KB