一般・患者さん・ご家族の皆さま

医療関係者の皆さま

株主・投資家の皆さま

ニュースリリース

企業情報

研究開発活動

サステナビリティ

キッセイの想い。

  • 2024
  • 2023
  • 2022
  • 2021
  • 2020
  • 2024
  • 2023
  • 2022
  • 2021
  • 2020

ニュースリリース一覧に戻る

医薬品

2020年1月22日

脊髄小脳変性症患者を対象とした「KPS-0373(一般名:ロバチレリン)」 第Ⅲ相臨床試験結果の「Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry」への掲載について

 キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄)は、このたび、塩野義製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:手代木功)が創製し、当社が脊髄小脳変性症治療薬として開発しているKPS-0373(一般名:ロバチレリン、以下本剤)の2つの第Ⅲ相臨床試験の結果が、医学雑誌「Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry」のオンライン版に掲載されたことをお知らせいたします。

 当社は本剤について、2013年~2015年に第Ⅲ相臨床試験を実施し、この成績に基づき、2016年~2018年に追加の第Ⅲ相臨床試験を実施いたしましたが、いずれの試験においても、主要評価項目である運動失調を評価するためのSARA合計スコアの変化量は、プラセボ群と比べて統計学的に有意な改善を認めませんでした。

 本論文では、2つの第Ⅲ相臨床試験の結果を詳細に検討した結果、追加第Ⅲ相臨床試験の組み入れ基準に合致する患者さん(より重症度が高い患者層)を対象とした併合解析(事後解析)では、SARA合計スコア変化量は、プラセボ群と比べて統計学的に有意な改善を認めたこと(プラセボ群:1.03点改善、ロバチレリン2.4mg投与群:1.64点改善)、また、安全性については、ロバチレリン投与群で高頻度(5%以上)に認められた有害事象は、上咽頭炎、悪心、体重減少、挫傷であり、その多くは軽度と判定されたこと等が報告されております。

 当社は現在、これらの解析結果を踏まえ、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と本剤の今後のプロセスについて協議を行っています。

 なお、本剤の脊髄小脳変性症に対する適応は未承認です。


以上

※Nishizawa M, Onodera O, Hirakawa A on behalf of the Rovatirelin Study Group, et al. Effect of rovatirelin in patients with cerebellar ataxia: two randomised double-blind placebo-controlled phase 3 trials.

Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry Published Online First: 14 January 2020. doi: 10.1136/jnnp-2019-322168

URL https://jnnp.bmj.com/content/early/2020/01/21/jnnp-2019-322168



《ご参考》

KPS-0373(一般名:ロバチレリン)について

 塩野義製薬株式会社が創製した甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)誘導体です。中枢神経系に分布するTRH受容体に結合して、アセチルコリンや、ドパミンなどのモノアミンの神経伝達物質の遊離を促進することで、神経系を活性化させる作用を有しており、脊髄小脳変性症患者さんの運動失調の改善が期待されています。

脊髄小脳変性症について

 小脳または脊髄が変性することにより、運動失調等の症状が現れる原因不明の神経変性疾患です。厚生労働省の定める指定難病であり、国内で3万人以上の患者さんが認定されています。近年の基礎研究によりその病因が解明されつつあるものの未だ不明な点が多く、根治療法はないことから、諸症状に対する対症療法が行われているのが現状です。公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団及び日本神経治療学会の協働で実施された「神経疾患に関する医療ニーズ調査」では、脊髄小脳変性症に対する治療満足度及び薬剤貢献度はいずれも低く、現在有効な治療法がない等の理由から「新規治療法の開発が急務な疾患」として報告されています。

SARAScale for the assessment and rating of ataxia)について

 脊髄小脳変性症等における運動失調の半定量的な評価方法で、8つの評価項目(歩行、立位、坐位、言語障害、指追い試験、鼻指試験、手の回内回外運動、踵すね試験)から構成され、国際的に使用されています。8つの評価点を合計し40点満点で評価され、無症状が0点、最重症が40点と評価されます。



脊髄小脳変性症患者を対象とした「KPS-0373(一般名:ロバチレリン)」第Ⅲ相臨床試験結果の「Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry」への掲載について 【PDF/449.0 KB

株主、投資家向けのページに遷移します。
「株主・投資家の皆さま」内のコンテンツは、株主、投資家、ならびに報道関係者の皆さまへの当社活動の情報提供を目的としており、一般の方への情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

サイトを表示