医薬品
2020年4月 8日
排尿障害改善薬「シロドシン」の開発 令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞」(開発部門)受賞決定のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄)は、この度、当社が創製した前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬「シロドシン」(製品名:ユリーフ®)の開発について、本剤の発明に貢献した4名の研究者が、令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において「科学技術賞」(開発部門)を受賞することが決定しましたのでお知らせいたします。
前立腺肥大症は中高年以降の男性に多く発症し、特に60歳以上の約半数で加齢とともに前立腺が肥大して尿勢低下や夜間頻尿などの排尿障害が生じ、生活の質(QOL)を低下させる疾患で、厚生労働省の調査では日本国内の患者数は約47万人と報告されています。
シロドシンは、下部尿路組織である前立腺、尿道などのα1A受容体サブタイプに選択的に結合して交感神経系の伝達を遮断することにより、下部尿路組織平滑筋の緊張を緩和し、尿道内圧の上昇を抑制して、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する薬剤です。「ユリーフ®」として、2006年5月に世界に先駆けて日本で発売されて以来約14年が経過しますが、現在でも世界58の国と地域で販売されています。
今回の受賞は、シロドシンの研究開発が、我が国の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与する画期的なものと高く評価されたものです。
当社は今後も創薬研究開発型企業として、患者さんのお役に立てる独創的な新薬の研究、開発に、積極的に取り組んでまいります。
以上
《ご参考》
文部科学大臣表彰「科学技術賞」(開発部門)について
文部科学大臣表彰とは、「科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とする」ものです。この中の「科学技術賞」(開発部門)は、「現在、実際に利活用され、我が国の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与する画期的な研究開発若しくは発明に対する表彰」とされています。
「科学技術賞」(開発部門)受賞内容
業績名:尿道選択的新規排尿障害改善薬の開発
受賞者:
氏名 |
年齢 |
所属・役職 |
北澤 牧雄 |
71 |
現在は退職されています。 (研究開発本部 研究部 創製品研究所 主任研究員)※ |
阪 正昭 |
59 |
ヘルスケア事業部 参事 (研究開発本部 研究部 創製品研究所 研究員)※ |
山岸 良一 |
62 |
現在は退職されています。 (研究開発本部 研究部 創製品研究所 副主任研究員)※ |
小澤 基裕 |
54 |
研究本部基盤技術研究所 副主任研究員 (研究開発本部 研究部 創製品研究所 研究員)※ |
※括弧内はシロドシンの物質特許出願時の所属 |
文部科学省による受賞者決定の発表日:4月7日
排尿障害改善薬「シロドシン」の開発 令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞」(開発部門)受賞決定のお知らせ 【PDF/332.8 KB】