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医薬品

2020年12月10日

GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の海外における子宮筋腫を対象とした第Ⅲ相臨床試験の長期投与及び投与終了後の有効性と安全性の結果について

 キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)は、キッセイ薬品が創製したGnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス(一般名、国内開発番号KLH-2109、海外開発番号OBE2109)」について、導出先であるオブシーバ社(ObsEva SA、本社:スイス ジュネーブ、CEO:Brian O'Callaghan)が、2020年12月10日(欧州中央時間)に、子宮筋腫を対象とした2つの第Ⅲ相臨床試験(PRIMROSE 1試験及びPRIMROSE 2試験)の結果を公表しましたことを、お知らせいたします。

 PRIMROSE試験は、子宮筋腫の患者さんを対象として、リンザゴリクス1日1回100mgまたは200mgの単独投与、あるいは、アドバック療法(ABT)との併用投与における有効性及び安全性について検討した第Ⅲ相臨床試験です。今回公表されたのは、PRIMROSE 1試験における投与52週時の長期投与試験結果ならびにPRIMROSE 2試験における76週時(投与後観察期間24週時)の結果です。

 PRIMROSE試験の主要評価項目は、月経出血量が80mL以下かつベースラインから50%以上減少した症例のレスポンダー率です。PRIMROSE 1試験の52週投与においても、既に発表されているPRIMROSE 2試験と同様の結果となり、両試験の併合解析におけるレスポンダー率は、100mg単独投与群で56.4%、200mgABT併用群で89.3%と良好な結果が得られました。また、子宮体積及び筋腫核体積の推移をみると、リンザゴリクス200mgを単独で24週間治療し、その後ABTを追加併用した群において、200mg単独治療期間中の強力な子宮体積及び筋腫核体積の縮小が認められました。この結果は、リンザゴリクスの高用量単独使用が、速やかな子宮体積及び筋腫核体積の縮小が必要な患者さんに対し、ABTを併用せずに治療する選択肢となり得ることを支持するものとなりました。
 PRIMROSE 2試験では、投与終了3ヵ月後でも、リンザゴリクス投与群では投与開始前より痛みのスコアが低い状態で維持されていました。

 PRIMROSE 1試験における投与24週から52週の安全性については、24週までに高頻度に認められた有害事象(発現率>5%)であるホットフラッシュ、頭痛及び貧血の発現は少なく、24週を超えて継続投与した際の有害事象発現率はプラセボと同程度でした。また、投与24週から52週の腰椎骨密度については、100mg単独投与群でプラセボと同程度の減少にとどめられており、200mgABT併用群ではより少ない変化となっていました。PRIMROSE 2試験の76週(投与後観察期間24週)時では、100mg単独投与群、200mgABT併用群ともに骨密度の回復が認められました。
 なお、このPRIMROSE試験においては、ビタミンDやカルシウム剤などのサプリメントは併用されていません。

 オブシーバ社は、これらの臨床試験結果から、リンザゴリクスを、100mg及び200mgの単剤、ならびに200mgとABTの併用療法の複数の治療選択肢を提供する唯一のGnRHアンタゴニストとして、欧州においては2020年11月に承認申請しており、米国においても2021年上半期に承認申請する予定です。

 オブシーバ社の公表内容の詳細につきましては、同社のホームページをご覧ください。

   URL https://www.obseva.com/press-releases/


 なお、本件が、キッセイ薬品の2021年3月期業績に与える影響は軽微です。


以上



《ご参考》

リンザゴリクス(KLH-2109)について

 リンザゴリクスは、キッセイ薬品が創製した経口投与が可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストであり、脳下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させます。キッセイ薬品は、2015年11月にオブシーバ社に対し、日本など一部のアジアを除く全世界における独占的開発・販売権を許諾しました。現在、オブシーバ社は子宮筋腫及び子宮内膜症を各適応として、第Ⅲ相臨床試験をそれぞれ実施中です。このうち、子宮筋腫については、重度の月経出血を有する患者さんを対象とした2つのプラセボ対照二重盲検比較試験(PRIMROSE 1試験、PRIMROSE 2試験)を実施しています。


子宮筋腫を対象とする第Ⅲ相臨床試験(PRIMROSE試験)について

 PRIMROSE 1試験及びPRIMROSE 2試験は、子宮筋腫に伴う重度の月経出血の治療を目的として、リンザゴリクス100mg及び200mgを1日1回単独投与及びアドバック療法(ABT)と併用する2つの投与方法による有効性及び安全性を検討した前向き無作為化並行群間二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験です。PRIMROSE 1試験は574人を対象に米国で実施され、PRIMROSE 2試験は535人を対象に欧米で実施されています。両試験とも、カルシウムまたはビタミンDの補給を行わない条件下で、52週間の治療期間とその後6ヵ月間のフォローアップ期間が設定されています。オブシーバ社は2019年12月にPRIMROSE 2試験の投与24週時の中間解析結果を、2020年7月にはPRIMROSE 1試験の投与24週時の中間解析結果とともにPRIMROSE 2試験の投与52週時の長期投与試験結果を、それぞれ公表しています。


アドバック療法(
ABT)について

 薬剤による過度なエストロゲン低下を予防するために外因性にエストロゲンを補充する治療法で、治療効果を維持しつつ骨密度低下等の副作用を軽減することができます。PRIMROSE試験では、1日用量としてestradiol 1mgとnorethindrone acetate 0.5mgを併用投与しています。

米国における子宮筋腫治療について

 子宮筋腫は、子宮の筋肉組織に発生する良性腫瘍で、出産年齢の女性に多く見られる疾患です。過多月経や、貧血、疼痛、骨盤内圧迫感、頻尿などの症状がみられ、生活の質に重大な影響を及ぼします。米国では、長期的な内科的治療は少なく、結果的に、子宮筋腫に対して毎年約30万件の子宮摘出術が行われています。


オブシーバ社(
ObsEva SAについて

 オブシーバ社は、スイスに本社を置く、NASDAQ上場(NASDAQ:OBSV)及びスイス証券取引所上場(SIX Swiss Exchange:OBSN)の臨床開発に特化したバイオ医薬品企業です。女性の健康を損なう、あるいは、周産期における疾患など産婦人科領域を重点ターゲットとし、戦略的なライセンスインと統制のとれた医薬品開発を通じて、子宮内膜症、子宮筋腫、切迫早産の治療に焦点を当てた後期臨床パイプラインを構築し、積極的に新薬開発を行っています。
 オブシーバ社の詳細については、公式ホームページ(https://www.obseva.com/)をご参照ください。



GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の海外における子宮筋腫を対象とした第Ⅲ相臨床試験の長期投与及び投与終了後の有効性と安全性の結果について 【PDF/418.7 KB

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