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医薬品

2021年1月13日

潰瘍性大腸炎治療薬AJM300(一般名:カロテグラストメチル)の国内第Ⅲ相臨床試験(AJM300/CT3試験)の結果について ―主要評価項目を達成―

EAファーマ株式会社
キッセイ薬品工業株式会社


 

 EAファーマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:松江裕二、以下「EAファーマ」)とキッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)は、両社が潰瘍性大腸炎治療薬として共同開発中のAJM300(一般名:カロテグラストメチル)について、国内で実施された第Ⅲ相臨床試験(AJM300/CT3)において主要評価項目を達成しましたことをお知らせいたします。

 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に潰瘍やびらんができる炎症性の疾患です。症状は、腹痛や下痢、下血などで、多くの場合は症状が軽快する「寛解」と悪化する「再燃」を繰り返し、患者様のQOL(生活の質)を低下させます。本疾患は、発症メカニズムが未だ解明されておらず、厚生労働大臣により「指定難病」に指定されています。国内患者数は、2019年に約22万人で、近年、増加する傾向にあります 1)

 AJM300は、EAファーマ(旧 味の素製薬株式会社)が独自に創製した、α4インテグリン阻害作用を有する経口投与可能な低分子化合物です。α4β1インテグリンとα4β7インテグリンのどちらにも作用することで、炎症部位への過剰なリンパ球浸潤を抑制し、抗炎症作用を発揮すると考えられています。2015年以降、EAファーマとキッセイ薬品は、本剤の共同開発を進めています。

 本試験は、基本治療薬である5-アミノサリチル酸製剤を用いても効果不十分または不耐であった中等度活動期の潰瘍性大腸炎患者様203例を対象として、国内82施設で実施されました。AJM300投与群またはプラセボ投与群に無作為に割付け、1日3回8週間経口投与した際の有効性を検証するとともに安全性を検討したプラセボ対照二重盲検比較試験です。

 本試験の結果、主要評価項目であるMayo score(メイヨースコア)を用いた投与8週時の改善率において、プラセボ投与群に対するAJM300投与群の優越性が示されました。加えて、粘膜寛解率や血便消失率等の複数の副次評価項目においても、統計学的に有意な改善が認められました。また、AJM300投与群で観察された主な有害事象は、上咽頭炎、頭痛、悪心等でした。本試験の結果の詳細については、今後の国際学会等で発表する予定です。

 EAファーマとキッセイ薬品は、本試験の結果に基づき、AJM300の国内製造販売承認申請準備を進めています。現在共同販売中の「レクタブル2mg注腸フォーム14回」に加え、AJM300を早期に医療現場に提供することで、潰瘍性大腸炎治療の選択肢を広げ、患者様のQOLの向上に一層貢献できるよう努めてまいります。

以上

1)厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班による「潰瘍性大腸炎の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識」(2020年3月改訂)




《ご参考》
1.EAファーマ株式会社について
 エーザイ株式会社の消化器事業子会社であるEAファーマ株式会社は、エーザイグループが60年以上取り組んでいる消化器事業と、アミノ酸をコアとする味の素グループの消化器事業が、2016年4月に統合して設立された、研究開発、生産物流、営業・マーケティングのフルバリューチェーンを有する消化器のスペシャリティ・ファーマです。
 EAファーマ株式会社の詳細情報は、http://www.eapharma.co.jp/をご覧ください。

2.キッセイ薬品工業株式会社について
 キッセイ薬品工業株式会社は、「純良医薬品を通じて社会に貢献する」、「会社構成員を通じて社会に奉仕する」との経営理念のもと、創薬研究開発型企業として、世界の患者さんに独創的な新薬を提供することに注力しています。泌尿器、腎・透析、糖尿病、消化器、そして希少疾病の領域を中心に活動しています。
 キッセイ薬品工業株式会社の詳細情報は、https://www.kissei.co.jp/をご覧ください。

3.AJM300(一般名:カロテグラストメチル)について
 潰瘍性大腸炎患者様の大腸粘膜病変では、リンパ球を始めとする炎症性細胞の過度な集積・浸潤が認められます。その一連の反応は、炎症性細胞表面に発現するインテグリンと、大腸粘膜の血管内皮細胞に過剰に発現する接着分子(VCAM-1やMAdCAM-1等)との結合により仲介されています。AJM300(一般名:カロテグラストメチル)は、α4インテグリンに拮抗することにより、α4β1インテグリンとVCAM-1、α4β7インテグリンとMAdCAM-1の結合を介する細胞接着反応を阻害し、抗炎症作用を発揮すると考えられています。経口投与可能なα4インテグリン低分子阻害剤として世界で初めての製品化を目指しています。

4.Mayo score(メイヨースコア)について
 潰瘍性大腸炎の活動性を評価するための指標であり、近年の臨床試験において標準的に使用されています。4項目のサブスコア(排便回数、血便、内視鏡検査による粘膜所見および医師による全般的評価)からなり、各スコアの範囲は4段階の0~3点とし、その合計(0~12点)で評価します。3~5点であれば軽度、6~10点であれば中等度、11~12点であれば重度と評価されます。


潰瘍性大腸炎治療薬AJM300(一般名:カロテグラストメチル)の国内第Ⅲ相臨床試験(AJM300/CT3試験)の結果について ―主要評価項目を達成― 【PDF/277.4 KB

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