一般・患者さん・ご家族の皆さま

医療関係者の皆さま

株主・投資家の皆さま

ニュースリリース

企業情報

研究開発活動

サステナビリティ

キッセイの想い。

  • 2024
  • 2023
  • 2022
  • 2021
  • 2020
  • 2024
  • 2023
  • 2022
  • 2021
  • 2020

ニュースリリース一覧に戻る

医薬品

2021年3月 1日

補体C5a受容体阻害剤「アバコパン(CCX168)」の国内製造販売承認申請のお知らせ

 キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)は、このたび、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎に分類される顕微鏡的多発血管炎及び多発血管炎性肉芽腫症の治療薬として、補体C5a受容体阻害剤「アバコパン(一般名、開発番号:CCX168)」の日本国内における製造販売承認申請を行いましたので、お知らせいたします。

 本剤は、ANCA関連血管炎に対し、補体C5a受容体を阻害することによって抗炎症作用を発揮する、ファーストインクラスの経口投与可能な薬剤です。キッセイ薬品は2017年6月、ビフォー・フレゼニウス・メディカル・ケア・リーナル・ファーマ社(Vifor Fresenius Medical Care Renal Pharma Ltd.、本社:スイス、CEO:Alfredo Merino、以下「VFMCRP社」)より、日本における本剤の独占的開発・販売権を取得しました。その後、創製元であるケモセントリクス社(ChemoCentryx, Inc.、本社:アメリカ、CEO:Thomas J. Schall)がスポンサーとして実施した国際共同第Ⅲ相臨床試験(ADVOCATE試験)に、VFMCRP社とともに参画し、良好な結果を得たことから、今回の承認申請に至りました。

 海外においては、ANCA関連血管炎治療薬として、現在、米国及び欧州で承認申請中です。また、本剤は、2019年3月に日本において、厚生労働大臣より、顕微鏡的多発血管炎及び多発血管炎性肉芽腫症の効能又は効果で希少疾病用医薬品の指定を受けています。

 キッセイ薬品は、ANCA関連血管炎ならびにアバコパンに関する情報を的確に提供するための組織体制を整え、アバコパンを円滑に医療現場に提供することで、難病に苦しむ患者さんに一層貢献できるよう努めてまいります。

 なお、本申請に伴いマイルストン支払いが発生しますが、2020年11月5日に公表しました2021年3月期通期の連結業績予想に織り込み済みです。

以上




《ご参考》
ADVOCATE試験について
 日本を含む世界20ヵ国においてANCA関連血管炎の患者さん331人を対象に、現在の標準治療薬である副腎皮質ステロイドを対照として実施された二重盲検比較試験です。本試験の結果、主要評価項目であるバーミンガム血管炎活動性スコア(BVAS)で評価した血管炎症状について、アバコパン群はステロイド群に対し、投与26週時の寛解率で非劣性を示し、投与52週時の寛解維持率で統計的に有意な優越性を示しました。また、安全性につきましても、アバコパン群は、ステロイド群と比較して高い忍容性が認められています。
 本試験結果は、英文医学雑誌The New England Journal of Medicine 2021年2月18日号に掲載されました。

David R.W. Jayne, M.D., Peter A. Merkel, M.D., M.P.H., Thomas J. Schall, Ph.D., and Pirow Bekker, M.D, Ph.D., for the ADVOCATE Study Group. Avacopan for the Treatment of ANCA-Associated Vasculitis
The New England Journal of Medicine, 2021, 384(7), 599  https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2023386



ANCA(抗好中球細胞質抗体)関連血管炎(AAV)について
免疫複合体の沈着が無いか、ほとんどみられない、小血管の壊死性炎症と、高いANCA陽性率を特徴とする難治性疾患です。腎臓、肺、神経系などさまざまな臓器で発症がみられます。日本における患者数は1万人を超えると推定されています※1。現在のAAV治療における副腎皮質ステロイドを中心とした標準治療は有効性を示しますが、臨床的に問題となる副作用が高頻度に認められるなどの課題が報告されています※2

※1: 2018年度末現在の特定医療費(指定難病)受給者証所持者数より推定
※2: The New England Journal of Medicine, 2021, 384(7), 664



補体C5a受容体(C5aR)について
補体とは血液中に含まれるタンパク質で、さまざまな免疫反応や感染防御に関与しています。補体には多くの種類があり、一般に補体の英語表記Complementの頭文字をとってCで表されます。そのうちC5aは好中球などを炎症部位に呼び寄せる走化性因子として働きます。C5aRを阻害することで、血管を傷つける好中球などの過剰な働きを抑えることができ、抗炎症作用を発揮すると考えられています。


アバコパン(CCX168)について
 本剤は、ケモセントリクス社により創製された、腎領域等における希少疾患治療薬です。経口投与可能な低分子化合物で、好中球をはじめとする白血球などに存在するC5a受容体を阻害し、白血球の遊走及び接着分子の発現誘導を妨げることで、抗炎症作用を発揮します。本剤のターゲットのひとつであるANCA関連血管炎は、厚生労働省特定疾患に指定されている難治性炎症疾患で、近年急速に患者数が増加しており、多くの場合、壊死性糸球体腎炎を呈します。ADVOCATE試験の結果から、アバコパンによる治療は、AAVに対し有効性を示すとともに、従来の治療における副作用のリスクを軽減することが期待されます。
 ケモセントリクス社は、米国を除く全世界の権利をVFMCRP社に許諾しており、VFMCRP社は、日本における本剤の権利をキッセイ薬品に再許諾しています。


ビフォー・フレゼニウス・メディカル・ケア・リーナル・ファーマ社(Vifor Fresenius Medical Care Renal Pharma Ltd.)について
 VFMCRP社は、ビフォーファーマグループに所属するフレゼニウスメディカルケア社との合弁会社であり、世界中の慢性腎臓病(CKD)患者さんの生活を改善する革新的で高品質な治療法を開発、販売しています。キッセイ薬品は、VFMCRP社より高リン血症治療薬「ピートル®(欧米製品名:VELPHORO®)」を導入しています。ビフォーファーマグループは、国際的な製薬企業であり、鉄欠乏症、腎臓病、心腎疾患治療の世界的なリーダーになることを目指しています。本社をスイスに置き、スイス証券取引所に上場しています(SIX Swiss Exchange, VIFN, ISIN:CH0364749348)。


ケモセントリクス社(ChemoCentryx, Inc.)について
 アメリカに本社を置く、NASDAQに上場しているバイオ医薬品企業です(NASDAQ:CCXI)。自己免疫疾患、炎症性疾患及び癌領域での経口治療薬の創薬、開発及び商業化にフォーカスしています。アバコパンはケモセントリクス社の創製品です。


補体C5a受容体阻害剤「アバコパン(CCX168)」の国内製造販売承認申請のお知らせ 【PDF/392.7 KB

株主、投資家向けのページに遷移します。
「株主・投資家の皆さま」内のコンテンツは、株主、投資家、ならびに報道関係者の皆さまへの当社活動の情報提供を目的としており、一般の方への情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

サイトを表示