医薬品
2021年9月15日
「リンザゴリクス」の子宮筋腫を対象とした米国食品医薬品局(FDA)への新薬承認申請資料の提出について
キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)は、自社創製品であるGnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス(一般名、国内開発番号KLH-2109、海外開発番号OBE2109)」について、日本など一部のアジアを除く全世界における独占的権利を許諾しているオブシーバ社(ObsEva SA、本社:スイス ジュネーブ、CEO:Brian O'Callaghan)が、米国食品医薬品局(FDA)に子宮筋腫治療に対する新薬承認申請資料を提出しましたことをお知らせいたします。
本剤の子宮筋腫患者さんを対象とした第Ⅲ相臨床試験は、PRIMROSE 1試験及びPRIMROSE 2試験の2つからなっています。いずれの試験においても、アドバック療法(ABT)を併用した場合としない場合の100mg及び200mgの用量について、52週間投与した後24週間までの合計76週間における検討を行い、主要評価項目である過多月経の改善の達成と良好な忍容性が確認されました。これらの試験結果から、本剤は、子宮筋腫治療において、個々の患者さんの病態やニーズに合わせた治療選択肢を提供できる薬剤となることが期待されています。
オブシーバ社の公表内容の詳細につきましては、同社のホームページをご覧ください。
URL https://www.obseva.com/press-releases/
本件が2022年3月期の業績に与える影響は軽微です。
以上
《ご参考》
リンザゴリクス(KLH-2109)について
リンザゴリクスは、キッセイ薬品が創製した経口投与が可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストであり、脳下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させます。キッセイ薬品は、2015年11月にオブシーバ社に対し、日本など一部のアジアを除く全世界における独占的開発・販売権を許諾しました。オブシーバ社は、子宮筋腫おける第Ⅲ相臨床試験として、子宮筋腫に伴う重度の月経出血を有する患者さんを対象とした2つのプラセボ対照二重盲検比較試験(PRIMROSE 1試験、PRIMROSE 2試験)を行いました。また、子宮内膜症については、現在第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
子宮筋腫を対象とする第Ⅲ相臨床試験(PRIMROSE試験)について
PRIMROSE 1試験及びPRIMROSE 2試験は、子宮筋腫に伴う重度の月経出血の治療を目的として、リンザゴリクス100mg及び200mgを1日1回単独投与及びアドバック療法(ABT)と併用する2つの投与方法による有効性及び安全性を検討した前向き無作為化並行群間二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験です。PRIMROSE 1試験は574人を対象に米国で実施され、PRIMROSE 2試験は535人を対象に欧米で実施されています。両試験とも、主要評価項目は投与後24週後の「月経出血量が80mL以下かつベースラインから50%以上減少した症例のレスポンダー率」で、52週間の治療とその後24週間の追跡調査(フォローアップ)が行われました。
オブシーバ社は2019年12月より、PRIMROSE 1試験及びPRIMROSE 2試験の投与24週時の中間解析結果、投与52週時の長期投与試験結果、76週時の追跡調査結果を順次公表しています。
アドバック療法(ABT)について
薬剤による骨密度低下等の副作用を軽減するために外因性にエストロゲンを補充する治療法です。PRIMROSE試験では、1日用量としてestradiol 1mgとnorethindrone acetate 0.5mgを併用投与しています。
オブシーバ社(ObsEva SA)について
オブシーバ社は、婦人科領域及び周産期医療の改善のための新しい治療法を開発販売するバイオ医薬品企業です。戦略的なライセンスインと統制のとれた医薬品開発を通じて、子宮内膜症、子宮筋腫、切迫早産の治療に焦点を当てた後期臨床パイプラインを構築しています。また、同社はNASDAQ(NASDAQ:OBSV)及びスイス証券取引所(SIX Swiss Exchange:OBSN)に上場しています。
オブシーバ社の詳細については、公式ホームページ(https://www.obseva.com/)をご覧ください。
リンザゴリクスの子宮筋腫を対象とした米国食品医薬品局(FDA)への新薬承認申請資料の提出について 【PDF/361.8 KB】