医薬品
2022年6月17日
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の欧州における販売承認取得について
キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)は、当社創製のGnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス(一般名、国内開発番号KLH-2109、海外開発番号OBE2109)」について、日本などアジアの一部を除く全世界での独占的権利を許諾しているオブシーバ社(ObsEva SA、本社:スイス ジュネーブ、CEO:Brian O'Callaghan)が、この度、欧州委員会(European Commission)より、販売名Yselty®として子宮筋腫治療薬の販売承認を取得したことをお知らせいたします。
オブシーバ社は、2020年11月、子宮筋腫を適応症として欧州医薬品庁(European Medicines Agency)に販売承認申請を行い、本年4月の医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use)会議にて承認勧告が採択され、この度の販売承認の取得となりました。
リンザゴリクスは、欧米で行われた第Ⅲ相臨床試験においてアドバック療法併用群だけでなく、非併用群でも有効性が確認されており、ホルモン剤を服用できない子宮筋腫患者さんに対しても使用可能な唯一のGnRHアンタゴニストとして、個々の患者さんの病態やニーズに合わせた新たな治療選択肢として期待されています。
欧州では、オブシーバ社はリンザゴリクスの商業化と市場導入を進めるため、セラメックス社とライセンス契約を締結しています。
オブシーバ社の公表内容の詳細につきましては、同社のホームページをご覧ください。
URL https://www.obseva.com/press-releases/
なお、本件の業績予想に与える影響は、2022年5月10日に公表しました2023年3月期通期の連結業績予想に織り込み済みです。
以上
《ご参考》
リンザゴリクス(KLH-2109)について
リンザゴリクスは、キッセイ薬品が創製した新規の経口投与が可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストであり、脳下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させます。
キッセイ薬品は、2015年11月にオブシーバ社に対し、日本などアジアの一部を除く全世界における独占的開発・販売権を許諾しました。オブシーバ社は、子宮筋腫及び子宮内膜症を対象に臨床開発を行い、米国では子宮筋腫についてはFDAにより審査中であり、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査期限は2022年9月13日とされています。子宮内膜症については、現在第Ⅲ相臨床試験を行っています。また、アジアにおいては、2021年9月にバイオジェニュイン社(中国)に対し、中国における開発及び販売権を許諾し、同社では現在、臨床試験開始に向けた準備を進めています。
アドバック療法について
薬剤による骨密度低下等の副作用を軽減するために外因性にエストロゲン(ホルモン剤)を補充する治療法です。リンザゴリクスの第Ⅲ相臨床試験では、1日用量としてestradiol 1mgとnorethindrone acetate 0.5mgを併用投与しています。
オブシーバ社(ObsEva SA)について
オブシーバ社は、婦人科領域及び周産期医療の改善のための新しい治療法を開発販売するバイオ医薬品企業です。戦略的なライセンスインと統制のとれた医薬品開発を通じて、子宮内膜症、子宮筋腫、切迫早産の治療に焦点を当てた後期臨床パイプラインを構築しています。また、同社はNASDAQ(NASDAQ:OBSV)及びスイス証券取引所(SIX Swiss Exchange:OBSN)に上場しています。
オブシーバ社の詳細については、公式ホームページ(https://www.obseva.com/)をご覧ください。
セラメックス社(Theramex)について
セラメックス社は、イギリス、ロンドンに本社を置く、産婦人科領域に特化した世界をリードするスペシャリティファーマです。避妊、不妊、更年期障害、骨粗鬆症など、幅広い製品ポートフォリオを有し、患者さんの声に耳を傾け、患者さんの生活を改善するための医療ソリューションを提供しています。
セラメックス社の詳細については、公式ホームページ(https://www.theramex.com/)をご覧ください。
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の欧州における販売承認取得について 【PDF/377.1 KB】