医薬品
2022年7月 6日
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の子宮筋腫を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験開始のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)は、当社創製のGnRH受容体拮抗薬(アンタゴニスト)「リンザゴリクス(一般名、国内開発番号KLH-2109)」について、子宮筋腫を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験を開始したことをお知らせいたします。
子宮筋腫は、子宮筋層を構成する平滑筋に発生し、性ホルモンに依存して増殖する良性腫瘍であり、その代表的な症状は、過多月経とそれに伴う貧血、月経困難症、圧迫症状、疼痛及び不妊です。過多月経や慢性的な疼痛症状は患者さんのQOL(生活の質)にも重大な影響を与えることが報告されています。
今回実施する臨床試験は、過多月経を有する子宮筋腫患者さんを対象にリンザゴリクスを経口投与した時の有効性と安全性について、GnRH受容体作動薬(アゴニスト)を対照とした二重盲検法により検討する試験と、過多月経及び疼痛症状を有する子宮筋腫患者さんを対象にリンザゴリクスを経口投与した時の有効性及び安全性について、プラセボを対照とした二重盲検法により検討する二つの試験です。
当社は、リンザゴリクスを子宮筋腫患者さんに早期に提供できるよう、取り組んでまいります。
以上
《ご参考》
リンザゴリクス(KLH-2109)について
リンザゴリクスは、キッセイ薬品が創製した新規の経口投与が可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストであり、脳下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させます。
キッセイ薬品は、2015年11月にオブシーバ社に対し、日本などアジアの一部を除く全世界における独占的開発・販売権を許諾しました。オブシーバ社は、子宮筋腫及び子宮内膜症を対象に臨床開発を行っています。子宮筋腫については、欧州では本年6月14日に欧州委員会より、英国では6月27日にMHRA(医薬品・医療製品規制庁)より販売承認を取得し、米国ではFDAにより承認審査中です。子宮内膜症については、欧米では第Ⅲ相臨床試験を行っており、日本国内においては、第Ⅱ相臨床試験が終了しています。また、アジアにおいては、2021年9月にバイオジェニュイン社(中国)に対し、中国における開発及び販売権を許諾し、同社では現在、臨床試験開始に向けた準備を進めています。
オブシーバ社(ObsEva SA)について
オブシーバ社(ObsEva SA、本社:スイス ジュネーブ、CEO:Brian O'Callaghan)は、婦人科領域及び周産期医療の改善のための新しい治療法を開発販売するバイオ医薬品企業です。戦略的なライセンスインと統制のとれた医薬品開発を通じて、子宮内膜症、子宮筋腫、切迫早産の治療に焦点を当てた後期臨床パイプラインを構築しています。また、同社はNASDAQ(NASDAQ:OBSV)及びスイス証券取引所(SIX Swiss Exchange:OBSN)に上場しています。
オブシーバ社の詳細については、公式ホームページ(https://www.obseva.com/)をご覧ください。
バイオジェニュイン社(Bio Genuine)について
バイオジェニュイン社は、競争力のある開発テーマを導入し、中国医療への新たなソリューションの提供を目指しています。
同社のチームは、国際的なバイオ医薬品企業とのパートナーシップにより、イノベーティブな製品や候補品を導入し、幅広いパイプラインを構築する豊富な経験を有しています。
同社は、女性の健康に貢献する新薬の研究、開発、製造、商業化を行うバイオ医薬品企業を目指すことをビジョンとしています。
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の子宮筋腫を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験開始のお知らせ 【PDF/516.1 KB】