医薬品
2022年7月27日
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」のライセンシーであるオブシーバ社の発表について
キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄)は、当社創製品であるGnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」(一般名)の日本などアジアの一部を除く全世界における独占的開発・販売権を許諾しているオブシーバ社(ObsEva SA、本社:スイス ジュネーブ、CEO:Brian O'Callaghan)が、更生手続きの開始等を決定したことを発表しましたので、お知らせします。
本決定は、オブシーバ社が子宮筋腫を適応症として米国食品医薬品局(FDA)に承認申請中のリンザゴリクスについて、同社はFDAによる承認審査において課題を指摘され、現時点では、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査期限である2022年9月13日までに本課題を解決できないと判断したこと等によります。
なお、オブシーバ社は、本剤について、欧州では本年6月に販売承認を取得しています。また、本剤の北米、アジア以外における商業化についてセラメックス社(英国)とサブライセンス契約を締結しており、当社は、オブシーバ社とのライセンス契約に従い、同契約を解約した上で、オブシーバ社とセラメックス社とのサブライセンス契約の譲渡を受けます。
当社は、当社主導により、2023年第1四半期での欧州におけるリンザゴリクスの発売を目指すとともに、引き続き本剤のグローバル展開に邁進します。
なお、本件が今期業績に与える影響等につきましては現在、精査中です。今後、開示すべき事項が発生した場合には、速やかに公表します。
オブシーバ社の公表内容の詳細につきましては、同社のウェブサイトをご覧ください。
URL https://www.obseva.com/press-releases/
以上
《ご参考》
リンザゴリクスについて
リンザゴリクスは、当社が創製した新規の経口投与が可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストであり、脳下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させます。
当社は、2015年11月にオブシーバ社に対し、日本などアジアの一部を除く全世界における独占的開発・販売権を許諾しました。オブシーバ社は、子宮筋腫及び子宮内膜症を対象に臨床開発を行い、子宮筋腫の適応症にて欧米において申請し、欧州では本年6月に欧州委員会(EC)及び英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)等より販売承認を取得しています。米国では食品医薬品局(FDA)により審査中であり、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査期限は2022年9月13日とされています。子宮内膜症については、現在第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
また、アジアにおいては、当社は2021年9月にバイオジェニュイン社(中国)に対し、中国における独占的開発・販売権を許諾し、同社では現在、臨床試験開始に向けた準備を進めています。
日本においては、当社が子宮筋腫を対象とした第Ⅲ相臨床試験を開始し、子宮内膜症については、第Ⅱ相臨床試験を終了しています。
オブシーバ社(ObsEva SA)について
オブシーバ社は、婦人科領域及び周産期医療の改善のための新しい治療法を開発するバイオ医薬品企業です。子宮内膜症、子宮筋腫、切迫早産の治療に焦点を当てた後期臨床パイプラインを有しています。また、同社はNASDAQ(NASDAQ:OBSV)及びスイス証券取引所(SIX Swiss Exchange:OBSN)に上場しています。
オブシーバ社の詳細については、同社ウェブサイト(https://www.obseva.com/)をご覧ください。
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」のライセンシーであるオブシーバ社の発表について 【PDF/166.6 KB】