医薬品
2022年9月28日
透析患者におけるそう痒症治療薬「ジフェリケファリン酢酸塩」の国内製造販売承認申請のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)と丸石製薬株式会社(本社:大阪市鶴見区、代表取締役社長執行役員:井上勝人、以下「丸石製薬」)は、この度、両社が共同開発した「ジフェリケファリン酢酸塩(一般名)を有効成分とした注射剤(開発番号:MR13A9)」について、丸石製薬が血液透析患者におけるそう痒症の改善を適応症とした日本国内における製造販売承認申請を行いましたので、お知らせいたします。
ジフェリケファリン酢酸塩は、カラセラピューティクス社(Cara Therapeutics, Inc.、本社:米国、President and CEO:Christopher Posner、以下「カラ社」)により創製されたκオピオイド受容体作動薬で、これを有効成分とした本剤は、血液透析患者におけるそう痒症の改善を適応症とした世界初の静脈注射用製剤です。本剤は、血液透析患者の中等度から重度のそう痒症治療薬として、米国では2021年8月に、欧州では2022年4月に承認を取得しています。丸石製薬は2013年4月にカラ社より本剤を導入し、2017年3月よりキッセイ薬品と国内で共同開発を進めてまいりました。
キッセイ薬品と丸石製薬は、そう痒症治療の選択肢を広げ、透析患者さんのQOL向上に一層貢献できるよう努めてまいります。
以上
《ご参考》
透析患者におけるそう痒症について
そう痒症は、かゆみの原因となる明らかな皮膚病変がないにもかかわらずかゆみが生じる病態で、透析治療を受ける慢性腎不全患者さんに多く認められる症状です。かゆみは長期にわたり継続し、強い精神的苦痛に繋がることから、著しくQOLを低下し、睡眠障害、うつ病、死亡リスクの上昇等の精神的、肉体的な健康に影響を及ぼすことが報告されています。
ジフェリケファリン酢酸塩(一般名、開発番号:MR13A9)について
ジフェリケファリン酢酸塩は、カラ社により創製された新規化合物で、選択的なκオピオイド受容体(KOR)作動薬です。内因性オピオイドは発現メカニズムの一つとして透析患者さんのかゆみに関与していると考えられており、ジフェリケファリン酢酸塩はオピオイド受容体のサブタイプの一つであるKORを選択的に活性化させることで、かゆみを抑えることが期待されています。
キッセイ薬品工業株式会社について
キッセイ薬品工業株式会社は、「純良医薬品を通じて社会に貢献する」、「会社構成員を通じて社会に奉仕する」との経営理念のもと、創薬研究開発型企業として、世界の患者さんに独創的な新薬を提供することに注力しています。泌尿器、腎・透析、糖尿病、消化器、そして希少疾病の領域を中心に活動しています。
キッセイ薬品工業株式会社の詳細情報は、https://www.kissei.co.jp/ をご覧ください。
丸石製薬株式会社について
丸石製薬株式会社は、日本薬局方医薬品メーカーとして創業した、周術期医療領域、感染対策領域のスペシャリティファーマです。創業130年を超える歴史のなかで培ってきた技術や知識・ノウハウを活かし、患者さんのQOL向上を最大の目的として医薬品研究・開発普及を幅広く行い、医療に貢献しています。
丸石製薬株式会社の詳細情報は、https://www.maruishi-pharm.co.jp/ をご覧ください。
カラセラピューティクス社(Cara Therapeutics, Inc.)について
カラセラピューティクス社は、そう痒症に苦しむ患者さんのQOLを向上する新薬の開発および商業化に取り組むNasdaq上場(Nasdaq:CARA)のバイオファーマです。
カラセラピューティクス社の詳細情報は、https://www.caratherapeutics.com/、Twitter、LinkedinおよびInstagramをご覧ください。
透析患者におけるそう痒症治療薬「ジフェリケファリン酢酸塩」の国内製造販売承認申請のお知らせ 【PDF/182.8 KB】