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医薬品

2022年12月19日

脾臓チロシンキナーゼ阻害剤「ホスタマチニブ」の国内第Ⅲ相臨床試験結果が「British Journal of Haematology」に掲載

 キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄)は、現在製造販売承認申請中の脾臓チロシンキナーゼ阻害剤「ホスタマチニブ」(以下「本剤」)の国内第Ⅲ相臨床試験(R788-1301試験、以下「本試験」)の二重盲検期の成績が「British Journal of Haematology※1」に掲載されたことをお知らせします。

 本試験は、少なくとも1つの既存の特発性血小板減少性紫斑病(以下「ITP」)治療で効果不十分又は不耐の成人慢性ITP患者さん34例を対象として、国内で実施されたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験です。二重盲検期において、本剤またはプラセボを24週間経口投与し、本剤の有効性と安全性を検討した結果、主要評価項目であるStable platelet responseの達成割合※2は、プラセボ投与群に比較して本剤投与群で有意に高い結果が示されました(本剤投与群 36%、プラセボ投与群 0%、p=0.030)。加えて、副次評価項目であるOverall responseの達成割合※3においても、本剤投与群はプラセボ投与群に比較して有意に高い結果を示しました(本剤投与群 45%、プラセボ投与群 0%、p=0.006)。また、観察された有害事象の多くは軽度あるいは中等度で、本剤の減量または休薬などの処置により管理可能であり、日本人のITP患者さんにおいて新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

 本剤は、ライジェルファーマシューティカルズ社(Rigel Pharmaceuticals, Inc.、本社:アメリカ、President and CEO:Raul Rodriguez、以下「ライジェル社」)が創製した脾臓チロシンキナーゼ阻害剤であり、日本国内においてはキッセイ薬品が開発し、本年4月に製造販売承認申請しました。

 当社は、十分な治療薬がない難病や希少疾病の治療薬の研究開発に取り組んでいます。病に苦しんでおられる患者さんの治療に貢献できるよう努めてまいります。

 

以上

※1 Kuwana M, Ito T, Kowata S, Hatta Y, Fujimaki K, Naito K, et al. Fostamatinib for the treatment of Japanese patients with primary immune thrombocytopenia: A phase 3, placebo-controlled, double-blind, parallel-group study. Br J Haematol. 2022; 00: 1-10.
URL https://doi.org/10.1111/bjh.18582
※2 投与14週から24週までの6回の来院のうち4回以上で血小板数が50,000/µL以上となった患者の割合。
※3 投与2週から12週までの6回の来院のうち1回以上で血小板数が50,000/µL以上となった患者の割合。


《ご参考》


特発性血小板減少性紫斑病(ITP)について
 ITPは、血小板減少の原因となる他の明らかな病気や薬の服用がないにもかかわらず、血小板数が10万/µL未満に減少し、出血しやすくなる病気です。病状の経過により発症から6ヵ月以内に血小板数が正常に回復する「急性型」と、6ヵ月以上血小板減少が持続する「慢性型」に分類されます。
 臨床症状としては、主として皮下出血(点状出血または紫斑)を認め、歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、頭蓋内出血なども起こることがあります。ITPは日本では指定難病であり、2020年度の国内のITP患者数は約1.9万人※4で、年間の新患発生数は10万人当たり2.16人と報告されています※5。ITPの原因は未だ明確になっていませんが、血小板に対する自己抗体が産生され、この自己抗体に結合することによって取り込まれやすくなった(オプソニン化された)血小板が脾臓でマクロファージに破壊されるために、血小板数が減少すると考えられています。ITPの従来の治療として、副腎皮質ステロイドやTPO(トロンボポエチン)受容体作動薬の投与や、手術による脾臓の摘出などが行われています。

※4: 2020年度末現在特定医療費(指定難病)受給者証所持者数より推定
※5: Int J Hematol、2011、93 :329-35

ホスタマチニブ(一般名、開発番号:R788)について
 ホスタマチニブは、ライジェル社により創製された経口投与可能な脾臓チロシンキナーゼ阻害剤であり、マクロファージによる血小板の破壊を抑制することにより、血小板の減少を抑制し、慢性ITPの出血症状を改善します。本剤は、既存の治療薬と異なる作用機序を有し、ステロイドを始めとする既存の治療法では効果が不十分な慢性ITP患者さんの新たな治療選択肢となることが期待されています。
 本剤は米国、日本及び韓国で希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けており、米国では2018年4月に承認、同年5月に発売され、その後、欧州やカナダでも発売されています。
 また、当社が開発権及び販売権を取得した韓国及び中国について、2021年6月と8月にそれぞれ韓国企業、中国企業とサブライセンス契約を締結しています。

ライジェルファーマシューティカルズ社(Rigel Pharmaceuticals, Inc.)について
 アメリカのカリフォルニア州に本社を置く、1996年に設立されたNasdaq上場(Nasdaq:RIGL)のバイオテクノロジー企業で、血液疾患、癌及び希少な免疫系疾患領域における新規の低分子化合物の研究、開発及び販売に注力しています。詳細につきましては、同社ホームページをご参照ください(https://www.rigel.com/)。



脾臓チロシンキナーゼ阻害剤「ホスタマチニブ」の 国内第Ⅲ相臨床試験結果が「British Journal of Haematology」に掲載 【PDF/273.2 KB

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