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医薬品

2024年9月17日

子宮筋腫治療薬イセルティ(一般名リンザゴリクス)の欧州での新発売のお知らせ

 キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「当社」)は、当社創製の子宮筋腫治療薬リンザゴリクス(一般名、国内開発番号:KLH-2109)について、技術導出先であるセラメックス社(英国)が、世界で初めてドイツにて、「YSELTY®(イセルティ)」の製品名で新発売しましたことをお知らせします。

 イセルティは、GnRH受容体拮抗薬(アンタゴニスト)であり、下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させ、子宮筋腫患者さんの出血症状及び疼痛症状を改善します。欧米で行われた第Ⅲ相臨床試験においてアドバック療法併用群だけでなく、非併用群でも有効性が確認され、2022年6月に欧州委員会(EC)及び英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)等より、生殖年齢の成人女性における中等度から重度の子宮筋腫を適応症として、販売承認されました1。イセルティは、ホルモン剤を服用できない子宮筋腫患者さんに対しても使用可能なGnRHアンタゴニストであり、個々の患者さんの病態やニーズに合わせた新たな治療選択肢を提供することができます。

 当社は、女性医学を専門とするセラメックス社を通じて、イセルティがセラメックス社に許諾したテリトリー内の多くの国々に提供され、女性の健康に貢献できることを期待しています。

 本剤については、日本では当社が子宮筋腫及び子宮内膜症で開発を進めているほか、海外では、セラメックス社をはじめとする技術導出先企業により開発が進められています。当社は、本剤が世界の患者さんのQOLの向上に広く貢献する薬剤となるよう努めてまいります。

 なお、本件の業績予想に与える影響は、2024年5月7日に公表しました2025年3月期通期の連結業績予想に織り込み済みです。

 

以上



1 ニュースリリース:2022年6月17日
 GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の欧州における販売承認取得について


《ご参考》

リンザゴリクス(国内開発番号:KLH-2109)について
 リンザゴリクスは、当社が創製した新規の経口投与が可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストであり、脳下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させます。
 アジアにおいては、当社は2021年9月にバイオジェニュイン社(中国)に対し、中国における独占的開発・販売権を許諾し、同社が開発を進めています。また、台湾においてはシンモサバイオファーマ社(台湾)により承認申請中で、韓国においてはJWファーマ社(韓国)が開発準備を進めています。
 日本においては、当社が子宮筋腫を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中であるほか、子宮内膜症を対象とした第Ⅱ相臨床試験を終了しています。

セラメックス社(Theramex)について

 セラメックス社は、産婦人科領域に特化した世界をリードするスペシャリティファーマです。避妊、不妊、更年期障害、骨粗鬆症など、革新的かつ幅広い製品ポートフォリオを有し、患者さんの生活をさまざまなライフステージにおいてサポートします。患者さんの声に耳を傾け、理解し、患者さんのニーズに応え、生活を改善するための医療ソリューションを提供することにセラメックス社は従事しています。セラメックス社のビジョンは、患者中心の効果的なソリューションを提供することで女性のさまざまなライフステージをケアし、サポートすることが出来る、女性と女性を治療する医療従事者の生涯のパートナーとなることです。
 セラメックス社の詳細については、公式ホームページ(https://www.theramex.com/)をご覧ください。

子宮筋腫について

 子宮筋腫は、子宮筋層を構成する平滑筋に発生し、性ホルモンに依存して増殖する良性腫瘍であり、その代表的な症状は、過多月経とそれに伴う貧血、月経困難症、圧迫症状、疼痛及び不妊です。過多月経や慢性的な疼痛症状は患者さんのQOL(生活の質)にも重大な影響を与えることが報告されています。

アドバック療法について

 薬剤による骨密度低下等の副作用を軽減するために外因性にエストロゲン(ホルモン剤)を補充する治療法です。



子宮筋腫治療薬イセルティ(一般名リンザゴリクス)の欧州での新発売のお知らせ 【PDF/268.0 KB

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