医薬品
2024年12月23日
GnRHアンタゴニスト「イセルティ」(一般名リンザゴリクス)の欧州における子宮内膜症の追加適応症の取得について
キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「当社」)は、当社創製のGnRHアンタゴニスト「イセルティ」(一般名リンザゴリクス、国内開発番号KLH-2109)について、技術導出先であるセラメックス社(英国)が、この度、欧州委員会(European Commission)より、子宮内膜症の追加適応症を取得したことをお知らせします。
イセルティは、セラメックス社により、子宮筋腫の適応症として欧州5ヵ国で発売されています1。また、セラメックス社は、子宮内膜症を追加適応症として欧州医薬品庁(European Medicines Agency)に対して申請を行い、本年10月の医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use)にて承認勧告が採択され、この度、追加適応症を取得しました。
本剤については、日本では当社が子宮筋腫及び子宮内膜症で開発を進めているほか、海外では、セラメックス社をはじめとする技術導出先企業により開発が進められています。当社は、本剤が世界の患者さんのQOLの向上に広く貢献する薬剤となるよう努めてまいります。
なお、本件が2025年3月期の連結業績に与える影響は軽微です。また、本件を織り込んだ、2025年3月期の連結業績予想については、2025年2月3日に予定する2025年3月期第3四半期決算発表時に開示する予定です。
以上
1 ニュースリリース:2024年9月17日
子宮筋腫治療薬イセルティ(一般名リンザゴリクス)の欧州での新発売のお知らせ
《ご参考》
リンザゴリクス(国内開発番号:KLH-2109)について
リンザゴリクスは、当社が創製した新規の経口投与が可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストであり、脳下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させます。
本剤は、セラメックス社により、本年9月にドイツにて「YSELTY®(イセルティ)」の製品名で発売されました。その後スペイン、ポーランド、イタリア、英国でも発売され、今後、EU各国で順次発売が見込まれるほか、オーストラリアでも承認申請しています。また、台湾においてはシンモサバイオファーマ社(台湾)により承認申請中で、韓国においてはJWファーマ社(韓国)が開発準備を進めています。
日本においては、当社が子宮筋腫を対象として承認申請に向けた準備を進めるほか、子宮内膜症を対象とした第Ⅱ相臨床試験を終了しています。
セラメックス社(Theramex)について
セラメックス社は、産婦人科領域に特化した世界をリードするスペシャリティファーマです。避妊、不妊、更年期障害、骨粗鬆症など、革新的かつ幅広い製品ポートフォリオを有し、患者さんの生活をさまざまなライフステージにおいてサポートします。患者さんの声に耳を傾け、理解し、患者さんのニーズに応え、生活を改善するための医療ソリューションを提供することにセラメックス社は従事しています。セラメックス社のビジョンは、患者中心の効果的なソリューションを提供することで女性のさまざまなライフステージをケアし、サポートすることが出来る、女性と女性を治療する医療従事者の生涯のパートナーとなることです。
セラメックス社の詳細については、公式ホームページ(https://www.theramex.com/)をご覧ください。
子宮内膜症について
子宮内膜症は、本来なら子宮の内側の壁を覆っている子宮内膜あるいはそれとよく似た組織が、子宮の内腔以外の部位(卵巣や腹膜、子宮の壁の中など)に発生し、発育を続ける病気です。20~30歳代の若い世代の女性に発症することが多いとされ、強い腹痛を引き起こすほか、不妊の原因の一つにもなります。
GnRHアンタゴニスト「イセルティ」(一般名リンザゴリクス)の欧州における子宮内膜症の追加適応症の取得について 【PDF/213.4 KB】