医薬品
2025年2月26日
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の子宮筋腫を適応症とした国内製造販売承認申請のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「当社」)は、本日、GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」(一般名、国内開発番号:KLH-2109、以下「本剤」)について、子宮筋腫を適応症として、日本国内における製造販売承認申請を行いましたので、お知らせします。
本剤は、当社が創製した経口投与が可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストであり、下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させ、子宮筋腫患者さんの出血症状及び疼痛症状を改善します。本剤は、子宮筋腫を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験2試験(KLH2301及びKLH2302試験)において、それぞれ対照群に対する非劣性及び優越性が示され、良好な結果を得ました1。
本剤について、当社は日本で子宮内膜症に対する国内第Ⅲ相臨床試験の準備も進めています。また海外では、技術導出先であるセラメックス社(英国)が子宮筋腫を適応症として2024年9月に欧州で発売し2、同年11月に欧州医薬品庁(EMA)より子宮内膜症の適応追加の承認を得ているほか3、他の技術導出先企業により、韓国、台湾での開発も進められています。
当社は、本剤を全世界の患者さんに早期に提供できるよう、取り組んでまいります。
なお、本件の業績予想に与える影響は、2024年11月5日に公表しました2025年3月期の連結業績予想に織り込み済みです。
以上
1 ニュースリリース:2024年7月16日
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の子宮筋腫を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験の結果について―主要評価項目を達成―
2 ニュースリリース:2024年9月17日
子宮筋腫治療薬イセルティ(一般名リンザゴリクス)の欧州での新発売のお知らせ
3 ニュースリリース:2024年12月23日
GnRHアンタゴニスト「イセルティ」(一般名リンザゴリクス)の欧州における子宮内膜症の追加適応症の取得について
《ご参考》
リンザゴリクス(KLH-2109)について
本剤は、経口投与可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストであり、下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させ、子宮筋腫や子宮内膜症の各症状を改善することが期待される薬剤です。
本剤は、セラメックス社(英国)により、2024年9月にドイツを皮切りに「YSELTY®(イセルティ)」の製品名で新発売され、その後順次、欧州各国他において発売及び発売に向けた準備が進められています。また、台湾においてはシンモサバイオファーマ社(台湾)により承認申請中、韓国においてはJWファーマ社(韓国)が開発準備を進めています。
日本においては、当社が子宮筋腫を対象として承認申請中であるほか、子宮内膜症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を準備中です。
子宮筋腫について
子宮筋腫は、子宮筋層を構成する平滑筋に発生し、性ホルモンに依存して増殖する良性腫瘍であり、その代表的な症状は、過多月経とそれに伴う貧血、月経困難症、圧迫症状、疼痛及び不妊です。過多月経や慢性的な疼痛症状は患者さんのQOL(生活の質)にも重大な影響を与えることが報告されています。
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の子宮筋腫を適応症とした国内製造販売承認申請のお知らせ 【PDF/201.1 KB】