コンプライアンスへの取り組み
キッセイ薬品は、創薬研究開発型企業として、純良医薬品を通じて社会に貢献することを目指しています。また、日本製薬工業協会(製薬協)の常任理事会社として、また東京証券取引所におけるプライム市場上場企業として、さらには、責任ある製薬企業として、国際社会に向けて開かれた企業風土と、社会の模範たるべきことを期待されています。当社は、かかる理念の実現と、期待に応えるために、遵法経営がすべての企業活動の前提であり、かつ基盤であると認識しています。この認識のもと、企業活動の行動規範として「キッセイ薬品行動憲章」および「コンプライアンス・プログラム マニュアル」を制定するとともに、これを高い倫理観を持って実践することで、遵法経営を行っています。
コンプライアンス推進体制
キッセイ薬品は、遵法経営を推進するために取締役会の委嘱によりコンプライアンス委員会を設置しています。
当委員会は、法務部長を委員長とし、各部門責任者により構成されており、高い倫理観の醸成とコンプライアンス徹底のため、年度ごとのコンプライアンス・プログラムの具体的実践計画等を審議し、決定します。決定された実践計画は、各部門長により部門ごとに実施、徹底されています。また、法務部コンプライアンス推進室が、コンプライアンス・プログラムの編成管理、実践計画の策定、教育や研修等の啓発活動を展開、実施しています。
さらに、キッセイグループでは、内部統制協定のもと、各社で選任されたコンプライアンス・オフィサーを中心に、グループ全体でコンプライアンス実践に取り組んでいます。定期的に開催しているキッセイグループ・コンプライアンス・オフィサー会議は、各社のコンプライアンス・オフィサーが参加し、各社の活動計画とその結果および関連情報を共有するほか、コンプライアンス・オフィサーへの教育・研修も実施しています。
通報・相談制度(キッセイほっとライン)
キッセイグループでは、公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和2年法律第51号)に従い、通報・相談制度「キッセイほっとライン」を設けています。本制度のもと、通報者の保護を図るとともに、当グループ内の法令違反の発生や、その被害・損失の未然防止・拡大防止に資するものとし、もって企業における法令違反等に対する自浄能力を有する高い組織自治能力の醸成に努めています。
当グループの役員、従業員および退職者は、グループ内の法令違反やハラスメント等に関して、会社から独立した外部の窓口に通報・相談ができます。外部窓口への連絡は、電話、メール、書面の送付および専用のウェブサイトへの入力によって行うことができ、利用者が匿名を希望する場合には、会社に利用者が誰であるか知られることなく通報・相談することが可能です。
責任ある製品供給と販売情報提供活動に関する取り組み
キッセイ薬品は、創薬研究開発型企業として、人びとの健康を支える重要な使命(課題)を認識し、日々、必要な取り組みを行っています。すなわち、安全で有効な医薬品の研究開発、高品質な製品製造と安定供給、ルールに従った販売促進活動および医療現場で必要とされる適正な情報提供していくことで、医薬品の製造販売における課題と向き合い、純良医薬品を通じて社会に貢献する企業を目指しています。
この一環として、すべての役員および従業員と、医療関係者、医療機関および患者団体との交流に関する規範として、製薬協が国際業界標準に従い定める製薬協コード・オブ・プラクティスに則り、自社コードとして「キッセイ薬品コード・オブ・プラクティス」および「キッセイ薬品医療用医薬品プロモーションコード」を制定し、これを遵守しています。
さらに、医療従事者の皆さんが必要とする医薬品の情報を提供するため、関連法令「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」を遵守し、科学的根拠に基づく適時・適正に提供することに努めています。なお、公正で誠実な医薬品の販売情報提供活動を担保するため、販売情報提供活動の資材審査、販売情報提供活動のモニタリング等を実施しています。
コンプライアンス推進活動
キッセイ薬品は、役員および社員が、日々の活動において、法令や社内規定の遵守は当然の前提であり、これを支える企業倫理を遵守することの重要性を認識し、遵法経営における各々の役割や責任を確実に果たします。このためには、継続的な教育・研修は、重要かつ不可欠です。
当社は、経営トップによる定期的な遵法経営に対する指示の発信に加えて、従業員の日々の活動におけるあるべき姿や取るべき行動を示す指針として「コンプライアンス・プログラム マニュアル」を全役員および全従業員に配付し、コンプライアンスへの理解と意識向上を図っています。また、毎年の製薬協のコード理解促進月間に併せ、全役員および全従業員を対象に「キッセイ薬品コード・オブ・プラクティス」に関する定期的な研修の実施、また、医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインの教育の随時実施により、責任ある医薬品の開発、製造、供給、販売促進活動および医薬品情報提供に努めています。
さらに、役員、執行役員、部門長、新任管理・監督者、新入社員等のキャリアステージに応じた階層別教育や、「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」など、業務に即した関連法規等の教育・研修を行っています。特に、多様化し複雑化する法令・法制に対応するために、法令が定める要求基準を満たすことを意図した教育・研修の展開を、2024年度より開始しています。
2023年度実施の主なコンプライアンス教育・研修
主な実施内容 | |
---|---|
全社共通研修 |
・2023年度 コンプライアンス実践状況アンケート結果 ・2023年度 コード・オブ・プラクティス理解促進月間研修 ・医薬品医療機器等法啓発資料(第5版) |
階層別研修 |
・医療用医薬品販売情報提供活動に関するガイドライン・労務管理の適正推進について ・心理的安全性の高い職場とは ・統制・強化と新たなコンプライアンス推進 新時代の遵法経営の推進 ・職場の心理的安全性向上に向けたパワハラ対策 ・新入社員教育(経営理念、企業行動憲章など) |
部門別研修 | コンプライアンス・プログラム マニュアル、プロモーション、公正競争規約事例問題など、152部署において延べ1,255回実施 |
コンプライアンス実践状況の調査
職場または従業員自身のコンプライアンス意識の浸透度合いや、その実践状況を確認することを目的に、全従業員を対象としたコンプライアンス実践状況アンケートを2005年度より毎年実施しています。
アンケート結果は、集計・分析した上で各部門・部署にフィードバックし、コンプライアンス推進責任者や担当者、上長を通じて一般社員への教育や、法務部による教育啓発活動の参考として役立てています。
今後も調査結果を有効に活用しながら職場環境の改善と、より一層のコンプライアンスへの意識向上に取り組みます。
透明性に関する取り組み
キッセイ薬品は、「企業活動と医療機関等の関係の透明性に関する指針」および「企業活動と患者団体の関係の透明性に関する指針」を定め、医療機関および患者団体等への資金提供等に関する情報を公開しています。