唾液分泌に影響する主な要因
唾液が出にくくなる主な要因
シェーグレン症候群:唾液腺が障害され、唾液が出にくくなります。
更年期障害:女性ホルモン(エストロゲン)の低下により唾液が出にくくなります。
糖尿病:尿量が増加するため脱水状態になりやすく、唾液の量も少なくなります。
脳血管障害:口の麻痺や筋力の低下によって唾液腺への刺激が低下して唾液が出にくくなります。

ストレスや精神的な緊張によって自律神経のバランスが崩れ、唾液の分泌量が少なくなることがあります。

加齢により筋力が低下したり、全身の水分量が減少したり、ホルモンバランスが変化したりすることによって唾液が出にくくなります。
唾液腺やその周辺部位への放射線照射や手術により、唾液腺がダメージを受け唾液が出にくくなります。

唾液腺炎や唾石症※など
※唾液腺や導管の中に石のような硬いものができる疾患。
脱水、貧血、冷え、発熱などによって唾液が出にくくなることがあります。
薬の一部には唾液分泌を抑えるものがあります。
・睡眠薬 ・高血圧治療薬
・抗うつ薬 ・パーキンソン病治療薬
・抗てんかん薬 ・抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)
・潰瘍治療薬 ・過活動膀胱治療薬 など

唾液の分泌を促すもの
味やにおいを感じることで唾液分泌が促されます。
甘味、うま味など「おいしい」と感じる味や香りの刺激が唾液の分泌を促します。
シェーグレン症候群などの一部の疾患に限られますが、唾液の分泌を促すことにより口腔乾燥症状を改善するお薬があります。

1日の唾液分泌の変化
唾液の出かたには1日のリズムがあり時間帯によって変化します。
明け方が最も唾液分泌が少なく、その後徐々に分泌量が増えて夕方が最も多くなります。その後は、夜から明け方にかけて少なくなるというサイクルで唾液が分泌されています。

参考:
Dawes C. Rhythms in salivary flow rate and composition. Int J Chronobiol, 2(3): 253-79, 1974.
監修
斎藤一郎 先生(鶴見大学歯学部 教授)
2020年作成