教えて!透析 Q&A
透析患者さんがよくお困り・お悩みになる質問に専門家がお答えするQ&Aコーナー。
患者の皆さまが生き生きとした生活をお送りいただく上でご参考にしてみてください。

【執筆】三愛記念病院 総看護部長 小手田 紀子 先生
【監修】聖隷佐倉市民病院 総看護部長 内田 明子 先生
  • 質問

    熱っぽいのですが、透析をしていても解熱鎮痛剤などの薬は飲んでもよいのでしょうか?
    NEW

    答え

    解熱鎮痛剤は一般に広く使われており、市販薬も薬局で簡単に手に入りますが、透析患者さんは服用を避けるべき薬や、注意して服用する必要がある薬があります。
    熱っぽいからといって自己判断で服用することはやめましょう。発熱したら、すぐに主治医に相談してください。

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    家族

    透析患者さんは免疫力が下がっていることが多く、感染症にかかりやすい状態にあります。そのため、透析をしていない方に比べて発熱しやすく、日頃から感染症にかからないように気を付ける必要があります。

    感染症には風邪だけでなく、シャントを清潔にしていないことや、長期に留置しているカテーテルや皮膚の小さい傷などからの感染症、下痢などの消化管 の不調がでるものなどさまざまです 。これらの原因や症状によって対処法も違ってきますので、もし発熱したら、ご自分で判断せず、すぐに主治医に相談してください。

    また、解熱鎮痛剤は一般に広く使われており、市販薬も薬局で簡単に手に入れることができます。しかし、腎機能が低下している透析患者さんは、服用を避けるべき薬や注意して服用しなければならない薬があります。

    例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)などは腎臓や胃腸の障害といった副作用を引き起こすことがあり、服用には注意する必要があります。そのため、たとえ解熱鎮痛剤でも、自己判断による服用は避け、必ず主治医に相談するようにしてください。

    感染症は予防が肝心です。外出時は必要に応じてマスクを着用したり、帰宅したら、「うがい」「手洗い」をしっかり行うなど、日頃から予防に努めましょう。また、シャント部は常に清潔に保つようにしましょう。

    もし透析中に熱っぽいなど、いつもと違う場合には、まずは透析施設の医療スタッフに相談してください。

  • 質問

    インフルエンザと診断されました。他の人にうつしてはいけないので、透析施設に行くのは避けたほうがよいのでしょうか。その場合は、どのように透析を受けるとよいですか?
    NEW

    答え

    インフルエンザなどの感染症にかかったら、透析日であっても、透析のない日であっても 、まずは透析施設に電話で連絡して 、透析治療をどのように受けるのか相談してください。施設から、他の患者さんにうつさないように受診する方法や時間帯を指示されると思います。その指示を守って行動してください。

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    サポート

    腎臓に病気のない人と同じく、透析患者さんもインフルエンザにかかったら、早めに適切な治療を受けることが大切です。また、感染症にかかっても透析治療はきちんと続ける必要があります。

    ただし、透析施設では多くの患者さんが同じ部屋で治療を受けていますので、他の患者さんにうつさないことも重要です。

    発熱や倦怠感などインフルエンザのような症状が現れたら、まずは透析施設に電話をして、透析治療をどのように受けたらよいのか相談してください。その際、施設から指示された方法で受診し、抗インフルエンザ薬や解熱鎮痛剤など、適切な治療を受けましょう。咳やくしゃみのある方は、マスク着用を忘れないでください 。

    多くの施設では、透析治療は他の患者さんとは別の時間帯や別の部屋で受けることになると思います。そうした指示もしっかり守って、きちんと透析治療を受けましょう。

    施設の送迎バスを利用されている方でインフルエンザと診断された場合は、感染拡大を防ぐために、他の患者さんと一緒に乗車するのを避けるようにしてください。また、家族にインフルエンザの方がいる場合は、なるべく接触を避けましょう 。

    インフルエンザは何といっても「予防」が肝心です。特に透析患者さんは、感染しやすい状態にありますので 、インフルエンザの流行シーズンが近づいてきたら、手洗い、うがい、マスク着用を徹底し、多くの人が集まる場所など人混みを避け 、主治医に相談した上で予防接種を毎年受けることを忘れないでください。

  • 質問

    家族が血液透析を受けることになりました。初めてのことが多く、戸惑っています。まずは、家族として、どのようなサポートをすべきでしょうか。

    答え

    透析治療が始まると、患者さんは毎日の食事や血圧、体重、飲み薬など、さまざまな自己管理を行う必要があります。これらの自己管理を継続していくには、ご家族の方々の理解とサポートが重要です。
    そのため、ご家族の方々には、透析治療や毎日の自己管理の方法などについて、医療スタッフからの説明を患者さんと一緒に受けていただき、理解した上で、患者さんをサポートしていただきたいと思います。

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    まずは、患者さんの生活面でのサポートが必要です

    家族


    通院の付き添いや手助け

    例えば、通院の付き添いや手助けが必要になります。
    血液透析は一般に、週3回、透析施設に通院することになります。ご高齢で足腰が弱い、遠方で通いにくい、などのご事情で、ご家族のサポートが必要になることもあるでしょう。
    送迎サービスのある施設もありますので、通院方法については、医療スタッフに相談してみてください。

    食生活でのサポート

    次に、日常生活のサポートでは、食事の管理と水分の摂取制限が重要です。
    透析を受ける患者さんは、カリウムや塩分を制限したり、飲み物も控えたりしなければなりません。
    水分や塩分、カリウムなど栄養バランスを考慮した食事をつくったり、味付けを工夫したりすることで、患者さんの食生活をサポートしていきましょう。外来で栄養士による食事指導を行っている施設もありますので、機会をみて、患者さんと一緒に話を聞いてみてください。
    治療方法でそれぞれに食事管理は変わってきます。治療を開始するときは特に、食事を作るご家族も一緒に栄養指導を受けられることをお勧めします。

    精神的なサポートも大切


    サポート
    透析患者さんは気持ちが落ち込みやすいため、普段の生活の中で、食事や睡眠が十分とれているか、口数が少なくなっていないか、何か楽しみがあるか、買い物などの外出や友人などとの交わりはあるか、などを注意してみてください。

    患者さんは、透析治療を一生続けていかなければならない現実に直面し、仕事や家庭、経済的な問題など、さまざまな不安を抱えていらっしゃると思います。ご家族も初めてのことばかりで戸惑ったり、将来に不安を感じたりすることと思います。

    その心配を減らすためにも、透析施設で説明を受けるときには、患者さんと同席して医療スタッフの話を聞いてください。

    施設では、医師、看護師だけでなく、栄養士、ソーシャルワーカーなどさまざまな職種が協力し合って、患者さんとご家族をサポートします。少しでも心配や疑問がありましたら、施設のスタッフに尋ねてください。患者さんとご家族の不安が少しでも緩和されるよう、手助けしてくれます。

    透析ライフサポーターズへ
  • 質問

    フルタイムで働いている会社員ですが、近々、透析治療を始めることになりました。週3日は治療のため病院に通わなければならないことを知り、仕事と両立できるか不安です。治療と仕事を両立させるためにはどういった心構えが必要なのでしょうか?

    答え

    透析治療と仕事の両立に悩まれる患者さんも多いかと思います。

    透析治療には血液透析と腹膜透析があり、そのほかに腎移植という治療方法もあります。こういった治療選択肢の広がりもあり、治療と仕事を両立されている患者さんもたくさんいらっしゃいます。

    透析治療を開始される前に外来などで治療選択肢について説明する施設が増えてきましたので、まずは医療スタッフに相談してください。
    また、血液透析では治療を行う時間帯は施設によって異なります。昼透析、夜間透析などを行っている施設もありますので、時間帯の説明を確認して、ご自分の仕事に支障を来さないように曜日や時間帯を決めましょう。

    仕事を続ける(あるいは始める)には、まずは体力を維持し、体調を整えることが肝要です。
    そして、仕事をすることでご自身がどういった夢を実現していきたいか、明確な希望を持つことも大切です。

    以下に挙げるポイントも参考にしてみてください。

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    透析と仕事の両立

    まずは健康第一!


    今のお仕事を続けたい方や新しい職場を探される方にお伝えしたいのは、まず何よりも「ご自身の身体が一番大事」であるということです。

    この事を念頭に置いた上で、
    • ① 食事に気をつける
    • ② 塩分制限・水分制限を守る
    • ③ 十分に睡眠や休息をとる
    • ④ ストレスをためない
    • ⑤ リンやカリウムの値に気をつけてしっかりと透析をする
    といったことを守りながら、治療と仕事を両立できるように体力を維持し、体調を整えることが大切です。

    「人生の棚卸し」が大きな第1ステップ

    これは透析患者さんに限ったことではありませんが、これまでのご自身の生きてきた道を振り返る「人生の棚卸し」をおすすめします。
    これまでのご経験を振り返って、得意なことや不得意なこと、やりがいを感じたことなどを思い起こしてみてください。
    「自分はこれまで何をしてきて、これからどうしていきたいか」をじっくりと考えてみることが大切です。

    そして、透析治療を始めることをネガティブに捉えず、前向きに考えていきましょう。
    仕事に限らず、趣味でも何でも社会とのつながりを持つことで、自分にとっての生きがいや希望も明確になっていくことと思います。

    職場の理解を得るにあたって


    治療を始めることで職場の環境が変わったり、新しい職場に移ったりと、いろいろと生活環境にも変化が生じることと思います。治療を受けていることで職場の方々に対して負い目を感じることもあるかと思いますが、治療が必要な状況を周囲に理解していただくことも大切だと思います。

    透析
    治療しやすい職場環境に変える、あるいは、仕事と両立しやすい治療スタイルをとれる病院(最近では、夜間透析やオーバーナイト透析、在宅透析などができる病院なども増えてきています)を探してみるのも良いでしょう。

    また、障害を持つ方の雇用を促進する法律(障害者雇用促進法)もあり、2016年(平成28年)4月にはその一部が改正されています(詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください)。

    治療を始めた後の生活について不安に感じることがあれば、医療スタッフに相談してください。透析治療を受けている全ての人が、いろいろな葛藤と闘いながら治療を受けています。ご自分の透析ライフがより充実したいきいきとした日々になるように願っています。
  • 質問

    透析を始めてだいぶ経ちますが、最近、食欲が出なくてあまり食べられません。どうしたらよいでしょうか?

    答え

    透析患者さんには高齢を迎える方も多く、食欲が出ないと訴えられる患者さんが多くおられます。その原因はさまざまですが、栄養が不足した状態が続くと体が痩せてしまいます。そうすると、筋力や筋肉量が低下して免疫力も下がってしまい、病気や感染症にかかりやすくなってしまうのです。
    また、糖尿病性腎症でインスリン療法や経口血糖降下薬を内服している方は低血糖症状に気をつけてください。

    毎日を元気に過ごすには「しっかり食べる」ことが大切です。食べることは治療の土台と言われています。
    栄養士さんに相談し、患者さんそれぞれの状態や好みに合った食事の方法をアドバイスしてもらいましょう。気になることがあったら、まずは医療スタッフに相談してください。

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    食欲不振
    透析患者さんには高齢を迎える方も多く、自然と食欲が落ちるだけでなく、食事のカロリー(エネルギー)が不足したり、老廃物が蓄積したりすることの影響で食欲不振になる方が多くみられます。

    エネルギーが不足するとそれを補うために筋肉がエネルギー源として燃やされてしまい、老廃物が増える・・・という悪循環にもなってしまいます。また、服用している薬の副作用で食欲が低下してしまうこともあります。

    しかし、栄養不足の状態が長く続くと体が痩せてしまいます。痩せすぎは筋力や体力を奪い、免疫力も低下して病気や感染症にかかりやすくなってしまいます。

    一般的には、太ることは健康に悪いと考えられていますが、実は、透析患者さんでは、太っていることよりも「痩せすぎ」になる方が問題です。

    食欲がない時は、まずは、自分が少しでも食べたいものを少しずつ口にしてみましょう。できればカロリーが高く、口あたりがよいものから食べてみるとよいでしょう。

    例:バニラアイス、プリン、蒸しパンやカステラ など



    毎日を楽しく過ごすには、痩せすぎないようにしっかり食べ、適度に活動できる体力を蓄えておくことが必要です。少しでも気になることがあれば、医療スタッフに相談しましょう。
  • 質問

    透析治療を始めてから便秘で困っています。運動不足が原因と聞き、毎日歩くようにしていますが、なかなかよくなりません。何か良い方法はないでしょうか?

    答え

    透析患者さんは便秘になりやすく、その原因は水分不足や食物繊維・ビタミン不足、運動不足などさまざまなものが考えられています。
    便秘が続くと重大な病気を引き起こすこともあります。つらいときは早めに医師や医療スタッフに相談してください。

    詳細な解説もご覧ください

    便秘
    透析患者さんが便秘になりやすい原因には、①水分を制限することで便が硬くなる、②食物繊維やビタミンB1の摂取不足、③運動不足などで消化管の動きが弱まる、④透析中に便意をがまんしてしまう、⑤糖尿病や脳梗塞などによる神経障害の影響、⑥便秘の副作用があるお薬の服用・・・などさまざまなものが考えられています。

    便秘を予防するために運動はもちろん良い方法ですが、透析患者さんの便秘にはこうしたさまざまな原因が重なっていることが多いようです。


    そこで、毎日の適度な運動とともに、以下のことも心がけてみてください。

    ・早朝に一口だけ水を飲んで、大腸を刺激する
    ・便意をがまんせず、便意をもよおしたらすぐにトイレに行く
    ・規則正しい排便習慣をつける
    ・便意がなくても、朝食後にトイレに行く
    ・ウォシュレットを使って肛門を刺激する
    ・毎日、お腹をマッサージする(時計方向にお腹をさする)
    ・調理を工夫して、食物繊維が多くカリウムが少ない食事を摂る


    頑固な便秘は苦しいものですが、それだけではなく腸閉塞(便で腸が詰まった状態になります)や腸管穿孔(便が腸を突き破り腸に穴が空いてしまいます)といった重大な病気を引き起こしてしまうこともあります。

    そこで、下剤や便を柔らかくするお薬などを服用して、便秘にならないようにしましょう。下剤は透析を行った夜に飲むようにします。また、透析中に便意をもよおしたときは、看護師や臨床工学技士に相談してください。

    「便秘なんて軽いもの・・・」と思わずに早めに医師に相談しましょう。
  • 質問

    私はお酒が好きで、普段は焼酎を1合ほど、暑いときは缶ビールを1本飲みます。私は糖尿病なのですが、飲酒をしてもよいのでしょうか?

    答え

    適度な量であれば飲酒もできます。ただし、週に2日は『休肝日』を設けましょう!

    詳細な解説もご覧ください

    糖尿病や肝腎症候群の患者さんでは、治療をするうえで、飲酒が好ましくない場合もあります。まずは、主治医の先生に相談してください。

    ここでは、医師から飲酒制限を指示されていないことを前提に回答します。

    日本酒やワインなどは「醸造酒」、ウイスキーや焼酎などは「蒸留酒」といいます。どのお酒がいいのかというよりも、含まれるアルコールの量が問題で、どの種類のお酒でもアルコールを多く摂ることはよくありません。

    一般的には、純アルコール換算で1日平均10~20g程度が「適度な飲酒」(適正飲酒量といいます)とされます。

    純アルコール20gの目安

    ビール中瓶1本,日本酒1合,チュウハイ(7%)350mL缶1本,ウイスキーダブル1杯

    適度な飲酒量であれば、一般に飲酒は制限されませんが、週に2日は『休肝日』を設けましょう。

    ただし、カロリー制限や水分制限のある患者さんは注意が必要です。カロリー制限が必要な方では、お酒はエネルギー量も多いため、飲酒量に気をつける必要があります。

    また、水分制限のある方では、お酒に含まれる水分量を考慮することも重要です。ウイスキーや焼酎を水割りにすると、水分量は増えてしまいます。この点でオンザロックを好まれる患者さんもおられます。

    さらに、果実酒とビールにはカリウムが含まれていますので注意しましょう。焼酎やウイスキーはこれらが少ないとされます。
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