季節の食材や料理を楽しむポイント

日本には、一年を通してさまざまな旬の食材や行事料理があります。
これらの中にはカリウムや食塩が多いものがありますので、以下のようなポイントに気をつけて季節の食材や料理を楽しみましょう!

※透析患者さんの食事療法のポイントについては「これだけは知っておきたい食事管理のポイント」をご参照ください。

たけのこやアスパラガス、山菜のおいしい時季を迎えますが、これらの食材にはカリウムが比較的多く含まれます。食べ過ぎに注意して食べる量を調整しましょう。
(可食部100gあたりに含まれるカリウム量)
食材名 カリウム(生)(mg)※1 カリウム(茹で)(mg)※1 100gの目安※2
たけのこ 520 470 水煮4分の1個
たらの芽 460 260 10個
ふき 330 230 5cm長を20本
うど 220 200(水にさらした場合) 4cm長を10本
アスパラガス 270 260 5本
さやえんどう 200 160 30さや
※1 文部科学省「五訂増補日本食品標準成分表」
※2 重量や数量はあくまで目安です。産地や規格などにより大きさや数などは異なります。
たけのこは、水煮缶詰の場合はカリウム含有量が100gあたり77mgと少なめです。
缶詰の中の水をよく切って利用すると良いでしょう。

<カリウムを抑えるコツ>
・野菜は水にさらしたり、ゆでこぼしをしたりしてカリウムを減らしましょう。
・野菜は小さめに切ってから水にさらすと、切った面積が増えてカリウムをより減らしやすくなります。
・カリウムの多い春の食材を食べるときは、いも類やきのこ類、海藻類などのカリウムの多い食材やカリウムを減らしにくい食材は控えめにして、食べる量を調整しましょう。

枝豆やとうもろこし、メロン、すいかなどがおいしい時季ですが、これらの食材にはカリウムが比較的多く含まれていますので、食べ過ぎに気をつけましょう。
(可食部100gあたりに含まれるカリウム量)
食材名 カリウム(生)(mg)※1 カリウム(茹で)(mg)※1 100gの目安※2
枝豆 590 490 50さや
とうもろこし 290 290 3分の1本
メロン 350 - 6分の1個
すいか 120 - 3cm角3片
※1 文部科学省「五訂増補日本食品標準成分表」
※2 重量や数量はあくまで目安です。産地や規格などにより大きさや数などは異なります。
<カリウムを抑えるコツ>
とうもろこしは茹でてもカリウムがあまり減りません。食べるときは少量にすると良いでしょう。
メロンは果物の中でも特にカリウムが多い食品です。
一方で、すいかはカリウムが比較的少ないですが、水分が多いため、透析の間の体重増加量も考えて食べ過ぎに気をつけましょう。

秋は「実りの秋」と言われるように、さまざまな食材が旬を迎えます。
さつまいも、栗、柿などはカリウムが多く含まれていますので、気をつけましょう。
(可食部100gあたりに含まれるカリウム量)
食材名 カリウム(生)(mg)※1 カリウム(茹で)(mg)※1 100gの目安※2
さつまいも 470 490(蒸した場合) 3分の1本
420 460 5個
170 - 3分の1個
※1 文部科学省「五訂増補日本食品標準成分表」
※2 重量や数量はあくまで目安です。産地や規格などにより大きさや数などは異なります。

温かい料理が多くなる季節です。
年越しそばやおせち、お雑煮や鍋ものなど、塩分の摂取量が多くなりやすい料理が増えるのが特徴です。
また、鍋ものなどの水分の多い料理を食べる機会も増えますので、食べ方に気をつけながら寒い冬を乗り切りましょう!

年越しそば

年越しそばの汁は塩分を多く含みます。汁は残すように工夫しましょう。
年越しのタイミングでそばを食べると、その日の食事が4食になってしまう場合もあります。そういう日は1食ごとの食べる量を調整しましょう。

おせち

おせちは保存をきかせるため、塩分と糖分が多く使われています。
のどが渇くようなら塩分の摂り過ぎかもしれません!
あらかじめ食べる量を決めて塩分を摂り過ぎないように気をつけましょう。
また、練り製品や田作り(小魚の佃煮)もリンが多いため食べ過ぎに気をつけましょう。

お雑煮、鍋
お雑煮にはお餅や野菜が多く、鍋料理には魚や肉、野菜が入っており栄養バランスが比較的とりやすい料理ですが、塩分や水分が多いため具を中心に食べて、汁は残しましょう。
干し柿、干し芋

干し柿や干し芋はカリウムがとても多い食品です。
また、干しぶどうなどのドライフルーツは高カリウム食品ですので控えめにしましょう。
特に高カリウム血症のときは食べないようにしましょう。

(可食部100gあたりに含まれるカリウム量)
食材名 カリウム(mg)※1 100gの目安※2
干し柿 670 2個
干し芋 980 3枚
※1 文部科学省「五訂増補日本食品標準成分表」
※2 重量や数量はあくまで目安です。産地や規格などにより大きさや数などは異なります。
旬の食材はおいしくて栄養価も豊富ですが、食材の中にはカリウムやリンを多く含むものがあったり、料理によってはさらに塩分が多くなったりすることがあります。
偏った食べ方はせずに一度に食べる量を調整しながら旬の料理を満喫しましょう!