
このコーナーでは、透析患者さんには欠かせない食事管理について、「1から料理を作る」のではなく、
スーパーやコンビニで入手できるものや外食時に活用できる手軽な食事管理のコツをご紹介します。
【執筆】株式会社日立製作所 ひたちなか総合病院 栄養室 腎臓病病態栄養専門管理栄養士 中山 真由美 先生
【監修】茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科 教授 石川 祐一 先生
外食の楽しみ方〜洋食編〜
外出をした時の外食は楽しみのひとつです。
外食時の注意点やメニューの選び方については『和食編』で紹介の通りです。
まだ読んでいない方はご一読下さい。
今回は、洋食を食べる際の注意点について紹介します。

このメニューの栄養成分 | 1食あたりの目安量※1 | 目安量との比較 |
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エネルギー:1,267kcal たんぱく質:41.2g カリウム:1,158mg リン:469mg 食塩相当量:3.4g |
エネルギー:596kcal たんぱく質:19.3g カリウム:667mg リン:289mg 食塩相当量:2g |
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このメニューの栄養成分
エネルギー:1,267kcal
たんぱく質:41.2g
カリウム:1,158mg
リン:469mg
食塩相当量:3.4g
1食あたりの目安量※1
エネルギー:596kcal
たんぱく質:19.3g
カリウム:667mg
リン:289mg
食塩相当量:2g
目安量との比較
※1
:標準体重50~60kg(55kgで算出)、週3回血液透析の方の場合
食事療法基準※2に基づいて、1日を3等分にして上記の通りに算出
(目安量は体重によって個人差がありますので、具体的な量については「これだけは知っておきたい食事管理のポイント」をご参照ください。)
※2
:日本腎臓学会編「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」、東京医学社、2014
このメニューを食べるときのポイントは
ー食べる量を調整しましょうー
栄養バランスは単品メニューより良く、塩分は和食より少ないですが、すべて食べてしまうとエネルギー、塩分、リン、カリウムなどが目標量をオーバーしてしまいますので、食べる量を調整しましょう。
減塩のためにできる工夫は?
ハンバーグにかけてある場合、お皿に余ったソースは残しましょう。できればソースは別添えに注文し、かける量も調整すると減塩につながります。
約1gの塩分が含まれます。控えめにしましょう。
<ワンポイントアドバイス>
主食をパンとライスから選択できる場合は、『ライス』を選びましょう。
パン1食分(ロールパン2個分)には約1gの食塩が含まれています。
「リン制限」を指示されている方は?
大きさにもよりますが、目玉焼きと一緒に3分の1は残しましょう。
また、肉は赤身のものほどリンが多く含まれています。
<ワンポイントアドバイス>
チーズハンバーグはリンや塩分がさらに多くなります。なるべくシンプルなハンバーグのメニューを選ぶと良いでしょう。
洋食はチーズや牛乳などの乳製品を使ったメニューが多く、リンの摂取量が多くなりがちですので、メニューの選び方や食べる量に注意しましょう。
「カリウム制限」を指示されている方は?
ハンバーグの量を減らすと、リンと同様にカリウムの摂取量も抑えられます。
いも類にはカリウムが多く含まれています。
残すか、食べる量を減らすことも必要です。
コーンにはカリウムが多く含まれています。
残すか、飲む量を減らすことも必要です。
デザートのフルーツは残す、または食べるとしても、一口程度にしましょう。
とくにバナナ、キウイフルーツ、メロンは要注意です。
<ワンポイントアドバイス>
◇洋食のメニューは、見た目以上に高エネルギーのものがあります。おかずの組み合わせによっては、カリウム、リンの摂取量が多すぎてしまいますので残す工夫が必要です。
◇食べすぎてしまったときは、次の食事で食べる量を調整しましょう!