夏バテ予防の食事のポイント

近年、夏は30℃以上の真夏日が続くことも珍しくなくなりました。このような状況の中、水分を多く摂ってしまい、食欲が低下することで夏バテしてしまうことはなかったでしょうか?
これから迎える暑い夏を乗り切るために、夏バテ予防の食事について考えてみましょう!!

食欲が落ちてしまう原因は?

「暑い日が続く」

「体がだるい」→「食欲が落ちる」

「冷たい飲み物ばかり摂ってしまう」

「胃腸の調子が悪くなる」

「さらに食欲が落ちる」

このように食欲が落ちて食べる量が減っているのに、「今日は体重が増え過ぎていますね」とか「次回は増え過ぎないようにしましょう」などとアドバイスを受けたことがありませんか?

ここで気を付ける点は、
「透析間の体重増加」=「食事量による体重増加」だけではなく、食塩と水分の摂り過ぎなどが原因の場合もあるということです。

いつもより食べていないのに、透析間の体重が増加してしまう

透析間の体重増加量を減らすように言われ、気になって食事を抜いたり、食事量を減らしたりしてしまう

栄養状態の悪化

痩せてしまう(筋肉量の減少)

疲れやすくなったり、動くのが辛くなったりするほか、
免疫力が低下し、他の病気を引き起こしやすくなる

※詳細は【レシピ7:体重管理のコツ】をご参照ください。

このような状態にならないように、
暑い時季が来る前から食事の摂り方に気を付けていきましょう。

「暑くて食欲がない…」そんなときの食事のコツ

食事を抜くことは避けましょう

「1食ぐらい食べなくてもいいや」と食事を抜いてしてしまうと、必要な栄養が不足してしまい、筋肉量の減少や体力低下 にもつながってしまいます。少しずつでも 、朝、昼、夕と1日3食は必ず食べるように心がけ ましょう。

冷たいものを摂り過ぎないようにしましょう

暑いからといって、冷たい飲み物やアイスクリームなどの冷たいものを摂り過ぎると、体の中が冷え過ぎてしまい、胃腸の調子が悪くなることがあります。その結果、食欲が落ちる可能性がありますので、注意しましょう。

偏った食事にならないよう注意しましょう

夏は「そうめんだけでいいや」などと主食のみで済ませてしまいがちです。食事を抜くよりは、何か食べるほうが良いですが、このような食べ方は、栄養のバランスが良くありません。筋肉のもととなる「たんぱく質」や体の調子を整える「ビタミン」などの栄養素が不足しないよう手軽に栄養バランスを良くする食材を追加するなど、工夫してみましょう。

<手軽に栄養バランス改善レシピ>

例1.そうめん

※1:鶏のささみ

  • ほぐし身として缶詰で販売されているスーパーもあります。
    肉が苦手な方は、ツナ缶を用いても良いでしょう。
  • スーパーやコンビニで売られている「サラダチキン(鶏むね肉を蒸して味付けしたもの)」はそのまま食べられますので、代用 できます(味付けしてありますので、さらにしょうゆなどで味付けしないよう注意しましょう)。

※2:きざみねぎ

  • ねぎはきざんで冷凍保存しておくと、すぐに使えて便利です(冷凍であっても食品の劣化は進みますので、 早めに使い切りましょう)。
  • きざみねぎは、スーパーの野菜売り場にパック詰めで売られていることもありますので、そちらを利用しても良いでしょう。
例2.ごはん

※3:豚しゃぶ

  • しゃぶしゃぶ用の豚肉をゆでたものです。なければ薄切り肉でも代用できます。薄切り肉ですと、火が通りやすく短時間で軟らかく仕上げられます。

※4:もやし

  • もやしも一緒にゆでると、ひとつのお鍋で簡単に仕上げられます。
  • もやしの他、ゆでたオクラをきざんで上にのせても良いでしょう。

<ワンポイントメモ>

・お鍋ひとつで簡単に
暑い時季、調理時間の短縮は夏バテ対策のひとつにもなります。

・仕上げに油をプラス
暑い時季、「油っぽいものは食べたくない」というときもあるでしょう。しかし、油は効率的にエネルギーアップすることができます。
仕上げに、オリーブオイルやごま油などの油を、ティースプーン1杯程度かけるとエネルギーをアップできます。
その他、エゴマやアマニなどお好みの植物油でも良いですが、油は消化するのに時間がかかります。また、油の種類によっては1日の使用量が決められている油もあります。一度にかけ過ぎないよう注意しましょう

酸味や香辛料を上手に使ってみましょう

お酢やレモン汁などの酸味や、七味やこしょうなどの香辛料、しょうが、にんにく、ねぎ、 しそ、みょうがなどの香味野菜をおかずに少しプラスして、香りや刺激、酸味で味わい良く、また、さっぱり感を持たせるとお箸が進むかもしれません。ぜひお試しください。

それでも食べられない…というときは、透析患者さん用の栄養補助食品などもありますので、 透析施設の管理栄養士や看護師にご相談ください。

食事をしっかり摂ることが暑さに負けないコツです。しっかり食事をして暑い時季を乗り越えましょう。