コンビニ食の選び方

新型コロナウイルス感染拡大の影響による外出自粛に伴い、外食は控え、テイクアウト商品や、コンビニを利用して食事をする方も多いのではないでしょうか?
そこで、コンビニを利用する際の食品の選び方について、気をつけたいポイントを考えてみましょう!

まずは栄養バランスのおさらいです。
コンビニで食品を買う際、【主食】【主菜】【副菜】の3つがそろっているでしょうか?

バランスシート

【主食】…ごはん、パン、めん類など…おもにエネルギー源になる栄養素が多い
【主菜】…魚、肉、大豆製品などのおかず…おもに血や筋肉など体をつくる栄養素が多い
【副菜】…野菜、海藻、きのこなどのおかず…おもに体の調子を整える栄養素が多い

コンビニで食品を選ぶ際、「おにぎりだけ」「菓子パンだけ」になっていないでしょうか?

選び方によっては栄養素が【主食】に多く含まれる「炭水化物※」に偏ってバランスが悪くなってしまったり、また、塩分が多くなったりしてしまいます。【主食】【主菜】【副菜】の3つがそろっているか、考えながら選びましょう。

※炭水化物:ごはんやパン、めん類に多く含まれ、おもに体を動かすエネルギー源になる栄養素

コンビニで食品の買う際の選び方のコツ

ポイント1:栄養成分表示を見てみましょう!

コンビニで売られている食品には、熱量(エネルギー量) や食塩相当量などの栄養成分表示のあるものが多く、購入する際の参考になります。記載のない商品については、各コンビニのホームページに掲載されている場合もありますので、ご参照ください。

一方で、カリウムやリンなどの栄養成分や水分量はほとんど表示されていないため、「それぞれが多く含まれる食品は何か」を把握した上で、購入する際には、それらを多く含む食品に偏らないように気をつけましょう。

食べ物に含まれるカリウムやリン、水分については、「透析レシピ」内にある「これだけは知っておきたい食事管理のポイント」「体重管理のコツ」をご参照ください。

※例:おにぎりの栄養成分表示
  (商品によっては、裏側や側面に表示されている場合があります)

おにぎり

【栄養成分の表示例】

熱量:167kcal、たんぱく質:2.8g、脂質:0.6g、炭水化物:38.6g(糖質:36.6g、食物繊維:2.0g)、食塩相当量:1.7g

※商品によっては「ナトリウム」の表示のみの場合があります。
ナトリウム=食塩量ではありません。食塩相当量に換算しましょう。

【ナトリウム】(mg)×2.54÷1000=食塩相当量【結果】(g)

ポイント2:選び方、組み合わせ方のコツを覚えましょう!

(1)おにぎり
<選び方のコツ>

おにぎりの塩分は具のみではありません。「白いご飯」であっても、ご飯にも塩味がついています。また、おにぎりの種類によっては食塩相当量が異なります。商品ラベルの栄養成分表示で確認してみましょう。

食事の時間がとれない、食欲がないなどで、おかずが食べられない場合は、梅干しや昆布よりも鮭やツナなどのたんぱく質の多い具が入ったおにぎりを選ぶと良いでしょう。

<組み合わせ方のコツ>

バランスシート

おにぎりだけだと、主食のみとなり栄養バランスが偏りがちです。
魚や肉、野菜が摂れるおかずを組み合わせると良いでしょう。

組み合わせ例:おにぎり+さばの塩焼き+ひじきの煮物

【組み合わせ例の栄養成分】

熱量:587kcal、たんぱく質:27.1g、脂質:34.7g、炭水化物:47.3g(糖質:42.1g、食物繊維:5.2g)、食塩相当量:3.2g

<おかずの選び方のコツ>

肉野菜炒めや豚しゃぶサラダ、パスタサラダなど、【主菜】と【副菜】が一緒になっているおかずもあります。

食塩量が多いものもあるため、味付けされている食品はたれを残したり、ドレッシングのかける量を3分の1から半分に減らしたりして、食塩制限を心掛けましょう。また、【副菜】のポテトサラダ、海藻サラダはカリウムが比較的多い点に注意しましょう。

生野菜はカリウムが多いため、「温野菜(ゆでた野菜)」のサラダにするか、カリウムが比較的少ない「玉ねぎ、キャベツ、レタス、きゅうり」などの野菜を使ったサラダを選ぶと良いでしょう。自宅で食べる場合は、生野菜は一度水にさらすとカリウムを少し除去することができます。

肉野菜炒め 豚しゃぶサラダ ポテトサラダ

(2)サンドイッチ
<選び方のコツ>

サンドイッチは、サンドされている具の種類によって栄養成分が異なります。
特に塩分については、「具」だけではなく、「パン」にも食塩が含まれています。カツサンドのカツにも、カツの表面に塗られているソースにだけでなく、カツ自体の下味にも食塩が含まれています。そのため、食塩量は意外に多いのです。

サンドイッチを選ぶときは、栄養成分表示を確認することに加えて、「ハムだけ」「卵だけ」と中身が偏ったものよりも、ミックスサンドのようないろいろな具材がサンドされているものを選ぶと良いでしょう。

<組み合わせ方のコツ>

バランスシート

サンドイッチだけだと、やはり栄養バランスは偏りがちになります。
魚や肉、野菜が摂れるおかずを組み合わせると良いでしょう。

組み合わせ例:ミックスサンド+焼き鳥+ごぼうサラダ

【組み合わせ例の栄養成分】

熱量582kcal、たんぱく質35.0g、脂質33.8g、炭水化物34.8g(糖質30.0g、食物繊維4.8g)、食塩相当量3.5g

そのほかにも【主菜】と【副菜】が一緒になっているおかずもあります。

※おにぎりの<おかずの選び方のコツ>をご参照ください。

(3)バーガー
<選び方のコツ>

サンドイッチと同様に、サンドされている具によって栄養成分は異なります。
具はハンバーグやチーズ類が多く、種類によっては2食分近くの食塩相当量が含まれているものもあります。また、チーズにはリンが含まれています。
「チーズたっぷり」など、具がたっぷり入っているものよりは、シンプルなバーガーを選ぶと良いでしょう。

<組み合わせ方のコツ>

バランスシート

バーガーは、サンドされているおかずの量によっては主菜がしっかり摂れるものもありますが、やはり栄養バランスは偏りがちです。野菜が摂れるおかずを組み合わせると良いでしょう。

組み合わせ例:フィッシュバーガー+コールスローサラダ

【組み合わせ例の栄養成分】

熱量:635kcal、たんぱく質:17.2g、脂質:36.7g、炭水化物:56.8g(糖質:50.6g、食物繊維:6.2g)、食塩相当量:3.2g

バーガーによっては肉や魚の量が少ないものもあります。その際には、【主菜】と【副菜】が一緒になっているおかずを選ぶと良いでしょう。

※おにぎりの<おかずの選び方のコツ>をご参照ください。

フライドポテト

また、ファストフード店では、バーガーとポテトのセットを選ぶことがあると思います。ポテトは、食べる量によってはカリウムや食塩を摂りすぎてしまうことがあります。
大きいサイズのものだと、バーガーと同じくらいの炭水化物や食塩量が含まれている商品もあります。組み合わせるときは、塩分摂取量に注意しましょう。

<番外編>

コンビニの商品について

【ホットスナック】 レジの横にある揚げ物や中華まんなどの商品は、食塩量の多いものが多いため、 間食として食べるよりも「食事の一つ」として食塩量を考慮しましょう。

【冷凍食品】 野菜を含む多種多様な商品があります。栄養成分表示を確認しながら、利用してみましょう。

【お弁当】 コンビニ弁当を食べるときのコツについては、透析レシピ内にある「コンビニ弁当の食べ方~幕の内弁当編~」をご参照ください。

最後に・・・

ここで紹介した組み合わせは、あくまで参考例です。商品によって栄養成分は異なりますので、購入する際には、ご自分の目で見て確認しましょう。また、透析施設で食事量を具体的に指示されている方は、透析施設の指示に従い、おかずの食べる量を調整しましょう。

また、現在、「血清カリウム値や血清リン値が高い」、「透析間体重増加量が多い」などと指摘されていませんか?
検査値や体重増加量の状況などから、ご自分の状態を把握し、どのようなことに注意すべきかをしっかり理解した上でメニューを選ぶと良いでしょう。

コンビニの商品は多様化しており、便利な商品がいろいろと売られています。
「いつも決まったもの」から「今日は別のものを」と、同じものを続けて偏って食べないようにすることも、栄養バランスを考える上では良いのではないでしょうか。

しかし、いろいろ考えて食べても、塩分を摂りすぎたり、野菜が摂れなかったりすることもあると思います。また、栄養成分表示にないカリウムやリンを摂りすぎてしまうこともあるでしょう。そうしたときは、摂りすぎたもの、足りなかったものを次の食事で、または1日の中で調整して食べると良いでしょう。

コンビニは、栄養バランスを考えながら、食品をいろいろと組み合わせるのに便利です。楽しみながら上手に活用しましょう!