「どうしても食欲が出ない」そんな時に活用したいチェックリスト

「どうしても食欲が出ない」そんな時に活用したいチェックリスト

「どうしても食欲が出ない」そんな時に活用したいチェックリスト

透析患者さんには「どうしても食欲が出ない」と悩まれる患者さんも多くおられます。高齢を迎える方も多く、加齢や運動不足によって自然に食欲が低下するだけでなく、食事によるエネルギー(カロリー)が不足し、老廃物の蓄積などから吐き気やさまざまな消化器症状が出現したり、服用している薬の副作用などでも食欲が出なくなることがあります。

透析患者さんの三大栄養素は炭水化物、脂肪、たんぱく質です。
栄養が不足した状態が長く続くと、体が痩せて体力が落ちてしまいます。毎日を楽しく過ごすには、適度に活動できる体力や筋力を蓄えておくことが大切です。

「どうしても食欲が出ない」日が続いたら、以下のポイントを一度、見直してみてください。

No. チェック内容
1

「透析の条件」や「ドライウェイト」を見直してみましょう

もし体重が減ってしまうようであれば、透析の時間やダイアライザー(ろ過器)の種類や大きさ、血流のスピードなどの透析条件がご自分に合っていない可能性があります。
食欲不振が続く時は、透析条件やドライウェイトの設定について主治医に尋ねてみてください。
また、ドライウェイトの設定が適切でないと、「痩せ」があっても体重の減少を把握しづらくなってしまいます。

2

透析はスケジュール通りにきちんと行いましょう

透析が不十分で老廃物が蓄積しすぎることは、食欲の低下につながります。スケジュール通りにきちんと行いましょう。

3

排便のコントロールはできていますか

便秘や下痢症状が続いて食事がとれない時は医師に相談しましょう。

4

体を動かしていますか

体を動かすことはエネルギーを消費して食欲を促すだけでなく、筋肉の保持にもつながります。

5

他に病気が隠れていないか、調べてみましょう

例えば、隠れた感染症やがんがあると体に炎症が起こって食欲不振の原因になります。また、感染症やがん以外にもさまざまな病気で食欲不振が起こることがあります。改めて定期検査のデータを見直し、食欲不振の原因を探す必要があるかもしれません。食欲不振があったら医師や看護師に相談してみましょう。

6

日頃から十分なカロリー摂取を心がけましょう

カロリーとなる炭水化物の摂取が不十分だと、各栄養素が体内で有効に活用されず、かえって体内のたんぱく質が分解されて「痩せ」が進んでしまう可能性もあります。

7

食事の回数は減っていませんか

朝食を欠食したり、透析前の体重増加が気になって食べなかったりするのはよくありません。
1日3回の食事時間を決めて少しでも食べ物を口にする習慣をつけましょう。
食事環境を整え、ゆっくり明るい雰囲気で食べることが大切です。

8

透析食のサービスなども検討してみましょう

加齢により食欲が低下するのは自然のことですが、食べる量が少なすぎては体重が減ってしまいます。また、カリウムやリンなどの摂取量に神経質になりすぎると食べる量が減ってしまいます。ひとり暮らしなどで食事を作るのが面倒になってしまうこともあるでしょう。
そこで利用を考えてみたいのが、透析患者さん用にたんぱく質や塩分を調整した食事サービスです。お弁当の通信販売や自宅まで届けてくれる食事宅配サービスなど、今はいろいろなサービスもあります。また、介護保険を申請すると家事介護でヘルパーさんに食事を作ってもらえるサービスが受けられる場合があります。これらのサービスを一度、検討してみてはいかがでしょうか。

毎日元気に過ごすためにも、十分なエネルギー量を保ち、痩せすぎないように気をつけることが大切です。食欲が出ないことを「たいしたことはないだろう」と思わずに、気になるときは医療スタッフに相談してください。