「睡眠についてお悩みはありませんか?」睡眠のお悩みがあるときに活用したいチェックリスト

「睡眠についてお悩みはありませんか?」睡眠のお悩みがあるときに活用したいチェックリスト

「睡眠についてお悩みはありませんか?」睡眠のお悩みがあるときに活用したいチェックリスト

透析患者さんは、不眠や眠りの浅さに悩まれている方は少なくありません。
不眠が続くと生活習慣病リスクが高まったり、持病が悪化したりすることがあるほか、日中の仕事や学業に支障が出てしまうことがあります。

また、不眠の原因のひとつに「かゆみ」があります。透析患者さんの約7割が何らかの「かゆみ」を経験し、このうち約4割は強いかゆみに悩まされているといいます。透析患者さんのかゆみは夜間に強まることが多く、睡眠への影響が強いとされます。
さらに、透析患者さんが合併しやすい睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群も不眠の原因となります。

ここでは、睡眠のお悩みがあるときに確認してほしい事柄をまとめました。
該当するものがあるとき、気になることがあるときは、かかりつけの透析施設の医師や医療スタッフに相談しましょう。
また、快適な睡眠を取れるような自分に合ったリラックス法を見つけるなど、工夫してみるのもよいでしょう。

No. チェック内容
1

どんな症状でお困りですか?

  • 布団に入ってから眠るまでに時間がかかり、寝つきが悪い(入眠障害)
  • 夜中に何度も目が覚めて睡眠が妨げられる(中途覚醒)
  • 早朝に目が覚めてしまう(早朝覚醒)
  • 朝スッキリと起きられない(熟眠障害)
  • 日中に眠気を感じる

一口に不眠といっても「寝つきが悪い」「眠りが浅い」「朝早く目が覚めてしまう」など症状はさまざまです。どんな症状で困っているか、確認してみましょう。
適切な睡眠時間は人それぞれです。日中の眠気で生活に支障を来していなければ十分な場合もありますので、神経質になりすぎないことも大切です。

また、十分に睡眠を取っていても日中の眠気が強いときは、早めに主治医に相談してください。

2

かゆみが原因で、なかなか寝つけない、目が覚めてしまうことはありませんか?

透析患者さんの皮膚のかゆみは、「透析そう痒(そうよう)症」という名称があるほど、透析をされていない方に生じるかゆみよりも頻度が高く、症状が強いため睡眠への影響が強いとされています。

かゆみには適切に対処することが重要です。
かゆみで眠れないなどお困りの場合は、早めに主治医に相談しましょう。

かゆみの原因や対策については、「かゆみチェックリスト」や「教えて!透析Q&A」も参考にしてみてください。

3

ご家族から、睡眠中に「いびきをかいている」や「呼吸が止まっている」と指摘されたことはありませんか?

睡眠時無呼吸症候群といった病気を合併している可能性があります。
睡眠中の激しいいびきや呼吸停止がある場合は、主治医に相談してください。

4

睡眠中に足がビクンと動いたり(けいれん)、じっとしていられなかったりなどの症状はありませんか?

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群とも言います)や周期性四肢運動障害といった病気を合併している可能性があります。
睡眠中に足のぴくつきや、むずむず感がある場合は、早めに主治医に相談してください。

5

日中の運動量が減っていませんか?

昼間の運動量が少なかったり、昼寝をし過ぎたりすると、夜間に眠れなくなってしまいます。

次のような工夫をしてみましょう

  • 透析中はなるべく眠らない
  • 午前中に日光を浴び、日中は適度な運動をする
  • 昼寝は15時前までに30分程度の短時間にする
6

睡眠の質を高めるため、生活習慣を見直してみましょう。

  • 規則正しい食生活を送る
  • 就寝前にお酒やたばこ、カフェインの入った飲料などの刺激物を摂らない
  • 就寝する2時間以上前に、ぬるめのお風呂につかる
  • 就寝前にスマホやパソコンなどを使わない
7

ご自分に合ったリラックス方法を見つけてみましょう。

《例》

  • 枕を高くしてみる
  • パジャマの生地をコットンなど肌ざわりの良いものにしてみる
  • ゆったりとしたパジャマを着て、からだを締めつけないようにする
  • エアコンなどを使って室内環境を快適にする

十分かつ良質な睡眠は、生活の質を高め、精神面を安定させるのに重要です。ひいては、透析治療へのモチベーションを長く保っていくためにも不可欠なものです。
睡眠に悩みがあったら、まずは規則正しい生活や日中の適度な運動などを心がけてみましょう。
それでもなかなか改善しない場合や、かゆみや合併症の可能性がある方は、主治医に相談し、適切な検査や治療を受けてください。