透析について考える

このコーナーでは、透析患者さんの治療や暮らしを支える、いろいろな職種の「サポーター」をご紹介。困ったときや不安なときに誰を頼ればよいかがわかります。

透析ライフを支えるサポーターの仕事と関わり

医療関係
福祉関係
手続き関係・その他

こんなときは誰に相談したらいいの?

  • 質問

    家での正しい血圧の測り方について知りたいときNEW

    答え
    家での正しい血圧の測り方について知りたいとき

    透析患者さんには高血圧の人が多いといわれます。高血圧は、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気を引き起こす恐れがあるため、適切な血圧の管理が必要です。
    透析患者さんの血圧の目標値は、血液透析の場合「週初めの透析前血圧で140/90mmHg未満(心臓の働きが低下していない、安定した慢性維持透析患者さん)」(*1)、腹膜透析の場合「140/90mmHg未満」(*2)とされています。

    ただ、血圧は1日の中でも変動しますし、季節やいろいろな要因によっても変わります。中には、医療機関で測る時に緊張してしまい、普段の血圧値よりも高く出る人もいます。特に透析患者さんの場合は、体液量の影響が強く、透析による除水や水分摂取による体重増加でも血圧値が変わります。

    そうした血圧の変動パターンを把握するためにも、普段から自宅で血圧を測定することが大切です。測定した血圧はノートや血圧手帳などに記して、診察の際に医師に伝えると、透析の内容やドライウェイトの設定、お薬の処方の参考になります。
    自宅での血圧測定にどのような機器を選べばよいのか、いつ、どのように測定すればよいのかは、かかりつけの医師や看護師に尋ねてみてください。

    (*1)日本透析医学会「血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン」透析会誌 44(5): 337, 2011
    (*2)日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」, 医学図書出版, 2019

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  • 質問

    健康保険証が変わったとき

    答え
    健康保険証が変わったとき

    就職や転職、退職、または扶養の変更などの際には、多くの場合、公的医療保険が切り替わり、健康保険証も新しいものに変更となります。また、同じ公的医療保険に加入していても、姓の変更など記載事項が変わった場合にも、新しい健康保険証が支給されます。
    新しい健康保険証を初めて使う際は、受付の医療事務スタッフに健康保険証が変わったことを伝えて提示してください。

    ただし、健康保険証の発行には日数がかかるため、受診したい時に新しい健康保険証が手元にないこともあります。その場合は、受付の医療事務スタッフに新しい健康保険証が届いていない旨を伝えましょう。健康保険加入者であれば、届くまで健康保険証の代わりとして使える「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらうこともできますので、職場にご相談ください。

    また、健康保険証が変わると、自立支援医療受給者証や特定疾病療養受療証などの変更手続きが必要となります。自立支援医療受給者証については住んでいる市区町村の担当窓口へ、特定疾病療養受療証については保険者や担当窓口(例えば、国民健康保険の場合は住んでいる市区町村の担当窓口、健康保険の場合は職場の担当者など)へお問い合わせください。

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  • 質問

    身体障害者手帳について知りたいとき

    答え
    身体障碍者手帳

    透析患者さんの中には、医療費や生活費などの経済的な負担が気がかりな方もいらっしゃると思います。透析の治療費は外来血液透析で月40万円程度、腹膜透析で月30〜50万円といわれており、健康保険の自己負担額で考えてもかなりの高額です。
    しかし、わが国には「身体障害者福祉法」という法律があり、障害があっても社会の中で安心して生活できるように権利が守られています。その法律に定められた障害に該当し、身体障害者手帳が交付されると、障害の等級に応じた様々な福祉サービスを受けられ、経済的な負担も軽減されます。 具体的には、医療費の助成のほか、所得税や住民税などの税金の控除、鉄道・飛行機・タクシー・バスなどの交通機関の割引、駐車許可証の発行、携帯電話基本料金の割引などがあります。
    ただし、助成を行っている地方自治体によって、受けられるサービスや条件は異なります。例えば東京都では、身体障害者手帳取得時の年齢が65歳以上である場合は、医療費助成(心身障害者医療費助成制度)を受けることができません。

    障害の認定や身体障害者手帳の交付は市区町村が行っています。手続きの方法や詳しいサービス内容については、市区町村の障害福祉担当窓口、または医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、透析看護師に尋ねてみてください。

  • 質問

    予防接種について相談したいとき

    答え

    透析患者さんは一般に、肺炎やインフルエンザなどの感染症にかかりやすいといわれています。

    そのため、インフルエンザワクチンはもちろんのこと、肺炎は重症化しやすい感染症の一つですので、原因菌となる肺炎球菌ワクチンの予防接種が推奨されています。

    ワクチンを注射すると、体内で免疫反応が起こり、ウイルスや菌を排除する働きを持った物質(抗体)が作られます。作られた抗体は透析によって除去されることはありません。

    ただ、接種してから効果が発現するまでには一定の期間が必要ですので、インフルエンザワクチンは、流行が始まる前(10〜12月)には接種しておきましょう。一方、肺炎球菌ワクチンは季節を問わず接種が可能ですので、元気なうちに接種しましょう。

    多くの透析施設では予防接種を行っています。予防接種の費用に関しては、自治体から助成金が出る場合もあります。希望される方や質問がある方は、医師もしくは看護師に尋ねてみてください。

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  • 質問

    住環境の不安や気になることがあるとき

    答え

    加齢や病気により体力が衰えてくると、立ち上がりや移動に不便を感じたり、転倒の不安を感じたりすることがあると思います。そんな時、住環境に少し手を加えることで、生活の不安が解消され、住み慣れた家で自立した生活を続けていくことができるかもしれません。

    介護のために住宅改修を行う場合は、介護保険を利用して費用の補助を受けることができます。例えば、室内や廊下、玄関に手すりをつける、段差をスロープにかえる、便器を和式から洋式に取りかえる、扉を引き戸や折り戸にする、部屋や浴室の床を滑り止め機能のあるものに変更するといったものが含まれます。ただし工事をする場合は、事前にケアマネジャーや市区町村窓口に相談する必要があります。

    これまで介護保険を利用したことがない方は、まず、市区町村の窓口か、通院先の透析施設の医療ソーシャルワーカーや看護師に相談してみてください。先に介護保険の利用手続きを行ってから、改修を進めます。

    すでに介護保険で在宅サービスを利用している方は、ケアマネジャーか訪問看護師に相談しましょう。

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  • 質問

    家族の介助の方法を教えてほしいとき

    答え

    日常生活でサポートを必要とする透析患者さんの中には、介護サービスを利用せず、ご家族が介助を行っているケースも多いと思います。

    一口に介助といっても、起き上がりや立ち上がり、歩行、車椅子やベッドへの移乗のほか、食事や服薬、入浴、着替え、排泄など、生活活動や行動の多くの分野に及びます。また、透析施設への通院の付き添いでは、車の乗り降りや着替えの介助が必要なこともあります。それぞれの場面で、どのように支援をすればいいのか、戸惑いや不安を感じる方もいるでしょう。

    介助の方法を知りたいときは、看護や介護のプロに聞いてみるのが一番です。これまで介護保険を利用したことがない方は通院先の透析施設の医療ソーシャルワーカーや看護師に、すでに介護保険で在宅サービスを利用している方はケアマネジャーか訪問看護師に相談してみてください。

  • 質問

    介護サービスを受けたいとき・変更したいとき

    答え

    家事を代わってほしい、食事や排泄、着替えや通院の介助をしてほしい、車椅子を使いたい・・・など、日常生活に不自由を感じ、サポートを望む透析患者さんもいらっしゃると思います。

    わが国には65歳以上の高齢者、または「特定疾病」を持つ40〜64歳の方が公的に介護サービスを受けられる介護保険制度というものがあります。透析患者さんで原疾患に糖尿病性腎症のある方は「糖尿病性腎症」が「特定疾病」に含まれるので、40歳以上が介護保険制度の対象です。支給限度内であれば、1割の自己負担でサービスを利用できます。

    介護保険を利用するには、「要介護認定(要支援1・2、要介護1〜5の7段階)」を受ける必要があります。住んでいる市区町村の窓口で申請をすると、市区町村から依頼された担当者が聞き取り調査を行います。その後、審査により要介護1〜5と認定されれば、地域にいるケアマネジャーに依頼をし、一緒に要介護度に応じたサービス(ケアプラン)を決め、介護サービスの利用を開始します。介護サービス利用開始後も、ケアマネジャーに相談してサービスの変更や追加をすることができます。

    また、要支援1・2の人は、地域包括支援センターへ連絡し、介護予防サービスの内容を決めます。
    40歳未満など介護保険の適用ではない人は、障害福祉サービス(障害者自立支援制度)を利用することになりますので、市区町村の窓口に相談してみてください。
    もし在宅療養中で市区町村に問い合わせるのが難しい状況であれば、訪問看護師に相談してもよいでしょう。

  • 質問

    社会保障制度について知りたいとき

    答え

    透析導入になり、多かれ少なかれ、誰もが心配になるのは経済的な負担。透析治療に伴う医療費、定期通院に伴う諸費用、あるいは環境の変化による生活費など、増える支出に頭を悩ませる方も多いかもしれません。しかし、わが国にはさまざまな社会保障制度が整っています。そのサービスを上手に活用して、少しでも安心して生活できるようにしたいものです。
    ただ、こうしたサービスは多岐にわたる上、サービス提供者も国や自治体、保険組合、民間などとさまざまです。また、サービスの内容も住んでいる地域によって異なるため、その内容や利用方法を全て自分で調べるのは複雑で難しいかもしれません。

    社会保障制度について知りたい時は、ぜひ医療ソーシャルワーカーに相談してみてください。医療保険や介護保険、障害年金、身体障害者の認定基準に関することなど、透析ライフを支えるさまざまな福祉制度について教えてくれます。
    医療ソーシャルワーカーは、通っている医療機関に在籍していない場合もあります。
    在籍していない場合は、透析施設の事務スタッフに聞いてみるのもいいでしょう。また、社会保障制度については、市区町村などの自治体の窓口でも相談できます。誰に相談すればいいのかわからないときは、医師や看護師に尋ねてもよいでしょう。

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透析サポーター インタビュー

Vol.4NEW
薬を安全に、適正に飲んでいただけるよう、
表と裏の両面から患者さんをサポート。

特定医療法人 あかね会 土谷総合病院 薬剤部 薬剤師長
鎌田 直博 さん

医薬品全般について幅広い知識を持つ薬のスペシャリスト、薬剤師。医師の処方せんを元に調剤を行う職業、というイメージを持つ人が多いですが、実は見えないところでも薬剤の適正使用や適正管理のためにさまざまな業務を行っています。
薬剤師としてこれまで多くの患者さんと接し、現在は積極的に後進の育成にも努める鎌田直博さんに、薬剤師の具体的な業務内容についてお聞きしました。

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