透析について考える

このコーナーでは、透析患者さんの治療や暮らしを支える、いろいろな職種の「サポーター」をご紹介。困ったときや不安なときに誰を頼ればよいかがわかります。

透析ライフを支えるサポーターの仕事と関わり

医療関係
福祉関係
手続き関係・その他

こんなときは誰に相談したらいいの?

  • 質問

    シャントに違和感があるときNEW

    答え

    血液透析では1回通常4時間・週3回、1分間に200〜300mLの血液を血管から取り出し、透析できれいにして、体内に戻します。その血液の出入り口であるシャント(自己血管内シャント)は、血液透析患者さんにとって命綱であり、安定した透析を継続するために欠かせません。
    閉塞(へいそく:塞がること)や狭窄(きょうさく:狭くなること)、感染などのシャントトラブルを防ぐためにも、普段から「シャントを守る」という意識を持って、シャントの血管が圧迫されないよう気を付け、清潔にしておくことが大切です。

    加えて、こまめにシャントを見たり、触ったり、シャント音を聞いたりして、異常がないかを確認することが重要です。1日数回、①赤みや腫れ、むくみなどがないか、②シャントの拍動が弱くないか、③シャント音が途切れていたり、高い音やこすれた音などの異常がないかをチェックしましょう。
    そこでシャントの状態がいつもと違うように感じられたり、シャント肢に痛みがあったりする場合は、すぐに通っている透析施設に連絡をし、医師・スタッフの判断を仰いでください。

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    血液透析 これからはじめる方
    施設で行っている方
    在宅で行っている方
  • 質問

    通院をサポートして欲しいとき

    答え

    週2-3回の定期通院が欠かせない血液透析患者さんの中には、高齢や病気、怪我などにより体が不自由で、通院が困難な方もいらっしゃると思います。家族による送迎が難しい場合は、送迎サービスを利用するとよいでしょう。
    送迎サービスには、介護保険を利用した訪問介護サービスのほか、自治体やボランティア、企業、あるいは透析施設が独自に送迎車を提供している場合があります。
    介護保険を利用した訪問介護サービスを受けている方は、ホームヘルパーに通院介助をお願いできる場合があります。対象は原則として要介護1〜5の認定を受けた方で、ケアマネジャーが通院介助を要すると判断した場合に利用できます。送迎サービスを受けたい場合は、ケアマネジャーか訪問看護師に相談しましょう。
    介護保険を利用していない方は、透析施設の医療ソーシャルワーカーや看護師、あるいは市区町村窓口に相談してみてください。介護保険の利用手続きを行うことで、訪問介護サービスを受けられる可能性もあります。

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  • 質問

    透析施設での感染が心配なとき

    答え

    透析患者さんは、体内に蓄積した尿毒素の作用や栄養不足、貧血などのさまざまな要因により免疫力が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすく、罹患すると治りにくくなっています。特に血液透析患者さんは、週2~3回、多くの人が集まる透析施設に長時間滞在するため、より感染しやすい環境にあるといえます。

    最近の新型コロナウイルスの感染者増加を受け、全国の透析施設では、今まで以上に感染対策が徹底されています。患者さんも、通院時には病院の注意事項に従い、落ち着いて行動しましょう。 患者さんができる感染予防策としては、手洗いを励行してマスクを着用する、待合室では他の患者さんと距離を取り長時間の滞在を避ける、多くの人と接触する機会を減らす、などが挙げられます。 通院前に発熱がある場合は事前に透析施設に電話連絡をし、指示を受けてください。透析施設で体調が悪くなった場合はすみやかに看護師やスタッフに申し出て下さい。感染の疑われる場合は集団での送迎バスの利用は避けて下さい。他にも不安なことがあれば、医師や看護師に相談してください。

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    血液透析 これからはじめる方
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  • 質問

    検査値の意味を知りたいとき

    答え

    透析治療では、治療の効果や合併症の有無などを確かめるために、定期的に血液検査を行っています。血液検査では主に、血清クレアチニン(Cr)、尿素窒素(BUN)、ヘモグロビン(Hb)、カリウム(K)、リン(P)、カルシウム(Ca)などを測定しています。
    また、血液検査以外にも、透析前後の体重測定や、定期的な胸部エックス線検査などから、体重増加量や心胸比(CTR)がわかります。
    医師はこれらの変化から、現在の透析条件や薬の処方、ドライウェイトが適切かなどを判断し、必要に応じて内容を変更しています。

    このように、検査値は体の状態を映す“鏡”といえるかもしれません。その内容は体調や食事などの自己管理にも役立ちますので、ご自身でも把握しておくことをおすすめします。
    検査値の意味や正常値・目標値は、医師・看護師に聞くと教えてくれます。ただ、体の状態というのは、いろいろな要素から総合的に判断するものですので、一つひとつの値にあまり一喜一憂せず、不安や気になることがあれば、それも含めてスタッフに確認、相談してみてください。

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  • 質問

    処方された薬について知りたいとき

    答え

    薬を受け取る時には、薬剤師からその薬の効能・効果(どんな症状や病気に効くか)、副作用について説明があるかと思います。また、その内容が書かれた説明書を一緒に受け取ることもあるでしょう。
    薬の種類が多いと、それぞれの薬の効能・効果の違いを覚えるのは難しいかもしれませんが、市販薬やサプリメントなどを購入する時や、別の医療機関で治療を受ける時など、いざという時のためにも、処方された薬のことは知っておくと安心です。

    薬に関しては、やはり専門家である薬剤師にまず聞いてみるのが一番です。お薬手帳や薬のシートなど、処方された薬の名前が書かれているものを見せれば、どんな薬か教えてくれますし、副作用や飲み方、他の薬や食品との飲み合わせなど、些細な疑問にも答えてくれるはずです。
    もちろん、実際に処方をした医師も薬のことはわかりますので、診察時に聞いてもよいでしょう。

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  • 質問

    ドライウェイトのことを知りたいとき

    答え

    血液透析を始めるまでは耳にすることのなかった「ドライウェイト」という言葉。これは、体に余分な水分がたまっていない状態の体重で、血液透析で除去する水分量(除水量)を決める際の重要な目安となりますが、透析を始めたばかりの方では、あまりピンとこないかもしれません。

    • ドライウェイトは、いつ、どうやって決められるのか?
    • ドライウェイトは増えたり減ったりするのか?
    • 次の血液透析までに、ドライウェイトからどのぐらい体重が増えてもよいのか?

    など、疑問に感じたことは医師や看護師に尋ねましょう。
    ドライウェイトは栄養状態の大切な指標です。体重を減らそうと意図的に食事療法をしていない状態でドライウェイトが持続的に減少するのは、栄養不足のサインです。

    また、透析中や透析後に血圧が下がったり、足がつったり、だるさを感じたり、むくみがあるなどのときは、今のドライウェイトが適正でない可能性もあります。ドライウェイトの見直しが必要な場合もありますので、医師や看護師に早めに症状を伝え、相談してみてください。

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  • 質問

    サプリメントや市販薬を摂取していいか分からないとき

    答え

    ドラッグストアだけでなく、今やコンビニエンスストアなどでも買えるサプリメントや市販薬。その手軽さから、ちょっとした体の不調の改善や病気の予防に活用したいと考える人もいるでしょう。

    しかし、病院で処方される薬を服用している患者さんの場合、サプリメントを摂取したり市販薬を服用したりすることで、時には薬同士の相互作用が生じ、体に悪影響を及ぼすこともあります。また、薬の作用が増強したり、あるいは逆に作用が減弱したりすることもあるため、注意が必要です。

    サプリメントや市販薬は、購入前に医師・看護師や薬の専門家である薬剤師に相談しておくと安心です。通院している透析施設や、かかりつけの薬局にいる薬剤師に相談するのもよいですし、相談窓口を設置しているドラッグストアもあります。その場合は、お薬手帳を見せるか、服用薬の内容や透析治療中であることを伝えましょう。

    また、サプリメントを使って補いたい栄養素がある人は、栄養のプロである管理栄養士に相談してみてください。普段の食事で補うやり方など、サプリメント以外の方法で解決できるかもしれません。

透析サポーター インタビュー

Vol.6NEW
透析患者さんの運動機能の維持向上を目指して
“続けられる運動プログラム”を一人ひとりに実施

医療法人社団光生会 さがみ循環器クリニック 理学療法士
原田 愛永 さん

体力の改善や維持向上、悪化防止を支えるリハビリテーションのプロである、理学療法士。原田愛永さんは、リハビリテーションの中でも腎臓リハビリテーションと呼ばれる分野に深く携わり、日々、透析患者さんの運動をサポートしています。腎臓リハビリテーションとはどのようなものか、そして透析患者さんにおすすめの運動は何か、普段の業務内容とともにお聞きしました。

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